16 捜索
「クソッ!! こんなもの……ぐあああ!!」
ウェンがフォースフィールドめがけて全力で拳を振り下ろした。
バリバリバリッ!
何かが張り裂けるような音とともに、彼の拳が真っ赤に腫れ上がった。
「カーマインやめて! ここを今すぐ開けて、ジセリオス!」
その様子を見ていたエイカが、ほとんど悲鳴のような声で叫んだ。それと同時にフォースフィールドが消えた。
「すみません、少し時間がかかってしまいました」ジスが静かに言った。
「カーマイン、あなた……なんて馬鹿なことを。さあ診せて、すぐ冷やさないと」
エイカがウェンの手に触れようとしたが、ウェンはそれをそっと振り払って強がった。
「おいおい、平気だって、ほらな? けどなぁ、俺は嫌な予感がするんだ」
ウェンが真剣な顔で言うと、エイカも頷いた。
「何か掴めそう?」エイカがウェンの背中を優しく擦りながらジスに向かって言った。
ジスは廊下の様子を確認しながら、建物の壁に手を当てて内部のコンピューターにアクセスしていた。
「おそらく……これですね。我々がここへ来たのと同時刻に、別のシャトルがリングから出港しています。行き先は『惑星ハルカ』、追跡可能です。それから……これでよし」
ジスがそう言って微笑むと、施設内に甲高い警報が鳴り響いた。
「毎度お馴染みのやつね」エイカが目配せした。
「だけど、船はどうするんだ?」
「それも準備完了です。このリング外壁部は、とてもありがたいことにシステムがすべて繋がっているので……」
ジスは含みのある言い方をして、彼らを廊下の奥まで先導し、「さあご覧あれ!」と通路の窓から外を見せた。そこには、既にイシュマール号がドッキングしている姿があった。
「ワーオ、俺のイシュマール! ジス、お前ってそんな事もできるのかよ。愛してるぜ~」
ウェンはそう言ってジスにタックルしようとしたが、手の火傷の痛みで顔を歪めてよろめいた。
「では、急ぎましょう!」
警察署ステーションのそこらかしこで様々な種類の警報が同時に鳴り響き、施設内が大混乱に陥っている。
その間にジスたちは難なくイシュマール号に乗り込むと即座に発進し、タングク・ハンル第三惑星ハルカへと向かった。




