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094⚫️ファウストの語り

彼は、理想を求めた。

それは、剣によってではなく、言葉によって築かれる世界。

ボレリアへの侵攻も、世界線をこえて戻るや否や、彼は剣を収めた。

血を流すことを戒め、条約の紙に言葉を刻んだ。


彼の変化に国内外が驚きの声をあげた。

民の声に耳を傾け、心を開き、争いを遠ざけた。

思いやりを持ち、語り合うことを喜びとした。

彼の理想は、もはや孤高の塔ではなく、広場に咲く花となった。


だが、理想は重い。

彼はその重さを仲間と共に背負った。

民政に打ち込み、夜を惜しんで働き続け、

自らの命を長年に渡り削りながら、民の未来を育てた。


わたしを海中から拾い上げたように

彼は民の心を拾い上げた。

わたしたちに語りかけたように

彼は民に語りかけた。


帝王は、まどろみの中で微かに眉を動かした。

ファウストの語りは、誰にも聞こえない。

だが、帝王の心にだけは、確かに届いていた。

石は再び沈黙する。

次に語るのは、いつなのだろうか。


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