第二章第一節-Ⅱ In fact
[In fact]
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side:神空鴉那
「……は?」
お母様?
どういうこと?
勿論、子供を産んだ記憶なんかないし、まして自分とそんなに変わらない年齢の相手。
私の子供なわけがない。
聞き間違い……だったのかな?
混乱する私を他所に、少女は真顔で続ける。
「遅くなりましたけど自己紹介を。
私はミア。ミア・エイプリル。
神空鴉那さん、あなたの卵子から作られた、計画された子供たちの一人。
……後ろの二人もそうです」
言われた二人が会釈をする。
「下野カレンだ。よろしくな」
大柄な少女は勇ましさすら感じられる覇気のある声で、一歩前に出て答えた。
「カタリナ・ライラックよ。よろしくね、"お母様"」
どこかイタズラっぽさも感じさせる甘ったるい声で、金髪の少女は意味ありげなふくみ笑みをこちらに向けてくる。
「よ、よろしく……」
いきなりのことに、困惑しかできない。
アナリティクスチルドレン?卵子から生まれた存在?
言ってること自体は無茶苦茶だ、それでも……あの2年のうちで、確かにそれっぽいことをさせられた記憶というのは存在している。
麻酔を打たれて、そこから……ううん、思い出したくない……
それも一度や二度でもなかった。1ヶ月くらいしたら、研究室に連れて行かれて……
……でも、それは2〜3年前の出来事、到底私と同年代の容姿になるはずなんてあるわけがなく。
「でも、人間ってそんなに成長速度は早くないはずじゃあ?」
「……ええ、普通の人間であれば。ただ、私たちの場合は普通に母体から生まれたわけではなく、15歳程度まで試験管ベビーとして育てられました。
以降も遺伝子操作によって、抑制薬がなければ成長を通り越して老化が進む、そんな歪な存在が、アナリティクスチルドレンという存在なのです」
なるほど、薬で手綱を握られた子供達……
それにしても、試験管ベビー。確かに星見里の研修室にそれらしき試験管は存在していた。
人が入れるようなサイズの試験管群。そこで行われていたことが、この子達ということなのだろうか。
でも……研究所の中でこの子達のような存在を見たことはない。
いや、思い返してみれば、私が研究室に連れられ、そして弄られたのは、最初の頃に……おそらく10回くらいしかない。
その後にこの子達の計画が進み出したのなら……ないとは言えなかった。
でもそうなると……
「じゃあ、あなた達はあの研究所で?」
「最初の一年は第三試験室に。
そこにいたのは私たちを含めて全部で12名。
その中から4名ずつの班に分けられて、この半年外部で動いてました」
……そうなると、辻褄は合う。私はあの部屋以外だとここしばらくは第一試験室にしか行かなかった。
だから第三試験室に行くことはなかったし、直近で居なかったのならあの火事でも出会うことはなかったわけで。
あれ?
「4人ずつ?」
「……もう一人のピースは、任務の途中で命を落として3人で今は動いてます」
悪いことを聞いちゃったかな……
「ご、ごめんなさい……」
「いえ、お気になさらず」
「ねぇミア。それよりももっと大事なこと、伝えないとじゃない?」
横から金髪の少女……カタリナが割り込んできた。
大事なこと?
「はぁ……カタリナ……」
ひとつ大きなため息をついたものの、ミアも少し苦々しそうにしながら答えた。
「いえ、そうですね。
アナさん。今あなたは、他の班から狙われてます」
当面の目標は月曜夜と金曜夜更新の予定です。
落とさないよう頑張ります……orz




