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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第4話 英雄の受容(ルミナ☆スロー)
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ep.21 悪食

 家々の屋根を跳び、跳躍しながら現場を目指すヒロ男。

 途中でティオリアがある報告をしてきた。


(…おーがさん、ラベスの気配が一つ消えました)

「なに? 何があった?」

(……)


 ティオリアは考え、慎重答える。


(誰かがラベスを倒すことに成功した、というのが一番クリーンですが、正直これは考えられません。あとは滅多に無いことですがラベス同士の共食いという可能性もあります。でも残ったラベスの気配が大きくなってないのでこれも考え難い…。残りの可能性は…)

「……、なんだ?」


 良い淀むティオリアの続きをヒロ男が促す。


(…ゼノウィータが、そこにいた可能性が一番高いです。ゼノウィータは魔力の気配を極々小さくすることができます。その状態の奴はかなり近づかないと感知できません)

「……」


 「ゴクリ…」と、息を飲む。しかし自分を鼓舞するように強気に言葉を発する。


「はっ! うまくすれば今回で戦いが終わりってことだな! 見つけたらぶっ飛ばしてやるぜ!」

(おーがさん…。…そうですね! 奴も私の魔法のダメージからまだまだ回復できてないはずです! ちゃっちゃと止《とど》めを刺して、三ヶ月のロスタイムは悠々自適に異世界バカンスです!)


 互いに自分を鼓舞し、気合を入れて先を急ぐ。

 すると遠くから悲鳴が聞こえ始め、声を頼りに進むと人型のラベスが人を取り込もうとしているのを目撃した。


(!!! おーが!!!)

(任せろ!!!)


 ダンッ!と商店の屋根を蹴り、ラベスと触手に捕まっている人の間に身体を潜り込ませる。


「はああああ!」


 ずばばばばっと手刀を繰り出し触手を切断。捕まっていた人は「ぐぇ」と呻き声を上げ落下した。


「早く逃げてください! こいつは任せて!」


 ヒロ男が丁寧口調でそう言うと、捕まっていた人は「ひええええ」と悲鳴を上げながら走って行った。


(ふーーー……、よし! いくわよおーが! スタンダードな人型ラベス、さっさと片付けちゃいなさい!)

(おうよ! ルミナ☆ナイフで切り刻んでやるぜ!)

(……射線上の一般人とか建物とか切らないようにね?)


 やる気満々のヒロ男にティオリアが周囲に被害を広げないように注意を促す。

 すると獲物を奪われたラベスは「うがああああ!!!」と咆哮を上げ、凄まじいスピードでヒロ男に突進してきた。


(!!! 速《はえ》ぇ!!!)

(おーが避けて!!!)


 サッと跳んで横へ離脱しようとするも、なんとガシィと足を掴まれてしまった。


(なんだと!?)


 そのまま縦に割れた腹の中に放り込もうとするラベス。腹の中からは細い触手がビュアアアアとヒロ男目掛けて伸びて来ていた。


「ルミナ☆ナイフ!」


 小さく魔力を収束させ、詠唱の硬直を最小限にスパンッとラベスの指を切る。


「ぎゃああああ!」


 指を切られ握力が弱まり、その隙にヒロ男が脱出。しかし今度は触手にびゅるびゅると巻き付かれ捕まってしまった。


(いやああああああああ今回もなのおおおおおお!!?)

(うひゃあああああああきしょくわりいいいいい!!!)


 二人で絶叫した。叫びつつヒロ男は手刀で触手を切り刻んで脱出を試みる。


(離れろ離れろ離れろ離れろ!!!)


 そして粗方触手を振りほどき、いざ離脱しようとすると今度は指を切ってない手で掴まれ捕まってしまった。


(しつけぇ!!!)


 そして今度は少し多めに魔力を収束し…。


「ルミナ☆ナイフ!!!」


 ズバァンッとラベスの手首を切断。


「ぎゃああああああ!!!」


 大きく悲鳴を上げるラベスを放置し、ヒロ男は一旦大跳躍でラベスから距離を取る。


(はぁ…、はぁ…、何だあいつ、前のより強くねぇか?)

(ラベスは取り込んだ生き物が多ければ多いほど強くなるの。あのラベス、おそらく何人か取り込んでるわ。早く倒して救出しないと…)

(く…! まじかよ…! 悪食野郎め…!)

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