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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第3話 英雄の矜持(ルミナ☆ナイフ)
13/67

ep.13 演技力

「いやあああ!!! 助けて!!! 助けてえええええ!!!」

「椎名《しいな》さん! 落ち着いて!」


 盛大に取り乱すクラスメイト『椎名《しいな》 琴乃《ことの》』を何とか落ち着かせようと、必死に声を掛け続けるコーセー。

 琴乃は巨大ガラスの腹から生える触手にぎゅううっとがっちり巻き付かれ、それから逃れようとじたばたと足を動かしている。

 コーセーも触手にがっちり巻かれ、自力での脱出は絶望的な状況だ。


(どうする…!? ティオリアさんが取り込まれたら分解されるって言ってたけど、取り込まれるってどういう状態のことを言ってるんだ!? 今もある意味取り込まれてるけど分解されてる様子は無い――)


ずる…

「きゃああああ!!!」「うわ!」


 触手が少し伸び、巨大ガラスから少し下にぶら下がる状態にされた。コーセーが巨大ガラスの方を見ると、腹がぐばぁ…と縦に割れ、中から細い触手がわらわらと溢れ出した。


(な、なるほど…。あの中に取り込むってことね…)


 そのあまりにグロテスクな光景に血の気が引いていく。

 そしてその細い触手はあろうことか琴乃に巻き付いていく。


「いやあああああ!!! いやああああああ!!!」

「やめろ!!! 取り込むなら俺からにしろ!!!」


 触手はある程度琴乃に巻き付くと、グイィと上へ引っ張り上げていく。

 上昇しつつ、更に触手がくるくる巻き付いていく。

 琴乃が引っ張り上げられるその先は腹の割れ目の中だ。


「いやあああああああ!!!!!」

「やめろおおおおお!!!!!」


 二人が叫ぶ。その時。


「コーセーーーー!!! …さん!!!」


 べしゃああああ、とティオリアの姿のヒロ男が飛んで来て琴乃を引っ張る触手にしがみ付いた。


「きゃああ!!!」

「おー…ティアさん!?」

「助けに来ました! あと少しの辛抱です!」


 ヒロ男は琴乃の背中に乗り、上からわらわら迫る触手群を凄まじいスピードの手刀で切り刻んでいく。


「はあああああ!」


 その勢いのまま二人を拘束している触手にも手刀を叩き込み拘束を解く。吊り上げ張力を失った三人は地面へと落下していく。


「きゃああああああああ!!!!!」

「ティ! ティアさああああん!?」

「大丈夫です!!!」


 空中で二人を器用に抱えるヒロ男。

 そして。


どおおぉぉん


 重い落下音を校庭に響かせ、ヒロ男は無事に着地に成功。


「二人とも大丈夫!?」


 すぐに抱えた二人に安否確認を取る。


「………」

「ありがとう、俺は大丈夫。椎名さんは気絶したみたいだ。俺が運ぶ。お…ティアさん、あとは頼んだ」

「任せてください輝星さん! あんな鳥ぶっ飛ばしてやります!」


 グッと、片手で力強いガッツポーズを取るヒロ男。

 美少女姿でそのポーズを取ると何故か非常に可愛く見える。本人にはとても言えないが。

 とりあえず琴乃を抱え、すぐさま移動を開始するコーセー。

 校舎へ走りつつ、コーセーは思う。


(昨日変身を見てなきゃ絶対におーがだって信じられないな…。女性口調上手すぎだろおーが…)


 "演技力"という、親友の意外な才能に困惑するコーセーであった。

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