EX.108 「解放を求める男の物語」
【キャラクター名簿】
余島 花恋
【年齢】14歳
【性別】女
【身長】147センチ
【体重】36キログラム
【能力】『魔女』
【生年月日】2003年10月23日
【使用武器·防具】特に無し
【外見的特徴】母譲りの金色の瞳
【初登場】『EX.39『あれから7年後』』(カレンはアキヒトとは違い、EX.0が初登場ではない)
【固有能力】特に無し
『【魚人街】』
「すげーなー!ワルヒード·ロジャー!!元ここのボスだもんなー!!」
「魚人をいっぱい助けたんだってよ!!」
海底にも、地上と似たような新聞が送られており、それは魚人街に住む魚人達にも知れ渡った。
レオナルド·ディザスターもゼオもダルマもそよ記事を読んで喜んでいた。
「地上の貴族がカンカンだってよ!······あの貴族!」
「ムカつく人間をやっつけたんだな」
「人間はみんなクソだってライダーさんいつも行ってたぞシャッシャッ!下等なんだあいつら下等!!」
そこには、ドスンやイカルスの姿もあって。
「日の下の解放軍は、今海の上で人間達をどんどんやっつけて回ってんだドスン!!スゲェドスン!!」
「オレたちもももっと強かったら一緒に行けたッシ!!」
「やっちまえー!解放軍!!人間なんてぶっ殺せ——————!!」
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『地上』
「しっかり狙え!!」
「しかし!!海中に潜られては······!!」
地上では日の下の解放軍の魚人達が、ワルヒード·ロジャーを筆頭にして捕まえるべく、襲いかかっている所、返り討ちにあっているのであった。
「あのれ魚人共っ!!『奴隷であった者達』を全員差し出せぇ!!そうすれば貴様らの罪も······!!」
「元奴隷だとォ!!?そういう者がウチにいる証拠でもあるのか!?」
この船で一番偉いであろう眼鏡の人物が全てを喋る前に、ロジャーがその顔面を蹴り飛ばした。
そして眼鏡が割れ、鼻から血を出すその人間の胸ぐらを掴み。
「全員の体を調べてみろ!!奴隷だった者には"烙印"があるそうだ!!それが確かにあるのか!?」
「野郎共!金品と食料を奪って船に戻れ!!」
「ウオオオオオオオオオオオ!!」
眼鏡の者は海中に泳ぐ魚人達の姿を見て、ヒッ······、と慄く声を漏らす。
その姿にロジャーは、安心しろ逃してやる······、と言っていたが——————。
「シャハハハ!!お前は『死刑』だ!!」
彼の見ていない間に、ライダーは一人の兵をタコ殴りにし、自分を示す象徴である鎌をギラリと光らせて。
「人間!お前らはそれだけで罪深い······!!」
「待て!ライダー!!」
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「マッハンタン中監!!インド洋所属のバラン小監の船が······落とされました!!」
そこは、バミューダトライアングルの上の雲に建てられた世界政府。
それは、キングに黙って造られた非営利、好暴力集団。
あくまで『均衡』を保つ為の組織だった。
だとしたら何故キングに黙っていたのか?
それは彼らの鎮圧的手段の行動の過激化によるものだった。
逆らうのなら殺すべし、逃げるのなら殺すべしを完璧に主張された存在が、当時最も温厚だが、和を乱す事には尋常ではないほど厳しかった48代目キングの存在には基調な気持ちでしかいられなかったからだ。
故に密かに国や地域に癒着をし、近代的技術によって雲の上に本部を建て、キングへの報告には自らが行った行動を過小に報告していた。
「お〜〜······どうして挑むんだぁい?居場所を報告して来いと言うたのにぃ〜」
渋面の男がタバコをふかしながら苦言を言う。
「見える位置まで近づくと、あっという間に海中から取り囲まれてしまう。という話で······」
「お〜〜怖いねぇ〜流石は海中のプロ。確認できる魚人はいるかい?」
「以前から時折、陽樹イヴの付近で海賊をやっていた。ライダー一味が合流している様ですが。元々海中の為、戦闘能力の測定が難しく——————後はロジャー並にガタイもあり、恐ろしく強い男がいるという話ですが······名前すらまだ」
「厄介だねぇ〜〜」
@@@@@
その頃、海上の船ではゲンコツが振るわれた音と、魚人達の笑い声、そしてライダーの、いってぇ!と言う声が響いていた。
「何だあんな下等生物の1匹や2匹」
「人間を殺すなとおれは言っている筈だ」
「······く······」「··················」
その言葉に黙らされたのは、リュウギョウとライダー。その二人だった。
「お前ら二人、度が過ぎやしねぇか!?おれ達は殺戮集団じゃねぇんだ······!!調子に乗るな!!」
「しかしタイのアニキ······いやあ、お頭!あいつらは全員お頭の首を狙って来よるんじゃ。向こうが殺る気なら、こっちも多少やり過ぎてしまうわい腹も立つ!!」
「殺したら負けなんだ!!あいつらと同類になりてぇのか!?」
「!!」
「——————これは差別の歴史への『復讐』じゃねぇんだ!!おれが地上でやった事もそう······つまらねぇ世の鉄則は破ったが、虐げられる者達の『解放』でしかない!!」
「この日の下の解放軍は『解放』と『自由』。それ以上の意味は持たねぇ!!」
「おれ達が恨みのままに人間達への復讐を始めれば——————その後生まれるのは更なる人間からの復讐って悲劇だけだ。何の罪もない未来の魚人族が目の敵にされるだろう」
「分かるか?」
