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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第4話 英雄の受容(ルミナ☆スロー)
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ep.16 魔法とは…?

 昼下がり、ヒロ男(日色凰我)はコーセー(夜久輝星)の部屋でアニメ作品を視聴していた。


『か~、め~、〇~、め~、波あああああああ!!!!!』

(…ふむ、魔力を一点に圧縮してからの解放広範囲放出。魔力の収束砲としては相当高位の魔法ですね…)

「これは魔力じゃなくて"気"ってエネルギーを使ってる設定だよ。気が大きくなると肉体も強く速くなるから直感的でわかり易いよね」

("気"…、魔力との違いがわからない…)


 ティオリアがぶつぶつ言いながら作品の中の技を分析する。


『スターラ〇トぉ…、ブレ〇カぁーーーーー!!!』

(これは…、魔法陣で威力を増幅しているのでしょうか…)

「ネットには『空気中の魔力素を収束』って書いてあるね」

(めちゃくちゃなことやってますね…。打ち放題じゃないですか…)

「一応本人も消耗するみたいだよ?」

(それにしたってぶっ飛んでます…)


 と、このようにまずは技だけに焦点を当て、ノートPCから動画サイトにアクセスし、さまざまな作品の必殺技部分だけを視聴しながら動画を漁っている。

 ティオリアは楽しみながら真剣に技の成り立ちを想像し、分析。コーセーが作品の設定を補足しそれを手伝っている。


 ちなみに化け物騒動のせいで学校は休校になった。警察やらマスコミなどがわらわらと集まり、教員たちはその対応に追われ、生徒の相手をしている余裕が無くなってしまったのだ。

 巨大ガラスに一時捕らわれていたコーセーと椎名《しいな》琴乃《ことの》のことは徹底して秘匿され、本人たちに余計な精神的負担を掛けないように配慮がなされた。そのおかげでコーセーもマスコミに捕まらずに無事帰宅することができている。おそらくいずれ情報は漏れるだろうが、接触された時の対応を考える時間を確保できたのは有難かった。


 化け物と戦った謎の少女に関してはすでに『あの馬鹿』が動画を投稿しており、その戦いぶりが世間に公開されている。

 戦いの後に校舎へ向かって歩く姿が動画に映っており、それについて聞かれた学校側は…。


「あのような奇抜な恰好で授業を受けるのを許可するほど我が校は緩くない」


 と返答しており、学校と謎の少女との関係性を遠回しに否定している。


 そしてその謎の少女ことヒロ男は現在、左手で頭を抱え、右手にペンを持ち、ノートにティオリアの分析を書き写し、ひたすらうんうん唸っていた。


「……おーが…、今まで突っ込まなかったけどさ、お前いったい何やってんだ?」


 さすがに耐え切れなくなったコーセーがヒロ男に声を掛ける。


「スポーツってのはな、動きの理解と身体の強さが合わさって初めて最高のパフォーマンスを発揮できるんだ。俺は今までわからない動きはこうやってノートに文にしてみたり絵を描いてみたりして理解を深めてきた。だが…! この"魔法"というのは俺の理解の外側にある…!」


 悔しそうに顔を歪ませるヒロ男。

 コーセーは、この真面目で不器用な男の姿にため息を吐いた。


(おーがさん、魔法は"心の力"です。筋肉じゃないんですよ)

「心の力が何故物理に干渉できるんだ…、まるで魔法みたいじゃないか…。………その魔法について考えてるんだった…、くそ…混乱してきた…」


 ついにペンを置き、両手で頭を抱え始めたヒロ男。

 本気で悩むヒロ男の姿に、ティオリアは少しの微笑ましい気持ちと、少しの苦しい気持ちが広がる。

 その二つの感情が混ざり合う今の心を表現する言葉はわからないが、ヒロ男のことを助けたいとは思った。


(仕方ありません。おーがさん、変身しますよ)

「え?」


 突然の変身宣言に困惑するヒロ男がぱぁぁと光に包まれ、『魔法少女ティア』の姿となりコーセーの部屋に降臨した。


(…! 昨日『私の写身《うつしみ》』って言ってたから、この姿はティオリアさんってことだよな…。とんでもない美人だ…、近くで見ると余計そう見える。中身がおーがだってわかってても緊張する…)


 ノートPCの画面を一緒に見るために隣合って座っていた二人。その状態で突然ヒロ男が美少女の姿になり、自室に美少女と二人きりという状況になってしまった。


(ふーーーーー……、余計なことは考えるな俺。これはおーがこれはおーがこれはおーがこれはおーが―――)


 コーセーは心の中でそう唱え続けながら、ノートPCの画面を操作し良さげな動画を探す。

 そんなコーセーを余所にティオリアが話し始める。


(おーがさん、身体の力を抜いてリラックスしてください。私が中から魔力の流れに"波"を起こします。それを感じてください)

「えーと…、それがわかると何になるんだ?」

(おーがさんが魔法を理解できないのは魔力が"どういうものわからない"からだと思うんです。なので、まずは魔力を理解するところからやってみましょう)


 ティオリアはそう言うとヒロ男の中の魔力に干渉し始めた。するとヒロ男がそわそわと反応し出す。


「…っ、ティ、ティオリア、えーと…、身体が変なんだが…」

(魔力の揺らぎに感覚が刺激されてるんです。刺激に惑わされず、その奥の流れを感じ取ってください)

「……っ、そんなこと言われても、~~~~っ」


 少し身を捩るヒロ男。


(何で胸と下腹部がそわそわすんだよ…! 今まで"この身体"については考えないようにしてたのに…!)


 ティオリアに聞こえないように心の中で叫ぶヒロ男。

 ここまで来て今更"女の子に身体"に困惑し始めたのだ。

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