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死の戦場荒野とミステリアス・グラマラスエルフ

(風が吹き抜ける。

荒野に、淡い光が揺れる。)


エルフ法兵は、静かに歩み寄ってきた。


長い髪が風に流れ、月光を受けて銀のように淡く輝く。

その身には神秘的な気配が残っていた。


張り詰めた空気。

だが、その奥には確かな温もりもある。


「……草薙様」


彼女は静かに跪いた。


「この命を救っていただいたこと――改めて、感謝申し上げます」


深く頭を垂れる。


それは形式ではない。

戦場を生き延びた者だけが持つ、重い言葉だった。


「命を救われた者には……その恩に報いる義務があります」


神秘的な双眸が、わずかに揺れる。


「処刑場での、あの時……」


彼女は静かに目を伏せた。


「あのまま終わっていれば、私はただの“敗者”として消えていたでしょう」


荒野の風が吹く。


血の匂い。

焼けた土の匂い。

この地には、無数の死が積み重なっている。


だが――


彼女は再び顔を上げた。


「ですが、あなたは違った」


風が強まる。


「敗北に意味を与え、

失われかけた命に……再び歩む道を示した」


その声には、静かな熱が宿っていた。


「きっと、あなたは……そういう存在なのでしょう」


わずかに微笑む。

だが、その笑みの奥には消えない緊張がある。


【わかった】

【なぜ今、その話を?】


彼女は短く息を吐いた。


「……ここは、“死の荒野”です」


視線が遠くを見る。


瓦礫。

崩れた戦場。


「私たちのような者は、いつ死んでもおかしくありません」


静かな声だった。

だが、その現実は重い。


「この地には、“獄商”と呼ばれる人攫いも現れます」


「特に今は――魔族化の儀、魔堕ちの儀式が各地で行われている」


その言葉とともに、空気がわずかに冷える。


「もし捕らえられれば……終わりです」


「私たちのような法兵は、儀式によって別の“何か”へと変えられてしまうでしょう」


彼女は、自嘲するように微かに笑った。


「ですから……」


月光の下。

彼女の瞳が真っ直ぐこちらを見つめる。


「今のうちに、改めてお礼を言いたかったのです」


「この戦いは――それほどまでに危険ですから」


風が吹き抜ける。


荒野の静寂の中、

その言葉だけが、深く胸に残った。

挿絵(By みてみん)

世界、人物、引用、元ネタ、テキスト等【引用、参考文献等】

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cien(全年齢)

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