エルフのアクセサリーをもらう
「蒼生大和の主よ。あの戦い――見事でした」
静かな声が、風のように届く。
「まるで、民の祈りそのものが形となったかのような戦い……あなたの力、この目で確かに見届けました」
エルフの法兵が、ゆっくりと歩み寄る。
その佇まいには、気品と、意志が宿っていた。
「多くの同胞が救われました。
そして……私自身も」
わずかに視線を落とし、言葉を選ぶように続ける。
「血界祭壇――あれは、あまりにもおぞましい力でした。
肉体を蝕み、心を侵し、魂さえも喰らう……ジェノサイド・オーバーロードの力」
その記憶を振り払うように、彼女は静かに息を吐く。
「ですが、あなたが来てくれた。
あの蒼き風が――すべてを断ち切った」
再び顔を上げる。
その瞳には、確かな光が宿っていた。
「私たちは、決して忘れません」
彼女は懐から、ひとつの宝玉を取り出す。
蒼く澄んだ光を放つそれは、小さな星のように静かに脈動していた。
「――“エルフの御守”です。
癒しと、心を守る加護を宿した聖石。どうか、あなたに託させてください」
差し出された宝玉からは、穏やかでありながら力強いエネルギーが伝わってくる。
それは単なる道具ではない。
彼女の祈りと、想いそのものだった。
【礼をいう】
彼女は一瞬、目を伏せる。
長い睫毛が揺れ、やがて静かに顔を上げた。
「……これは、ほんの気持ちです。
あなたが救ってくださった命に比べれば、あまりにも小さなものですが……」
言葉を切り、ほんのわずかに微笑む。
「それでも――どうか、受け取ってください」
その表情には、兵としての誇りと、ひとりのエルフとしての温かさが、静かに重なっていた。
エルフの御守は、淡く輝き続ける。
それは、戦場に灯った――確かな“絆”の証のようであった




