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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1.5章秋 『錬金都市アルケミア』

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EX.271 「見違えた世界」

 トモキから伝えられたその情報に驚いて、俺は口に含んだ肉を噛まずに飲み込んでしまった。


「んげっぼ!ゴホッゴホッ!」


 思いっきり咽せた。

 その時の俺は随分と醜い姿をしていたのではなかろうか。


「じんべ、るだって・・・・・・!?」


「まず水を飲んでもいいんだよ?」


 俺はトモキから布製の水筒を受け取って浴びるように水を飲んだ。


「死んでるだって・・・・・・!?」


「そうなんだよ。ヒーローランキングに映ってた時にはデカデカと乗ってたんだけど・・・・・・そういやあの時『聖戦戦争』が起きてた頃だから覚えてないのも仕方がないのか」


 すると納得したようにぶつぶつと呟き始める。

 やめてくれよ。こっちはまだ置いてかれてるところなんだよ。一人で納得しないでくれ。


「えっとさっきの男はすでに死んでいて別の奴が成り切っているのかそれとも幽霊だっていう可能性があるってこと?なあハルト」


「オレに聞かないでくれよ。理解度も大体同じなんだしさー」


「だよなー」


 謎の膠着状態になってしまった以上。トモキのぶつぶつタイムが終わってくれることを願うしかない。

 しょうがないから俺は再びスプーンでテールスープを掬おうとーーー


「やっぱり皆が危ない!」


 バン!と机を叩くトモキーーー頼むから食事中に暴れないで欲しい。


「みんな今頃何かのエサにされてる可能性がーーー」


「ーーーただいま帰ったわ」


 すると扉をゆっくり開けたのは顔を真っ青になっているユウキの姿。


「・・・・・・結構無事そうじゃないか」


「この顔を見てそう思えるのならあなたは充分鬼畜と・・・・・・!」


 言い切る前にドタドタとトイレに駆け行っていく。


 僕らは一度、あれ?、と思い直して見つめ合うとーーー


 ドンドンドンドンドンドン!


「・・・・・・ウォーター助けてやってくれ」


 @@@@@


「・・・・・・酷い目に遭ったわ」


 強奪した水筒を震えながら抱きしめると彼女はそう言った。


「やっぱり何かしらの心霊現象が!」


「?心霊現象なんてあったかしら。それ以上にここのトイレが流れないなんて後でクレームを入れないと」


「いいから本題に入ってくれ」


 もうすでに考えなきゃいけないことが多いんだ。


「そうね・・・・・・気をつけて聞きなさい。私がタダ飯とありつけたその店は・・・・・・食用昆虫専門店だったのよ!」


「?」

「昆虫がどうしたんだい?」

「昆虫食いいじゃないか。虫の種類によるけども」


「ここの男どもは訓練されてるからこのおかしさに気づいていないのよ!そりゃあ私だって昆虫自体は食べれますとも!とも!」


 この人も充分訓練されている側だと思うのだけれども、その点はいかがなのでしょうか。


「テーブルの上に乗っけられたのは人間大のフルネスオオクワガタの幼虫よ!不味い不味くないを通り越して一種の怪異よ!」


 俺はそう言われて一瞬、デカい幼虫にナイフをかけるユウキの姿を想像してしまい噴き出してしまった。


「あ、き、ひ、と・・・・・・!?」


「すみませんすみません!どうしても行動がコメディ過ぎて止められませんでした!」


 世の中って想像以上に頭のおかしい環境というものがあるものだ。うんきっとそうだ。


「そうかな・・・・・・」


「なにが?」


「いや何でもない」


 俺は一度ハルトの問いかけを雑に押し切ると、ユウキに顔を向ける。


「ドンクライドンクライ。次はきっといい事あるさ」


「今が一番良くないと気持ち悪いけどね!」


 そう言う視点も大事だと思う。


「そういや残り二人は?影も形もないけどさ」


「あの2バカどもは二軒目に行ったわ。頭おかしいのよきっと」


 そんな悪口を述べていたユウキさんだったが、二軒目は普通に美味しい地元料理が出たと聞き思いっきりじだんだを踏んだ。


 @@@@@


 その後帰ってきた彼らにより、宿のリアクションの再放送を見たのち、ベッドの上に寝袋を置いて寝るという方法に行き着いた。


 ライフハックだ。覚えておくとよい。


「・・・・・・なあアキヒト。本当にあいつらになにも言わなくて良かったのか?」


 あの後俺たちは三人に黙っておくということにした。

 理由はシンプル、何が起きたのかよく分からないから対処のしようがない、ということ。


 何も攻略口が見当たらないのに答えを出すなんてネタバレ厨以外にいないだろう。

 だからこそ困ったふりをしながら丸々嘘をつかなくてはいけなくなった。


「明日、アイツらに問題がなかったら全てを帰りながら話そう」


「そんな都合よくいけるかなぁ」


 ・・・・・・今日だけでも達成感があるのはドラゴン倒しただけだぞ。

 その他は全部受け身だった気がする。


 もうちょっとリーダーらしくしておいた方が結果は良いじゃなかろうか。


 俺はそう考えながら目を閉じてゆっくりと現れる眠気を素直に受け入れた。


 @@@@@


「ふぁぁ〜〜ゆぅ」


 光と大きな風の音で目を覚ます。

 俺はあくびしながら窓を開けようとしてーーー失敗する。

 次にポットからお茶を淹れようと思ってーーー失敗した。


「?????????」


 頭が、はてなでぐちゃぐちゃになってしまったが徐々に徐々に視界がはっきりしていくとーーー?


「またどうなってんだよ・・・・・・これ!」


 俺が起きた頃にはーーーそうあれだけデカい建物たちが皆、歪な形で壊れていた。

次回:5月6日

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