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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第7話 子猫の覚悟(アニマ・リベロ)
37/67

ep.37 お話があります

 その後、ヒロ男は無事にノワールを発見し合流。皆で、昨日魔法の練習をした緑地公園の奥へ移動した。


(それにしても本当に驚きました。まさか琴乃さんがラベスを倒しただなんて…。街中へ向かっていたらラベスの気配が消えて…、私たちすごく焦ってたんですよ?)


 ティオリアが心底安心したように話す。

 昨日の様にゼノウィータがラベスを吸収してしまったのかと本気で焦っていたのだ。


「それにノワールがでっかいライオンになってたのにも驚いたよ。新手のラベスかと思って攻撃するとこだったぜ」

(私の制止が間に合って良かったです)


 黒猫ぬいに戻り琴乃の膝に乗っているノワールを見ながらヒロ男が話す。

 ノワールの鬣《たてがみ》に隠れコーセーたちが見えなかったため、焦っていたこともあり、ヒロ男はノワールを敵と判断して攻撃しようとしたのだ。

 その時ティオリアがノワールの背中に乗っていた二人の魔力を感知し、急いでヒロ男を制止させ事無きを得た。


「ふはははは! 危うく我の格好良い顔を殴られるところだったぞ!」

「一応防御する準備はしてたから、攻撃されてても大丈夫だったと思う」


 琴乃はそう言って目の前に半透明の魔力の壁を作り出した。

 ヒロ男が「ほえ~」と言いながら"それ"をコンコン叩く。


(本当に息をするように無詠唱で魔法を使えるんですね…。それに昨日の今日で"変身"まで…。琴乃さんが私の世界で生まれていたなら間違いなく歴史に名を残す魔導士になってましたよ)


 ティオリアが感嘆していると、琴乃は首を横に振る。


「私の魔法のイメージの大部分はこの世界のエンタメに根差してる。きっと他の世界の私じゃ同じことはできないと思うよ」

(なるほど…、魔法を扱う才能とこの世界での特殊な魔法のイメージが合わさったことで奇跡的なパフォーマンスを発揮しているというわけですね)

「琴乃は天才だからな! 形は違えど世界に名を轟かせることには変わりな――」

ぎゅむ


 琴乃が黒猫ぬいの頭を握り潰す。


(そうだコーセーさん、ちょっと相談があるのですがいいですか?)

「ん? どうしたの?」


 大人しく皆の話を聞いていたコーセーに声が掛かる。


(実はついにおーがさんが収束砲を習得したのですが――)

「マジかおーが! すごいじゃん!」

「ふ、ついにやったぜ。ティオリアとコーセーのおかげ――」

(で・す・が!!!)


 説明途中で喜び始めた二人を"圧"を込めた言葉で黙らせる。

 静かになったのを確認し、再び説明を開始。


(確かに収束砲習得は大変喜ばしいです。私もその点はすごく嬉しいです。でも、威力が"強過ぎる"んです。あの威力で収束砲を使うとすぐにバテちゃいます。なので昨日琴乃さんが使ってた指から収束砲を出す魔法の練習をして貰いたいんです。私、ちょっと琴乃さんとお話したいことがあって、その間コーセーさんにおーがさんの監督をして貰っていいですか?)

「いいけど、監督って何をすればいいの?」

(おーがさんの"雑念"を聞いてあげてください)

「あぁ…、なるほど。わかったよ」


 話が終わるとぱぁ…とヒロ男が光りに包まれ、『魔法少女ティア』の姿に変身する。

 そしてヒロ男とコーセーは立ち上がり、琴乃からほんの少し離れ練習を開始。


「おーが、今日は大人しく言うこと聞くんだな。昨日は駄々こねてたのに」

「まぁ…、今日使った『ルミナ☆バスター』は俺も確かに"過剰火力"だと思ったしな…。あの時のティオリアの、『言いたいことがあるけど言い難い』みたいな雰囲気が居《い》た堪《たま》れなくてさ。俺もティオリアには安心して見ててもらいたいんだよ」

「そっか…、がんばろうぜ」

「おう」


 ちなみにティオリアはヒロ男の中にいるためこの会話は丸聞こえである。

 ティオリアは少しニヤつきながら、二人の邪魔をしないように琴乃に意識を向ける。


(琴乃さん、少しお話いいですか? 念じていただければ私に声が届きます。今、この声はおーがさんとコーセーさんには聞こえてません)

(なるほど、秘密のお話ってわけだね。大丈夫だよ、何のお話?)


 そしてティオリアは真剣な雰囲気になり、尋ねた。


(単刀直入に聞きます。琴乃さんは、戦う"覚悟"はありますか?)

(……)


 黒猫ぬいを撫で、少し考える琴乃。


(今、私は『特殊遊撃魔導士ティオリア・クラルス』として聞いています。おーがさんは生まれついての戦士です。私と会う前から覚悟が決まっていた人でした。そんなおーがさんと共に育ってきたコーセーさんもある種の覚悟を持っています。でも、琴乃さんは普通の女の子です)

(……)

(正直に言えば琴乃さんを戦力として数えたい気持ちはあります。でも、いくらすごい魔法が使えても、"戦いたくない人"が使う魔法は戦力としては見れないんです。ラベスに取り込まれてしまうと肉体は魔力に分解され、吸収されてしまいます。運よく吸収直後のラベスを誰かが倒してくれて、魔力から肉体を再構成されても、取り込まれた時の記憶が消えるわけではありません。特に女性の魔導士は、取り込まれた時のショックから精神を壊してしまうことが多いんです)

(……)

(琴乃さん…、もし、無理をして戦おうとしているのなら――)

(私ね)


 ティオリアの言葉を遮る。

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