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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』

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EX.122 「戦線境地②」

『数分前——————【海の森】』


「クジラと魚達が、森を離れていく······!!」


廃船が散らばる森で、うらしまが呻く。


「ただ事じゃないぞ······。島で何か起きてる様だ······!!」


「にゅ〜〜、まともに戦えば······リュウギョウさんとアキヒトさん達の圧勝だろう······。だけどディザスターは······おそらく折れる事がねぇ······!!」


「······どういう事?」


「——————ロジャーお頭は······きっとこれを恐れてたんだ······!!」


            @@@@@


『【魚人島】』


「全員島の外へ避難せよと、左大臣から通信が!!」


『【サンゴが丘】』


「状況はさっぱりわからないが······!!さっき島を押し潰そうとしたのは紛れもなく【ノア】!!」


「あんなものがもしまた突っ込んで来たら······!!島は無事じゃ済まねぇ!!」


「大臣の言うとおりに!!」

「とにかく外界へ!!」


「おらは広場から連絡を受けたぞ。何でも【ノア】を島から逸してくれたのはテティス姫だと!!」


「え!?」


『【水車の街】』


「さっきの【ノア】はティーチが!?」


「そういう情報だ!!」

「あのストーカー野郎!!とうとうあんな物まで!!」


『【サンゴガーデン】』


「何の拍子にまた突っ込んで来るかわからない」

「全員魚人島を出ろ——————!!」


「テティス姫が囮になってくださったって本当か!?」

「おれ達だけ逃げ出すってどういう了見だ!」


「姫様が己の危険を顧みず与えてくれた時間だ!!何もせずその気持ちを無駄にする気かぁ!!」


『【マンハッタン大広場】——————広場上』


ネプチューン軍数名がドジョウの魚王類に乗って向かう。そこにはサンゴ岩を背に持たれたネプチューン王の姿。


「国王様ァ——————!!ご無事ですか!!」


「···············」


「申し訳ございません。我ら一体何のための下臣か······!!」


ドジョウから降りるやいなや土下座をした下臣達をネプチューンは制した。


「よい。ノアを見たか······?」


「はっ」


「参った······。アレがよもや動き出そうとは······!!ティーチめ。島と姫に衝突していたら文字通り全てが終わっておったんじゃもん」


「我らまず状況が飲み込めず。取るものも取り敢えず国民には避難命令を出しました」


「ああ、それがよい······」


「国王様もお早く!!」


「··················。いや、わしは王子達を待つ」


「え!?」


『【マンハッタン大広場】——————中央』


「これは一体······」


右大臣達の眼前に広がるのは無数の人間と魚人達。それがまるで一国を争う戦争の風景。


人間の何十倍を超える大きさの海獣達がひれのし、その他の有象無象はたった九人の人間達に歯向かっている。


「【セブンウォーリアーズ】······【リュウギョウ】······!!」


最初から見ていた魚人達に問い詰めると、リュウギョウ達が何をしたのかを理解した。

彼らが現在、強大な敵と相見えていること——————。テティスを始めネプチューン3兄弟、アキヒトとディザスターは魚人島を抜けて【外】に出ていったことも。


「姫様が······!?」

「ティーチ······ディザスター······!!」

「あいわかった······」


「委細承知した!!全兵広場へ!!リュウギョウと【セブンウォーリアーズ】に続け!!強大な敵を全て抑えて貰えば残るは一介の戦闘員のみだ!!身を疑い、無き罪を着せた彼らに国を守られてはすでに面目など丸潰れ!!せめて敬意を持って彼らを援護しろ!!」


