↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1.5章夏 『十戒』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
283/303

EX.264 「女王様の処刑場②」

 ーーー痛みは無い。

 それはアキヒトが最終的におろした結論であった。

 地雷による肉体的なダメージは確かにあったが、それは間違いなく自分の命に直結するようなダメージではないのも事実。


 再生能力はすでに発動しきっている。


 弾き飛ばされた足や押さえきれず溢れた内臓が元あるところに戻っていく。

 それはテレビの逆再生に近いもの。

 普段のようにゼロから肉体を作り出す方法とは違うのは血液をできる限り消費したくなかったからだ。


 アキヒトは血液を再生できない。


 それは魚人島での一件と同じように、アキヒトには失血死の可能性がある。

 もちろんこの身体の都合上、人よりも血液の生産速度は早い。

 料理長によるエネルギー補給があったにせよーーーここまでの8連戦、それに加え十戒に嬲られた一件は確かにアキヒトの血液を消費していた。


 これ以上の失血を防がなければならないーーーそう考えたのは相手が異質であったから。

 吹き出した血液をコントロールしながら、濾過し、自分の肉体に還っていくーーーその行動には単純に蓋をつけるだけの通常の再生能力よりも遥かに時間がかかる。


 だが、それが出来るほどの時間があった。

 それをさせるほどの余裕を相手が見せた。


(・・・・・・一体何を考えている?)


 アキヒトは確かに地雷で足を吹き飛ばした。

 それは致命的なミスーーーそれによって首を吹き飛ばされてもおかしくは無かった。

 おかしくは無かった・・・・・・のだが、追撃が来なかった。


「とりあえず撮ってみるか・・・・・・」


 @@@@@


 俺は一度深呼吸をして、心を落ち着かせる。

 相手が追撃しないことをいいように判断して、俺は出来ることをしようと考えた。


 結果はーーー砂嵐の走った画面。


「バグったか?」


 俺はこんこんと叩く。

 二重に使った能力は変なバグり方をするな。

 最低限相手の姿が分かれば良かったけどーーーそう上手くいかないものだな。


「じゃあここは用は無いな」


 移動するか、と呟いて放送室を後にする。


 とはいえ次はどこにいく?

 スピーカーから声が流れたから、なんていう理由で放送室に向かったが、正直次が無い。

 オマケに追撃が来ない。


 相手が冷静なのか、それとも慢心なのか。


「うん?」


 俺は神経を尖らせながら廊下を進む、と目に入ったのは中央館多目的室。

 うちの学校でも似たような扱いだが、大抵が体育の授業で卓球をする場所ーーーという印象ではないだろうか?


「ーーー行ってみるか」


 俺は何も考えることをせずに扉を開いた。


 ーーーここには対して何も無かった。

 強いて言うなら要らない荷物だったのか壊れた資材が乗っかってあったぐらい。


「・・・・・・あれ?」


 なんで俺は


 @@@@@


「ーーー行ってみるか」


 俺は何も考えることをせずに扉を開いた。


 ーーーここには対して何も無かった。

 強いて言うなら要らない荷物だったのか壊れた資材が乗っかってあったぐらい。


「・・・・・・ふむ」


 それにしても随分と血生臭いことだなぁ、

 新しい血の臭いとは言わないけれど、じっくりことことと煮込まれたような気持ち悪い臭い。


「あれはーーー倉庫か」


 自分の目先にあるのは鉄の扉。

 この場合大抵は倉庫だからこう決めつけて置くべきだな。


「倉庫か・・・・・・行くべきか行かないべきか」


 う〜〜〜〜ん


「やめ


 @@@@@


 じっくりことことと煮込まれたような気持ち悪い臭い。


「あれはーーー倉庫か」


 自分の目先にあるのは鉄の扉。

 この場合大抵は倉庫だからこう決めつけて置くべきだな。


「倉庫か・・・・・・行くべきか行かないべきか」


 相手がいる可能性を考えていたらきりないし行かないで置くべきか、でもーーー。


「ーーー行かなきゃ出会わないよな」


 俺は心の紐を締めてドアノブを捻る。


 そこにはやはりといったものか、空っぽの棚以外何も無いような・・・・・・。


「いや絶対にそれだけじゃ無いよな」


 その嫌な予感が合わせるようにダンボールが置かれている。

 嫌な予感がいるのか、それとも嫌な予感がやってくるのかどういうことなのだろうか?

 ・・・・・・俺は一体何を考えてるんだ?


 なんだかさっきからおかしな感じがするようなしないような。どうだろうか?


「【影分身の術】」


 俺は印を結んで、もう一人の自分を呼び出す。

【有形分身】と違って分身のコントロールは難しいがスプラッタな映像を見なくていいのが好み。


「ダンボールを開けてくれ」

「へいへい」


 気の抜けた返事をして、分身の俺はポツンと置かれたダンボールに近づく。

 俺は咄嗟に逃げられるように窓際に近づく。


「開くぞーーー」


 そういって分身は蓋を開けるーーー瞬間爆発した!


