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ルミナ☆オーバードライブ  作者: コルミ
第3話 英雄の矜持(ルミナ☆ナイフ)
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ep.11 教えてヒロ男くん

 学校に到着し、二年生の教室がまとまる二階へ向かうヒロ男とコーセー。階段を上がった目の前の部屋がコーセーの教室なので、コーセーとはここで一旦お別れだ。


「じゃ、おーが、家で待ってるからな。絶対来いよ」

「わかってるよ、心配性だな。じゃ、またな」


 そう言ってヒロ男は廊下を進む。


「おーが!」


 咄嗟にコーセーがヒロ男を呼び止める。


「ん? どうした? 何か言い忘れたか?」


 振り返るヒロ男に、コーセーはこの言葉を贈った。


「"がんばれ"よ?」

「? あぁ、サンキュ。じゃあな」


 コーセーの言葉の意味が一瞬よくわからなかったヒロ男だったが、すぐに戦い全般の件だろうと思い、素直にお礼を言う。そしてまた二つ隣の自分の教室へ向かい歩き始めるヒロ男。

 ヒロ男は勘違いしていた。コーセーの"がんばれ"は、ヒロ男が教室に入った瞬間に訪れる"受難"に対する言葉だったのだ。




 コーセーと別れ廊下を歩くヒロ男。そんな彼を、周りの生徒たちがチラチラ横目に流し、どこからかヒソヒソと声が聞こえる。


(……、凰我さんって人気者ですか? 学校に入ってからずっと、皆さん凰我さんのこと見てますよ?)

(人気なのはむしろティオリアの方だな。………はぁ、昨日の動画、拡散してるんだろうなぁ…。気が重い…)


 教室に入ったらきっと"何人か"に根掘り葉掘り聞かれるんだろうなぁと思うと、とても憂鬱な気分になるヒロ男。


(ちなみに今のこの会話って周りに聞こえてたりは……)

(安心してください。話し掛ける対象は選べますので、今私の声が聞こえてるのは凰我さんだけです)

(良かった)


 ティオリアの器用な対応に感謝しつつ、ヒロ男は教室へ入った。


「!!! 来たぞ皆!!! ヒロ男だ!!!」

((!???))


 教室に入るや否や誰かの声が響き、クラスメイト達がドバァっとヒロ男に群がって来る。


「ヒロ男!!! 誰だあの美少女は!!! あの動画はなんだ!?」

「ヒロ男!!! お前変身できるのか!? ついに本物のヒーロー的な力に目覚めたのか!? だが何故TSなんだ!?」

「ヒロ男くん!!! どこかの芸能事務所にでも入ったの!?」

「ヒロ男くんタレントになるの!? サインして!!!」


 「な…ななな……」と困惑するヒロ男。そして(やっぱり大人気ですね)と呑気な声が頭に中に響く。


「あの美少女を紹介しろヒロ男!!! 一目惚れした!!!」

「落ち着け! あれはヒロ男かもしれん!」

「お前が落ち着け!」

「あれってどうやって撮影してるの!? あの女の子嫌がってなかった!?」

「素材良いんだから仕事選んでって伝えてあげて! そしてサイン貰って来て!!!」


 好き放題言葉を投げてくるクラスメイトたち。そして次の言葉がヒロ男に更なる衝撃をもたらす。


「魔法少女"ティア"ちゃん最高ー!!!」

(!!!!!)


 その名を知っているということは昨晩の戦いの動画も拡散しているということだ。あの馬鹿はやはり喜々として動画を投稿したらしい。

 イラッっとした。


「うるせえええええ!!!!! 一気に捲し立てんじゃねぇ!!! 俺は冒頭だけ撮影を手伝っただけだ!!! その後のことは何も知らん!!!」


 周囲から「えー!?」やら「ぶーぶー!!!」という声が沸き上がる。


「あー!!! あー!!! 俺はもう何も喋りません! 何聞いても無駄だからな! 何も聞こえなーい!」


 ヒロ男は纏わり付くクラスメイトたちを強引に掻き分け自分の席に着き、机に顔を埋める。


「ヒロ男頼む! あの子の名前を教えてくれ!」

「変身を見せてくれヒロ男!」

「ヒロ男くんサイン!」


 尚もヒロ男に群がるクラスメイトたち。しかしヒロ男はその全てを無視し机に蹲(うずくま)る。


「ヒロ男!」「ヒロ男ぉ!」「ヒロ男くん!」


 この騒ぎはホームルームが始まるまで続くのだった。

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