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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第11話 人形の誤解(のし掛かり)
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ep.61 あいつらしい

「おかえり皆! 無事で良かった!」

「おー」「ただいまやっ君。今回は大変だった」


 いつもの緑地公園へ戻ったヒロ男と琴乃は、暗くなってもそこで待ってくれていたコーセーに出迎えられる。

 二人はノワールから飛び降り、変身を解く。ノワールも獅子化を解き、可愛らしい子猫サイズの黒猫ぬいに戻った。


「まさか警察署が現場だったなんてね…。俺もスマホで情報追ってたんだけどびっくりだよ。で、案の定今は情報統制(・・・・)が入って何もわからなくなってる。最後の得た情報は"自衛隊が来た"ってやつだけど、きっと現場は封鎖だろうね」

「うへ~、ついに自衛隊まで動いたのかよ」

「うん。そして自衛隊が動いたってことは政府(・・)もラベスの脅威を認識したってことだ。俺たちの周り、ちょっと騒がしくなるかもね…」


 そう、ヒロ男を琴乃が警察署を去った少し後、現場に自衛隊が入ったのだ。武装車にヘリまで出動の大騒ぎだ。当然現場は封鎖され、そこにいた馬鹿たちも追い払われた。


「……私たち、捕まるかな…」


 琴乃が心配そうに呟く。しかしコーセーはそれを否定する。


「大丈夫だと思うよ。二人とも変身前と変身後で結構雰囲気違うし、仮に見た目上(・・・・)特定されても、動画の『魔法少女』を二人と結びつける証拠の出し様が無い(・・・・・・)。この世界の社会では魔法は証拠にはできないよ。それをしたら司法が機能しなくなる」

「つまり…、確信があっても手出しできないってことか」

「そ。まぁだからと言って大っぴらに行動して大丈夫なわけではないよ。今まで通り慎ましく(・・・・・)行動しよう。」


 コーセーの説明にヒロ男と琴乃は深く頷く。


(しかしこの世界は本当に不思議です。ゼノウィータの件は本来なら国を挙げて対処すべき事なのに、この世界では国が行動の足枷になるんですもの)

「人は理解できないものを怖がるからね。特に魔法は物理的に証明できない(・・・・・・・・・・)現象だから、国に目を付けられたら監視が付いて自由に動けなくなる。隠すに越したことは無いよ」


 ティオリアの愚痴にコーセーが丁寧に答える。ティオリアは(厄介ですね)とため息を吐く。


「さ、そろそろ帰ろう。もう暗いから椎名さんの親が心配しちゃうよ」

「だな。帰ろう」「うん」


 そうして三人は帰路に着き、琴乃を送り、ヒロ男とコーセーも家に帰った。



 ヒロ男が家に戻ると家の明かりが点いていた。いつも帰りが遅い父が先に帰っているらしい。


「ただいまー」(ただいま戻りましたー!)

「おーおかえり。遅かったな」


 挨拶をすると、リビングから父の声が聞こえてくる。そしておいしそうな匂いも漂ってくる。


「コーセーとぷらぷらしてた。親父、何作ったんだ?」

「生姜焼きだ。ときどき無性に食いたくなるんだわ。凰我もさっさと手洗って食え」

「おー! さんきゅー親父!」


 他愛も無い親子の会話を交わし、ヒロ男は手を洗ってリビングのテーブルに着く。


「いただきます」

「おう」


 食前の挨拶を交わし、ヒロ男は生姜焼きを貪る。


「うん、うまい。さすが親父」

「まぁな。伊達に一人でお前を育ててねぇよ」


 ニヤッと嬉しそうに笑う父。そしてそのままヒロ男の目を見る。


「凰我」

「ん?」


 名を呼ばれ、口をもぐもぐしながら返事をする。


「母さんには(・・・・・)話してあるのか(・・・・・・・)?」

(!)


 父の言葉にティオリアが驚く。


「親父…」


 口の入っていたものを飲み込み、父の目を見る。真剣な目だった。


(お、おーがさん、お父さまもしかして…)

(あぁ、気付いてるな)


 父に聞こえないように心の中で話す二人。


「話してあるよ」

「そうか。なんて言ってた?」


 父の目を見て、少し微笑んで答えた。


「殴られた。…でも、背中押してくれた」

「……ふっ、あいつらしい(・・・・・・)」


 父も微笑む。


「二人とも、がんばれよ」


 父はそう言うと立ち上がり、「風呂入ってくるわ」と言いながら廊下へ歩いていく。

 ヒロ男はそれを見送り、微笑んだまま呟く。


「さんきゅー、親父」


 そしてヒロ男は、父が作った生姜焼きをじっくり味わって食べるのだった。

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