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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第8話 人形の暗躍(ルミナ☆レーザー)
45/67

ep.45 観察

 その後、変身を解いたヒロ男と琴乃はコーセーと合流。今日もラベスが現れたが、一般の目に晒されずに処理できたため街は至って平和だった。そのおかげで四日前にコーセーと交わしていた"飯を奢る"という約束がやっと果たされ、三人はお腹一杯の幸せな気分で飲食店を後にした。


 そして三人はそのままここ数日お世話になっている緑地公園の奥地へ移動した。理由はヒロ男の遠距離攻撃をなんとか(・・・・)するためである。


「魔力込めすぎ。だから貫通して威力が伝わり切らないの。もっと抑えて」

「抑えるって…! どれくらいだよ…!」

「見てて」


 琴乃は魔力で作った五十センチ四方くらいの物体に光線を打ち込む。すると物体の中心くらいでドガンッと爆発し、物体は粉々に砕け散った。


「やって」


 実演した琴乃は一言ヒロ男に投げる。再び変身状態のヒロ男は爆散した物体の隣に浮いていたもう一つの物体に人差し指を向ける。


「ルミナ☆レーザー!」


 ピュンッと光線が発射され、ズビッと物体を貫通。地面に当たってボンッと小さく爆発する。

 それを見て琴乃はじとっとした視線をヒロ男に向ける。


「私の見てた…?」

「見てたよ!!! むしろお前はなんでそんな当たり前の様にできてんだ!? どうなってんだよ!?」


 そんな二人のやり取りを、コーセーは後ろからふわふわ浮きながら(・・・・・)眺める。


「ティオリアさん、おーがが収束してる魔力ってそんなに多いの?」

(多いですね。普通の魔導士がおーがさんと同じ収束量で連射したらあっという間にバテて倒れちゃうくらい多いです。おーがさんはピンピンしてますけどね。さすがの魔力量です)


 コーセーの質問に丁寧に答えるティオリア。しかしヒロ男が欲しい情報が全く出て来ない。


「だ・か・ら!!! どれくらい(・・・・・)抑えれば良いんだよ!? 俺が無駄に収束してるのはもうわかったよ! しかもコーセーいつの間にか飛べるようになってるし! お前らいったいなんなんだよ!?」


 頭を抱えるヒロ男。それを見て琴乃がため息を吐く。


「一回限界まで少なくしてやってみて。そこから少しずつ多くして微調整しよう。ヒロ男くんにはトライ&エラーを高速でぶん回させた方が理解が早いと思う」

「賛成。俺もそう思うよ。おーがは実際試して回数こなす方が性に合ってると思う」


 幼馴染二人の提案を受け、ヒロ男は涙目で物体に指を向ける。そして…。


「ルミナ☆レーザー!」

ピュンッ ズビッ ボンッ


 光線は物体を貫通した。琴乃は憐れむような目でヒロ男を見る。


「抑えたよ!!! これ以上抑えられねぇよ!?」

(ははは…、確かに相当抑えられてましたよ。でもまだまだかなり多いですね…)

「畜生ーーー!!!」




 その後のヒロ男はティオリアの監督の下、如何に少なく魔力を操作するかという練習を始めた。

 コーセーと琴乃はそれを横目に軽く勉強を始め、ノワールはヒロ男の横でヒロ男を煽って遊んでいた。


 しばらくそのまま時を過ごし、少し日が落ちてきた辺りで緑地公園を後にした三人は揃って帰路に就く。

 琴乃を家まで送り、ヒロ男とコーセーも隣り合った自宅に辿り着く。


「じゃ、シャワー浴びて飯食ったらそっち行くよ。勝手に入るから窓の鍵開けといてくれ」

「おう。俺晩飯の仕度とかするから軽くつまめる物持ってくよ」


 そう言って別れる二人。テスト勉強をするための情報をやり取りし、それぞれの家へ入っていく。


 そんな二人を上空から(・・・・)遠目に眺める一人の少女。

 毛先が薄紫色の、サラサラで美しい黒い長髪をはためかせ、ティオリアと(・・・・・・)瓜二つの少女(・・・・・・)はフィ…と身を翻す。そして静かに闇に消えていった。

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