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努力で生き抜くこの世界  作者: こっさむ
第八章 ひとりではない学び
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誰が変えるか

ご覧いただきありがとうございます!

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それでは、どうぞお楽しみください。

朝の野外基礎では、校舎裏の小さな実習区画を使った。腰ほどの木壁、赤い縄で囲まれた立入禁止の場所、幅の違う通路が、土の上をいくつかに分けている。


野外基礎を担当するカレン・フェルは、白い線の内側に置かれた3つの木箱を示した。箱には1から3までの番号があり、3番だけは2人で持たなければ運べない重さだった。


「3つとも向こうの青い線まで運びなさい。赤い縄には触れないこと。箱は引きずらない。途中で条件を1つ変えます」


同じ班は、エリオット、ルシアス、ローディ、俺だった。開始までに使える時間は5分ある。


俺は昨日、机の中央へ置いた予定表を思い出した。書く前に聞く。


「何をやりたい」


「僕は先を見たい」


エリオットは細い通路へ目を向けた。


「剣は使わないけど、曲がり角の先と、箱を持って通れる幅を確かめられる」


「僕は1番と2番を運ぶ。魔法を使わないなら、その方が失敗しにくい」


ルシアスは一番小さい箱を持ち上げ、重さを確かめてから戻した。ローディは3番の箱の取っ手と、青い線までの地面を見比べる。


「俺は3番だな。片側を持つ。段差があるなら、先に言ってくれ」


3人の希望を聞いてから、俺は順番を決めた。エリオットが先へ行き、通れる幅と足元を確認する。ルシアスは1番を運び、戻りながら2番を取る。ローディと俺は3番を運ぶ。通れない場所があれば、その場で止まり、俺が別の道を決める。


カレンが手を上げた。


「始めなさい」


エリオットは走らず、最初の角まで進んだ。木壁の向こうを覗き、両腕を広げて幅を測る。


「3番も通る。右側に浅い窪みがある」


俺は窪みを避ける位置をローディへ伝えた。ルシアスには左を空けてもらい、1番を先へ通す。3番の箱は重かったが、ローディが持つ側はほとんど傾かない。俺が窪みをまたぐ間も、箱の高さを変えずに待っていた。


最初の通路を抜けると、ルシアスは1番を青い線の内側へ置き、そのまま2番へ戻った。エリオットは次の曲がり角で立ち止まり、木壁と赤い縄の間を見ている。


「ここは3番だと狭い。箱を横へ向ければ通るけど、持ち替える場所がない」


「左の広い道を使う。ローディ、そのまま一度下ろす」


箱を置き、向きを変えた。エリオットには左の道を確認してもらい、ルシアスには2番を右の細い道から運ばせる。別々に動いても、止まる場所と次に合流する位置は俺から見える範囲にあった。


2つ目の箱が青い線へ入ったところで、カレンが笛を1度鳴らした。


「条件を変更します」


カレンは俺たちが使おうとしていた左の通路へ赤い縄を渡し、代わりに低い木壁の脇へ青い札を立てた。


「左の通路は使えません。青い札のある場所は通行できます」


ローディは3番の箱から手を離さなかった。エリオットは新しく開いた場所を見たが、足を向ける前に俺を見る。2番を置き終えたルシアスも、青い線の前で止まっていた。


3人の視線が集まった。


俺は木壁の脇までの距離と、箱の幅を見た。新しい通路は近いが、途中に斜めの板がある。ローディと俺が箱を持ったまま進むと、板の前で向きを変えられない。


「エリオット、板の先の幅を見てくれ。ルシアスは箱の右側へ。ローディは左を持ったまま、俺と交代する。板まで運んだら一度下ろす」


3人が動き出した。エリオットが先で箱の向きを示し、ルシアスとローディが3番を板の手前まで運ぶ。俺は反対側へ回り、板を越えたあとに持ち手を戻した。


箱は赤い縄へ触れず、残り時間を1分以上残して青い線へ入った。


「終わりました」


俺が報告すると、カレンは3つの箱と通ってきた道を確認した。


「配置は適切です。箱もすべて運べています」


ルシアスが息を吐き、ローディは3番の取っ手から手を離した。エリオットは閉じられた左の通路を振り返る。


カレンは評価票へ何かを書いたあと、顔を上げた。


「最初の役割は、誰が決めましたか」


「俺です」


「通路が変わったあとの配置は?」


「俺が変えました」


「エリオット。新しい通路を見たとき、何を確認しましたか」


エリオットは少し考えた。


「まだ何も。レオンの指示を待ちました」


ルシアスも、ローディも同じだった。カレンはそれを責めず、評価票の下へ短い線を引く。


「では、レオンが箱の向こう側にいて、3人の声が届かなければ、誰が配置を変えますか」


誰もすぐには答えなかった。


俺は、3つの箱が青い線の内側へ正しく並んでいるのを見た。決めた順番も、途中で変えた配置も、課題を終えるには間違っていなかった。


それでも、カレンの評価票には、俺の名前だけが2度書かれていた。

お読みいただきありがとうございました!

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それでは、次回の更新でお会いしましょう!

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