「ーーー・・・・・・っ!」


 だが距離は取っておいた爆発するまでに逃げることは


 @@@@@


「ダンボールを開けてくれ」

「へいへい」


 気の抜けた返事をして、分身の俺はポツンと置かれたダンボールに近づく。

 俺は咄嗟に逃げられるように窓際に近づく。


「開く パダァアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!


 それはまさに不意の一撃。

 背中から突き抜けた弾丸が、心臓を横切り、そのままダンボールに直撃しまった。


「しまっ・・・・・・!」


 ドオォオオオオオオオオオッ!!!


 前のめりに倒れる身体は、その爆発を容易に避けることを拒否した。

 そしてその爆発エネルギーは俺の全身を殴りつける。


 されるがままの身体は窓を突き破り吹き飛ばされる。


 ーーー考えろ!考えろ!!


 相手は本来ダンボールを撃つ予定でその射線上にある俺を当てた。

 だがここは中央館!コの字の真ん中の場所だ。この場所をこの角度で正確に狙えるのは、東側と西館の端。

 そして弾は俺の心臓の右側を貫いていることは西館!


 ーーーそして西館で撃つなら角度を考えて三階か四階。さらに本来はダンボールを撃つことを考慮するならばダンボールが影になりやすい四階よりも三階にいる!


 アキヒトはダメージを受けて瞬時に思考を取り替える。考えないことは死に直結することを知っているからだ。

 だが、ぬぐいきれない違和感がある。

 心の底にデキモノのような形として残った違和感。


 ・・・・・・思考を、コントロールされてる?


 それを拭いきれないまま、アキヒトは吹き飛ばされた体をムチのようにしならせ、体勢を整える。


「超覚醒・・・・・・そして、【スティンガー】」


 アキヒトは角度を整えて反射板を発動する。

 踏んだ瞬間狙い通りの部屋の窓に突き進む。


 アキヒトは意識的に思考を閉ざした。


 アキヒトは窓ガラスを割って、件の部屋に突入する。


 そこはなんてことない部屋ーーーなんてことはなく。


 銃!銃!!銃!!!


 おびただしい量の銃口がこちらを向いていた。


 誘導されていた!と把握すると同時にアキヒトは魔力を込める。


「【フルし


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!


 一点集中の絨毯爆撃。

 矛盾のようなものだが結果は確かに示していた。


 銃弾によって吹き飛ばされた骨や肉は背後にべちゃりと壁のシミになる。

 かろうじて残った肉体をなんとか繋ぎ合わせて、転げ落ちないように支える。

 それが今のアキヒトにできること。


 なんとか【フルシールド】を展開しようとしたが、そうはならず薄い魔力壁を銃弾はオブラートのように破り捨て、中の人間を貫いた。

 死んでいないのは、再生能力の奇跡なのか、それとも呪いなのか誰にも分からない。


 ・・・・・・耐え切ったのか?


 すると、ザザッと備え付けのスピーカーが鳴る。


『私は正直驚いているよ。ここまでやって死ななかったのは久しぶりだ。先輩が酒の飲める年齢ならばぜひとも話しておきたかったよ』


 その声はセリフの割にかなり落ち着いた声だった。

 だが、探偵が犯人のトリックを見破る時ようなあの薄ら寒い恐怖を感じる。


 もしかして今まで観察されていたのか?


『正直に言うと私も戸惑っている。君を殺す方法に。()()()()ボロボロにしても先輩は死なないのならば、こちらも手を尽くさなければならないと分かっている。そこが正直思いつかない』


 だが、と男は続けた。


『先輩の臨界点を見つけた。あとはそこを突いていくだけだ』


 ーーー読み切ったのだろうか。本当に?

 だがこの世に絶対はない。

 再生能力もそうだし、相手の言っていることも100パーセントそうだとは言えない。

 それでも、今、間違いなく有利なのは相手だろう。


 相手は今、ミニチュアハウスで逃げ回る人形を相手にしている感覚だろう。

 だからこそ、どうやって殺すのだろうか、と悩むことができる。


 今の俺は後手のさらに後手。

 どんどんと悪い方向に向かっているという自覚しか起きない。


 だがーーー


「聞こえているか分かんないけど言ってやるよ」


 このまま言われるがままなのが少し嫌だった。


「もうアンタの能力は俺ののど先まで来てんだ!覚悟しとけ!逆転王手を決めてやる!」


『ーーー』


 聞こえているのかわかっていない自己満は。


『クソゲーを楽しもうか』


 相手の言葉を〆で終わらせた。


 開始から30分が経過した頃である。

次回:近日

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。