「はっ!!」


「そして物見の者達は全員直ちにこのを離れ、島の外へ!!」


「やだよ!!」


右大臣の言葉に真っ先に歯向かったのは子供達だった。


「何を!?女子供は特にだ!!さァ行け!!」


「人間の【セブンウォーリアーズ】がこの島の為に戦ってくれてんのに、目の前でおれたちが逃げ出す訳にいかないよ!!」


「そうです。あいつらに助けを乞うたのは我々だ!!」

「何もできんがおれも奴らと運命を共にする!!」

「私もっ!!」

「おれもだ右大臣!!」


「ウ······」

「なんと······」


「感心しとる場合か!!急げお前達は広場へ!!」


「はっ!!」


ネプチューン軍兵士を送らせた後、右大臣は反抗する魚人達に指を指して、


「よいか、伝達は義務だ!ここにいるその他大勢の物見な者達にも私の言葉を必ず伝えろ。人それぞれ都合と考えがある!!それでもここにおる者は勝手にせい!!」


そう言って彼も中心へと向かう。


「ネプチューン軍だ!アレはおれ達で充分!!討ち取れぇ!!」


「ウォオオオオオオオオオオオ!!」


「行けえ『奴隷タンク』!!今度は向こうだ!!」


セルファーの足元を支えるのは厳重な首輪をつけたれた人間達。

一人が潰れる度に新しい奴隷を補充していく。そうして行くことでまるで戦車のように大砲を携えて突き進む。


「ひどい事するわね」


吉田が睨みながら呟いた。


            @@@@@


「【威嚇·メガ入道】!!」


フジワラが大きく息を吸って、風船のように大きく膨らむ。


「ただでさえバカでかいのに〜〜!!」

「ギャーーー!!ちょっと助けて——————!!」

「フジワラさーーーん。やめてくれ〜〜〜!!」

「味方が潰されてるよー!!オーイ!!」


「······なんか意味あんのか?」


「なんらとぉ〜〜!!じゃあこれれ!!」

「やーめーてーくーれー!!」


ハルトが煽りに釣られ膨らみ続けるフジワラにため息を漏らし、ちょうど真下にいる魚人達は悲鳴を上げる。


「吉田優希!!——————人間の奴隷達を解放できるか!?」


「いいの?彼らすでに魚人島を恨んでいるわよ?」


「恨んで向かってくる『敵』なら叩き潰す。——————じゃが、今奴らは『人間』ですらない。ディザスター達の『貴族のマネごと』など見てはおれん!!」


いいわ任せて、と吉田がいい彼女の眼前で暴れる『奴隷タンク』に向かった。


              @@@@@


「【イカロスの翼】!!」


「ぬ!?」


イカロスが口から液体を飛ばし、山本は空圧をいじってそれを防ぐ。


「プップップップップッ!!」


「翼っていうかおめぇ——————ツバじゃねぇか!!」


拳でイカロスをぶん殴り、イカロスは「ゲソー!?」と叫ぶ。

だが液体を殴ったようにイカロスが飛び散る。山本の手には黒い液体が。


「ん?」


「残念だったっピ!!そっちはイカスミ分身。幹部をナメて貰っては——————」


「【空圧拳】!!」


「うおーーー!?何だこの風!!」


「お〜〜!!見た目だけでも威力が上がってますね!!地面も抉れてます!!」


「だろ?モフ!!」


「余所見するとは屈辱的だドスゥウウウン!!」


ドスンが巨大なハンマーを振りかぶる。モフはポケットから取り出したブロックを取り出す。そのブロックはモフのイメージに沿い、巨大なグローブに変形する。


攻撃意匠(アタックフォルム)——————【ヘビースタンプ】!!」


モフは後ろに取り付けられたロケットで、ドスンのハンマーを押し返す。


「ぬ〜〜!!おれのハンマーをそんな手で!!」


「痛ぁ〜〜!!振動が手にきたし、グローブもオーバーヒートしたんですけど!?」


モフはグローブごとブンブン振り回して、熱を取り出そうとする。


「おうモフ。それが岡田の奴が造ったアイテムか。お前の『能力』に適した形態なのか?」


「そうですね!微弱でも皆さんの手助けが出来るように暴れますよ!!」


「そうか······」


活き活きと山本から学んだ拳法で続々と魚人達をなぎ倒す姿を見てユウスケは微笑む。


「笑ってる奴を〜〜。斬りてぇよぉぉぉおお〜〜!!」


「おいおい······」


ユウスケが刀を振ったその時には、ヒョウゾウの持つ八本の刀を中心から二つに叩き折る。


「おれの結界から逃げ出すチャンスをやったのによ······」


「·····················!!」


「この島で一番強い剣士を連れてこい!!——————お前じゃ実力示しにもなりゃしねぇ!!」

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