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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第4話 英雄の受容(ルミナ☆スロー)
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ep.18 節度は守ってくださいね

 その間もヒロ男は必死に身体中の過剰な感覚を無視しようと戦っていた。


(無視だ。全て無視だ。これは雑念だ。飲まれちゃいけない。俺に"その扉"はまだ早い。……いやちょっと待て、ティオリアは今俺と同じ感覚を共有しているはずなんだ。いくら何でも平然とし過ぎじゃないのか? 『割り切って気にしないように』なんて言ってたが無理があるぞ。俺とティオリアの違いはなんだ。魔法に対する知識量、経験値。でも初対面の時ならいざ知らず、今のティオリアならその辺の情報はきっちり俺に流してくれるはずだ。つまりそれは除外。となると…性別? 当然男の胸にはこんな立派なパーツはついてない。本来無いはずのパーツからの刺激に俺の魂が過剰に反応してるだけなんじゃないか? その理論なら胸と下腹部だけが異様にそわそわするのも説明が付く。つまり…、そのパーツを受け入れろってことか…!)


 全力で思考を走らせそれっぽい仮説(?)に辿り着く。


「しかし…! それを受け入れるってことは女子の身体になるのを許容するということだ…! くそ! 俺は男だ! 日色凰我だ! この身体はティオリアの物だ! 俺の身体じゃ――――………。……これのせいか。この、自分の身体の状態を受け入れない心が、魔力を感じるのを邪魔してるのか」


 必死に思考を走らせていたヒロ男は、その仮説に確信めいたものを感じた。

 ス…と、胸を触った。


(…!!! …っ)


 一瞬ティオリアが驚いたが、ヒロ男が何かを感じ取ろうとしているのがわかり、声を抑える。


(やわらかいな…、肌がふわっふわじゃねぇか…。ティオリアは、こんな華奢な身体で戦ってきたんだな…。そして変身状態の時だけは、それが"俺の身体"なんだ)


 少しずつ、そわそわしていた感覚が収まっていくのを感じる。


(俺が男だっていう誇りを捨てる気は無い。だが、変身という儀式を挟んだ先でだけ、

認めよう。変身した俺は、『魔法少女ティア』。"魔法使いの女の子"だ)


 その瞬間"ドクン…、ドクン…"と、身体の中心から鼓動とは違う激しい脈動を感じた。過剰なそわそわ感は完全に消え、身体の中心にじんわりと温かいものを感じる。


「……これが魔力か。こんなわかりやすいもんが今まで隠れてたとはな…。『魔法は心の力』とはよく言ったもんだ」


 そのあまりに明瞭な魔力の感覚に呆れ笑いが出る。これを感じ取れないんじゃそりゃセンスを疑われるわ、と素直に納得した。


(……、おーがさん、魔力は感じましたか?)

「あぁ、良く感じる。そしてそわそわ感も消えた。俺の魂が過剰反応してたらしい」

(そうなんですね…。まぁ一先ず前進ですね、おめでとうございます)

「おう! ありがとな!」


 ティオリアからの労いを受け、元気に返事をするヒロ男。


(ではおーがさん、そろそろ"手"を下ろして貰えますか? いつまで揉んでるんです?)

「は?」


 ちょっと怖い声色のティオリアにそう言われ、自身の手の位置を確認してみる。まるで右手が意思を持っているかの如く左胸を入念に揉み解していた。


「ご、ごごごごごめんティオリア! ここまでするつもりは全然無くて! むしろ何でまだ触ってたのか自分でもわからなくて!」

(えぇえぇそうですよね。おーがさんも男の子ですものね。無意識に女の子の身体に触りたくなっちゃうのもわかりますよ。でももう少し節度は守ってくださいね)

「違くて!!!」


 痴話喧嘩する二人を余所に、コーセーは一人集中する。そして…。


(あ、見つけた。これが魔力か)


 無事に魔力を感じることができた。そして目を開き、二人が喧嘩しているのに気付いて困惑するのだった。

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