↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力で生き抜くこの世界  作者: こっさむ
第八章 ひとりではない学び
PR
216/267

最初の教室

ご覧いただきありがとうございます!

よろしければ、この話の読み終わりにでも【ブックマークへの追加】や【★★★★★評価】をポチッと押していただけると、今後の執筆の大きなモチベーションになります!


それでは、どうぞお楽しみください。

入学手続きでは、書くものより聞くことの方が多かった。


「冒険者登録は続けられます。ただし基礎課程の在籍中は単独受注できません」


職員が規則を指で示す。


「学校とギルドへの届け出、成人の同行が必要です。Bランク相当以上や長期依頼は特別許可になります」


「空いている日に低危険度の依頼を受ける場合は?」


「授業と寮の予定に支障がないことを確認してください」


ゼノが俺を見る。


「聞いたな」


「聞いた。今まで通りには動かない」


「『動けない』ではなく?」


「規則を確認して選ぶ」


寮は4人部屋だった。扉を開けると、窓際からエリオットが手を上げた。


「本当に同じ部屋だ」


「うん」


「もう少し驚いてもいいよ」


壁際では紫髪の少年が本を棚へ並べ、大柄な少年が寝台の脚を揺らしていた。


「ルシアス・フェルド」


紫髪の少年が名乗る。


「ローディ・ガーン。こっちの寝台は揺れない。さっき全部見た」


「レオン・アルヴェイン。よろしく」


ローディが俺の荷物を見る。


「剣、細いな」


「俺のは細身だよ」


エリオットが自分の剣を示す。


「誰も君には聞いてない」


ルシアスが言うと、エリオットは肩をすくめた。


「同室なら、そのうち聞かれる」


ゼノは窓の鍵、廊下、避難経路を確認した。


「何かあれば管理人へ報告しろ。依頼へ出るなら届け出。勝手に遠くへ行くな」


「分かってる」


「食事を抜くな」


「分かってる」


「訓練を増やすときは」


「翌日の予定と身体を見る」


「ならいい」


ゼノが扉へ向かう。俺は呼び止めた。


「手紙は?」


「ギルド経由で出せ」


「返事は?」


「必要なら書く」


「必要じゃなくても書いて」


ゼノは少しだけ黙った。


「善処する」


「それ、書かない返事だろ」


「遅刻するな、学生」


扉が閉まった。窓から見下ろすと、黒い外套が通りの向こうへ小さくなる。


「師匠?」


ローディが聞いた。


「師匠で、保護者」


「怖そうだな」


「怖いよ」


エリオットが笑う。


「僕は何度か見たけど、レオンには甘いと思う」


「甘くない」


「手紙を書けと言えるなら甘い」


翌朝、4人で教室へ向かった。担任のセルド・アレンは黒板へ、事実、証言、推測、未確認と書いた。


「同じ教室に入ったからといって、同じ速さで理解できるわけではありません。分からないことは聞きなさい。ただし、自分で考える部分まで相手へ押しつけてはいけません」


最初の課題は、森の道に残った痕跡と短い証言の整理だった。


「大きな影なら大型【魔物】じゃない?」


前の席から声が上がる。


セルドは答えず、教室へ尋ねた。


「大きさを比べるものは記録されていますか」


俺は手を挙げる。


「ありません。確認できるのは、草、浅い足跡、音と証言です。影が何か、足跡と音が同じ原因かは分かりません」


「次に何を確認しますか」


「足跡の大きさと向き、草が倒れた時期、音の位置、証言者の場所と距離」


隣でルシアスが小声で言った。


「慣れてるね」


「教わった」


エリオットが紙へ別の項目を書く。


「僕は視界を見たい。木が多ければ影の形も変わる」


ローディは道幅を指した。


「盾を持って通れるかも必要だろ」


1枚の紙から、4人が違う不足を見つけた。


授業の終わり、セルドが告げる。


「明日は3人班です。組み合わせは掲示します。班内で必要な情報は自分の言葉で伝え、相手の判断まで奪わないこと」


寮へ戻る道で、エリオットが笑った。


「同室4人で組めないのか」


「違う相手とやるためだろ」


俺が答えると、ローディが背中を叩いた。


「だったら夜に答え合わせしようぜ。誰が一番ひどく失敗したかも含めて」


知らない部屋は、もう少しだけ話し声のある場所になっていた。

お読みいただきありがとうございました!

「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、画面の下(または目次ページなど)にある**【ブックマーク登録】と、【★★★★★評価】**で応援していただけると本当に嬉しいです!


感想や「ここが良かった」といったご意見もお待ちしております。

それでは、次回の更新でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。