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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第9話 人形の誤算1(ルミナ☆プロファイリング)
46/67

ep.46 情報収集

 とある日の放課後。


「ルううミいいナあああああ☆!!! ストラあああああああああああイク!!!!!」

ドカアアアアン!


 またとある日の放課後。


「闇夜に輝くは白銀の月、月光で目覚めし狂気がマナを躍らせ、我らが血肉を沸騰させる―――」

「「ルナ・ラディウス・マグナ!!!」」

ドガアアアアアアン!!!


 更にとある日の放課後。


「ルミナ☆キャノン!!!」

ドガォオン!!!



 この様に、ヒロ男たちは連日襲い来るラベスに対応しながら十日あまりの日々を過ごしていた。

 テストの準備期間が過ぎ、そしてテストの全日程も無事に終了。そして本日は休日。おーがこと日色(ひいろ)凰我(おうが)(愛称:ヒロ男)と椎名(しいな)琴乃(ことの)はコーセーこと夜久(やく)輝星(こうせい)(愛称:やっ君)の部屋に集まり、テストの回答合わせと、敵の動きについての話し合いをしていた。


「なんだかんだ日が過ぎていくな…。犬ラベス以降は雑魚ラベスばっかり嗾《けしか》けてきて、ゼノはいったい何がしたいんだ?」


 ヒロ男がポ〇キーをぽりぽり食べながら話す。


(二体の犬型ラベスは明らかに意図を持って放ってきていました。おそらくおーがさんの活動拠点や移動速度なんかを測るのが目的だったんだと思います)


 ヒロ男の身体の中に居候している異世界人、ティオリア・クラルスが推測を話す。


「なるほど。それを我と琴乃が介入して片方の犬っころを倒してしまったから、ゼノウィータとやらは何もわからず犬っころを作り出したコストだけを払う形になったわけだ。ふははは! 滑稽だな!」


 琴乃の男性性の人格であるノワールが笑う。ノワールは『リアル可動式子猫サイズ黒猫ぬい』の体を存分に伸ばし、ごろごろと琴乃の周りを転がっている。


「でもゼノウィータが何かしらの情報収集のためにラベスを使ってるって考えるなら、ここ数日の雑魚の出現も意味を持ってくるよ。…ほら、今まで倒した場所を書くとこんな感じ」


 コーセーがノートに街の大雑把な地図を描き、その上にラベスを撃破した地点を書き込んでいく。


「……、家に近づいてるね」


 琴乃がノートを覗き込んで呟く。


「うん。最初は街中や学校に近い場所に現れてたんだけど、最近はそこから少し外れて、出現場所が俺たちの家に近づいてるんだ。敵さんが何を調べたいのかは一目瞭然だね」


 コーセーはノートをペンでトントン叩く。


「……気に入らねぇな。ゼノ側ばっかり情報集めてて、俺らはあっちの情報はほとんど無い。隠れてそうな場所に行ったりしてみたけど全部空振り。ティオリアの身体が今どうなってるかもわからない…」

(おーがさん…)


 苦々しい表情で話すヒロ男。その拳にぎゅ…と力が入る。


「……ねぇ、"その事"で皆に相談…というか、見せたいものがあるんだけど、いいかな?」


 琴乃が緊張した面持ちで口を開く。


「ん? 何? 見せたいものって」

「パソコン貸して貰っていい? 動画なんだけど、画面大きい方が良いと思う」

「あー、コーセーのパソコン俺の部屋だわ。ちょっと待ってろ、今持ってくる」


 話の流れを受け、ヒロ男が窓の向かいの自室に屋根を伝って移動していく。


「……、なんでやっ君のパソコンがヒロ男くんの部屋に??」

「えーと…、ティオリアさんの暇つぶしに必要で…」

「暇つぶし???」


 首を傾げる琴乃。するとすぐにヒロ男がノートパソコンを持って戻って来た。


「お待たせ。ほら、コーセー」

「さんきゅ。椎名さん、その動画のデータは?」

「はい、このUSBに入ってる」

「ありがと、預かるね」


 コーセーはパソコンを立ち上げ、琴乃から預かったUSBメモリの中の動画データを再生し始める。

 再生が始まった動画は低い視点で街を歩いている様子を撮ったもので、少しカクカクしていた。


「えーと…、これもしかしてノワールが撮ったの…?」

「そうだ! 良く撮れているだろう!」


 自信満々に胸を張るノワールを見て、コーセーは苦笑いを浮かべる。


「椎名さん…? なんの目的でこんな…」

「え? …あ! ちがっ! やましい目的じゃないから! ちゃんとした目的があって頼んだの!」


 コーセーの言いたいことがわかった琴乃は手をぶんぶん振り必死に訂正する。


「数日前から妙な気配(・・・・)が近くをうろちょろしていてな。我が琴乃に話したらAmaz〇nで小型カメラを買って我に装備したのだ。『撮れそうなら撮って来て』と言ってな」


 経緯を話すノワール。


「…つまり、その妙な気配の主が撮れた?」

「その通りよ」


 再びふふんっと胸を張るノワール。


「やっ君、シークバーで真ん中らへん再生して。そこに映ってる」

「真ん中真ん中…」


 琴乃の指示でカーソルを操作し、動画の再生箇所を変える。

 すると琴乃はパソコンの画面下側を手で隠し始めた。


「椎名さん???」

「椎名? 何やってんだ?」

「貴方たちは下半分は見ちゃダメ。重要なのは上半分。異論は認めない」


 琴乃の謎行動にヒロ男とコーセーは顔を見合わせる。するとすぐに琴乃の行動の意味がわかった。

 スカートの女性を(・・・・・・・・)ローアングルから(・・・・・・・・)激写した映像(・・・・・・)が流れ始めたのだ。


「ちょちょちょちょちょっと待って椎名さんこれ何!???」

「おいノワール!!! お前何撮って来てんだ!!! 頭おかしいんじゃねぇのか!!?」

「二人とも落ち着いて! 顔見て顔! スカートの中じゃなくて顔!!!」


 激しく動揺するヒロ男とコーセーに必死に顔を見るように促す琴乃。

 二人はドキドキしながらも下半分の画面を見ないように上半分に映っている女性の顔を確認する。

 そこには変身したヒロ男にそっくりな女性、つまり、ティオリアに(・・・・・・)そっくりな女性(・・・・・・・)が映っていた。

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