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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第5話 英雄の背景(ルミナ☆ライト)
23/67

ep.23 死装束

「ルミナ☆ストライク使用禁止」

「何でだよ」

「自分の胸に聞いて」


 公園に戻って変身を解いたヒロ男(日色凰我)。

 待ち構えていた椎名《しいな》琴乃《ことの》に正座させられ、お説教を受けていた。


 動画撮影をしていた馬鹿はすでに先ほどの戦闘の動画をSNSへ投稿しており、ヒロ男が帰ってくる前にコーセー(夜久輝星)と二人でその動画を確認済みなのだ。


「…ちゃんと裾は押さえてたぞ?」

「バカなの? 中が見えてる時点で死守失敗なの。はっきり言ってルミナ☆ストライクはスカートでやる技じゃない。こんな丸見えになっちゃって…、ティオリアさんが可哀想だとは思わないわけ?」

(もっと言ってやってください)


 ここぞとばかりにティオリアも参戦。

 ヒロ男の魔法のレパートリーが少ないから仕方なく使用を黙認していただけで、彼女も自分の写身《うつしみ》のあられもない姿を動画で拡散されるのは恥ずかしいのだ。


「あの…、質問いいかな?」


 コーセーがおずおずと手を上げる。


「そもそもの話なんだけど、ティオリアさんの写身《うつしみ》は何で"あの格好"なの?」


 疑問を投げる。

 変身したヒロ男はフワッとした衣装に身を包んだティオリアの姿になる。何故"あの衣装"なのか、実はずっと気になっていたのだ。


(…えーと、ちょっと血生臭い話になりますけど、あれは"死装束"なんです)

「え!?」「し、死装束!?」


 ヒロ男と琴乃が同時に声を上げる。


(他国では魔導団に制服を与えて一体感を意識させてるみたいなのですが、アサラオン皇国では制服を定めていないんです。その理由は、『ラベスとの戦いで命を落とす場合は肉体が残らないため、最後の時まで自分らしい姿でいて欲しい』というアマテラス様のご意向だからだと聞いています。それで特殊遊撃魔導士である私も例に漏れず、出撃時は魂に刻まれた"自分らしい姿の顕現"としてあの衣装に変身していました。おーがさんの変身は私の魂が色濃く反映されてる状態ですから、あの衣装になるのは道理ですね)


 自分の世界の国の話をし出すティオリア。

 ヒロ男と琴乃は絶句している。


「あー…、確か昔の侍の鎧にも『戦場は晴れ舞台だから立派な姿で死ぬ』みたいな意味があった気が…。ティオリアさんのあの衣装も似たような感じなんだね…」

(あ! この世界のこの国にも似た文化があったんですね! さすが平衡世界の同一国ですね!)


 何とか言葉を絞り出したコーセーに、ティオリアは楽しそうに言葉を重ねる。

 そのティオリアの様子に琴音が真剣な表情になり、そのままヒロ男の目を凝視する。


「ヒロ男くん、わかった? 貴方の振る舞い一つでティオリアさんの"魂"を穢すことになるんだよ?」

「よくわかったよ…。今後はもっと意識してガードするようにする…」


 ヒロ男は疲れたような顔でため息を吐いた。


「でもおーが、ルミナ☆ストライク無しでラベス倒せるのか? 今まで"それ"でしか止《とど》め刺してないんだろ?」

「んー…。ティオリア、どう思う?」


 コーセーに質問され、未だ魔法のことがよくわかっていないヒロ男はティオリアに助けを求める。


(可能ではあると思いますけど、今までより時間は掛かるでしょうね。ルミナ☆ストライクは蹴りで貫通した箇所に魔力を強制的に収束させて爆発させる…、言わば"自爆押し付け魔法"なので、多少核を外しても問題無かったんですよ。でもルミナ☆ブレイズは表面を焼くだけ、ルミナ☆ナイフやルミナ☆スローでは核を正確に破壊するのが難しい。なので新しく魔法を習得してもらう必要があります)

「ルミナ☆ストライクってそんな魔法だったのか…」


 ティオリアの魔法解説を聞いたヒロ男は、今まで便利に使っていたルミナ☆ストライクの"効果"に少し背筋がヒヤっとした。

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