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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第7話 子猫の覚悟(アニマ・リベロ)
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ep.38 子猫の覚悟

(私、本当についさっきまで、『自分は弱虫で、表立って動けない人間だ』って思ってたの。ううん、今も思ってる。でも、ノワールが教えてくれたの。皆、心のどこかに弱虫を飼ってて、それとうまく付き合いながら生きてるんだって。だから、がんばってみようって思ったの。怖いのは皆同じ、じゃあ私だけ逃げてちゃダメだって。そしたら変身できたの。そして今はこの力を"大切な人"のために使いたいって思ってる。その人のためなら私は命でも懸けられる。実際"命を懸けた"事がきっかけでノワールが力を貸してくれたの。もちろん世界をめちゃくちゃにされたくないって気持ちもあるよ? でもそれ以上に、その人を守りたいって気持ちが強いの。……こんな感じで、覚悟とはちょっと違うし、結構不純な理由でここにいるんだけど、ティオリアさん的にはどう思う?)


 琴乃の告白を聞き、ティオリアはクスっと笑った。


(覚悟の無い人に命は懸けられません。すでにそういう行動を取っているなら私からはもう何も言うことはありませんよ。琴乃さん、改めて、これからよろしくお願いします。頼りにさせて貰います)


 ティオリアの返答を聞き、琴乃は微笑む。


(こちらこそよろしく。新米魔導士だからいろいろ教えてね)

(もちろんです! …ふふふ、しかし"コーセーさん"ですか、そうですか、ふふふ。もしかして昨日の件がきっかけですか?)


 話の流れから琴乃の想い人を特定したティオリアが楽しそうに質問する。琴乃は少し頬を赤らめ、恥ずかしそうに答える。


(前から気になってはいたの。でもそれはそういうんじゃなかったんだけど…、でも、昨日必死に助けてくれようとしてるのを見たら……ダメだった…)

(きゃあああ! 良いですね良いですね! 私応援しますよ! それでそれで! 彼のどんなところが気になってたんですか!?)

(えっと…、ぱっと見気弱そうに見えるんだけど、実はすごく芯が強いところとか…。さり気なく周りのフォローしてるところとか…。話す雰囲気もすごく優しくて――)


 こうして真剣な対話は恋バナに変わり、二人はしばらく年相応の可愛らしい会話に花を咲かせるのだった。




 放課後だったこともあり、あの後すぐに周囲が暗くなり始めた。

 皆は解散し、各々の家に帰宅した。


 帰宅した琴乃はすぐに汗を流し、自室の机にノートとぬいぐるみの素材を広げる。


「さっそく作り始めるのか。期待しているぞ琴乃よ。完全なる我が依り代を完成させるのだ!」

「はいはい、ぱぱっと作ってあげるから大人しくしてて」


 自由に浮遊する黒猫ぬいをつんっと触り、何か参考になるWebサイトはないかとスマホを操作する。

 するとSNSの動画が目に付いた。ヒロ男の今日の戦いぶりがすでに拡散されている。


(ヒロ男くんのバカ…。スカートでこんな高い所をぴょんぴょんと…)


 ぬいぐるみ作りが一段落したらじっくり粗探しをしてやろうと思い、動画を一旦閉じる。

 すると閉じた動画の画面の横に、"ヒロ男ではない"魔法少女の動画が投稿されているのに気が付いた。

 サムネには黒いドレスを着た少女と大きな黒いライオンが映っている。


「………」


 すごく嫌な予感がする。

 震える指でそのサムネをタップする。


『コード:ルナティック!』


 動画の中の少女が詠唱すると大杖の前に魔法陣が展開される。


『闇夜に輝くは白銀の月、月光で目覚めし狂気がマナを躍らせ、我らが血肉を沸騰させる―――』


 少女の後ろのでかい黒ライオンがノリノリで恥ずかしい中二病フレーズを唱え、魔法陣の前に紫色の光が収束していく。


『『ルナ・ラディウス・マグナ!!!』』


 少女とライオンが同時に叫ぶとでかい光線が発射された。


「ほう、今日の我らの晴れ姿が映っておるな。ふはははは! 良く撮れているではないか!」


 部屋を自由に飛び回っていたノワールが近くに来てスマホを覗き込み、呑気な事を言っている。

 動画のコメントを見ると、「新手の魔法少女か!?」「この黒ライオンすげぇな。CG進化し過ぎだろ」「琴葉ルナちゃんっていうらしい」「本名バレしてんの草」「魔法少女ルナか。保存した」「#魔法少女ルナ」などと言葉が続いている。


 琴乃はスマホを机に置き、両手で頭を抱えた。


「ふははははは! 凰我共々人気者の仲間入りだな! これからもっと我らの活躍を歴史に刻み付けてやろうではないか! ふははははは――」

がし


 琴乃は笑う黒猫ぬいを捕まえ…。


ぼすんっ


 ゴミ箱の中に叩きつけた。

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