「追ってくる者達とは戦い奪うが、最後の一線を守れ。おれ達は誰も殺さない!!」
その言葉に反抗したのは、この船に乗る中で最も好戦的な人物であるライダーだった。
ライダーはロジャーの机を叩きつけて、
「ハッ!!大アニキ!!オレは一言言いたかった!!人間からの復讐を生む!?復讐されねぇ様に息の根を止めりゃいいだろう!!より残虐に!!人間が震えあがるようによぉ!!」
「そうすりゃ仕返そうなんて考えは起こさねぇ!!」
「魚人の強さと恐さを奴らは知らねぇだけだ!!まぶたに焼き付けてやりゃあいいんだよ!!『恐怖』を!!」
隣のリュウギョウは饒舌に喋っていたライダーの頭をシバく。
「······何すんだてめぇ!!」
その姿は面白おかしく、周りの魚人達は更に笑うばかりだった。
@@@@@
「リュウギョウ······!」
その夜、リュウギョウは船の上にて酒を飲みながら平行線を見つめるロジャーに止められた。
「オトヒメ王妃の訴えは······理想だな······。彼女にとって······おれとライダーの何が違う」
「························」
「おれは······自分の心の奥に棲む『鬼』が······一番恐い······!!」
「?」
その時わしは気づかなかった。
ロジャーにとって解放は、ただの意地っ張りをする姿だったと言うことに。
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そこからは目まぐるしく時がたった。
自分達を討ち取って名を上げようとするヒーロー。
変わらず魚人島の住民に署名を求めるオトヒメ。
ロジャーとリュウギョウが賞金首になり、それが魚人街に届き、子供達に喜びを渡すなど。
そして、約3年が過ぎた頃(21年前)。とある島にて——————、
「もし!どうか頼まれてくれませんか······」
老婆から連れられた子は、全く変わらない表情で薄汚れた服を着ていた小さな子供だった。
「この子は······3年前のあなたの奴隷解放の際に、ヨーロッパより逃れて来た子です。しかし、この子の親のいる故郷はここより遠く······我々の航海術手間は連れてゆく事ができないのです」
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「リルです、11歳!!3年前はどうもありがとうございました!!」
そう言う事の成り行きで船に乗った少女がニコニコした顔を変わらずに、鋭い目で見られる中、単調な声で言った。
「ガキでも人間だぜ!!胸くそ悪い!!なぜ同じ船に人間を!!」
「成り行きだ」
「ニヤニヤしてんじゃねぇよ!!癇にさわるガキだ!!」
「ライダーさん!!」
終始変わらずにニコニコしているリルにライダーが殴り飛ばした。
ルゥは素早くライダーを羽交い締めして、止める。
「ライダーさん!まだガキだぜ!!」
「確かに······始終笑って気味悪ぃ」
すると、あろうことか自らのズボンの裾を千切り、その布で船床を拭き始めた。
「すみません!働きますから、手を休めず掃除しますから、もう叩かないで下さい」
すみません、すみませんと呟くリル、リュウギョウは不思議に思い、止めようとするが、
「何があっても、泣きませんから、殺さないでください」
「···························」
単調変わりない彼女の言葉に、わしはここまで恐ろしいと思った事はない。
「おい······やめんか、わしらが恐ぇのか······!?」
「はい······!でも、お母ちゃんに会いたいから勇気を出して船に乗りました······。手を休めたらあんた達、あたしの事殺すかもしんないでしょ?役に立ちますから殺さないでください······!」
「??」
すると、リュウギョウの後ろから現れたアルファントが言った。
「奴隷の生き方が体にしみついてる······。同じ奴隷が······泣いただけで殺されたり······掃除を休んだだけで殺されたり、次に自分かといつも脅え誰にも心を許せない······」
それは、同じ奴隷の身であった奴だからこそ言えた事なのかもしれない。
その時だった。
「お頭!!」
船長室からお頭が出てきたのは。
「このガキを······おれの部屋へ連れてこい!!」
その後、彼女の悲鳴らしき声が響き、皆が中でお頭が何をしているのかと不安に思った時、リルが背中から血を流し、部屋から出てきたのだ。
わしらはお頭が手に持っていた物で、何がしたかったのかは一発でわかった。
それはわしらと同じように、刻印を印す為のもの。
貴族の家印を消すための物だった。
「止血を!手荒だが······『烙印』があっては······忘れられるもんを忘れられねぇ」
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リルが目覚め瞬間、また同じように顔を引つらせながら笑顔を作って、
「あ······気絶しちゃった······!すみません——————だけど、あたし泣かなかったから、殺さないでください!何されたって泣きませ——————」
「泣きゃあいいじゃねぇか!!おれ達とあの地上の貴族と一緒にすんじゃねぇ!!」
そして、ロジャーは、よく見ろ、と言い。懐から海賊から奪った旧式のハンドガンを手に取って、海に投げ捨てた。
「おれ達は、誰も殺さねぇ······!!」
「行くぞお前ら······こいつを必ず、故郷へ送り届ける!!」
「ウオオオオオオオオオオオ!!」
その時じゃ、その時にリルは。
ようやく、泣いてくれた。




