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努力で生き抜くこの世界  作者: こっさむ
第八章 ひとりではない学び
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残り三日の使い方

ご覧いただきありがとうございます!

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それでは、どうぞお楽しみください。

筆記試験まで残り3日。資料室の机には、覚え切れない言葉がまだ並んでいた。


「全部は無理だ」


俺が呟くと、向かいのアステラが顔を上げた。


「最初から全部を覚える予定でしたか」


「残すのが怖い」


「私は知らない条件を推測で埋める方が怖いです」


「試験では、空欄になる」


「確定している部分まで空欄にする必要はありません」


職員へ許可を取り、時間を決めた模擬問題を解いた。最初の計算には休憩時間が混ざり、次の地理には知らない地名が出た。


地名の前で手が止まる。アステラの言葉を思い出し、横へ小さな印をつけて先へ進んだ。


魔物の痕跡に関する問題では、足跡の大きさも数も示されていない。大型【魔物】と決める根拠はない。確認できる痕跡、考えられる危険、追加で見る項目を分けて書く。


鐘が鳴り、筆記具を置いた。最後の設問まで届いたが、書き直す時間は少なかった。


「どうでしたか」


アステラが聞く。


「知らない地名へ戻れなかった。でも、最後まで見た」


「私は野外安全に時間を使いすぎました。可能性を残すほど文章が長くなります」


「最初に危険と行動を書けば、理由は短くできる」


「あなたは保留するのが遅い。私は結論を一つに絞るのが遅い」


「同じやり方にはならない」


「同じにする必要はありません」


翌日は、午前に読み書きと計算の間違いだけを直した。午後は会場まで歩き、門、教室棟、掲示板、付き添いと別れる場所を確認する。


宿へ戻ると、ゼノが持ち物を並べていた。


「受験者番号」


「ある」


「筆記具」


「2本」


「水筒」


「ある」


「剣」


「持ち込まない」


「案内を読んだな」


俺は残りの予定を見せた。新しい専門書は開かない。前日は午前だけ短い問題を解き、午後は掲示と持ち物を確かめる。


ゼノは紙を見て言った。


「夜の勉強が消えている」


「寝る」


「不安ではないのか」


「不安だ。でも、不安な分だけ増やしたら、明日の自分が疲れる」


「なら、それでいい」


前日の夕方、会場までの道をもう一度歩いた。建物の間を風が抜け、角で向きを変える。流れを追いかけたくなったが、魔力は動かさなかった。


「使わないのか」


ゼノが聞いた。


「今は必要ない」


「成長したな」


「2年前も、必要がなければ使ってない」


「2年前なら、練習になると言った」


言い返せなかった。


宿で袋の中身を確かめ、灯りを消す。知らない問題は出る。間違えるかもしれない。それでも、条件を拾い、止まりすぎず、最後まで紙を見る。


明日、今まで積んだものを紙の上へ置く。

お読みいただきありがとうございました!

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感想や「ここが良かった」といったご意見もお待ちしております。

それでは、次回の更新でお会いしましょう!

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