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082⚫️帝王日記 その3
深夜、無意識のうちに、余の国の歌を口ずさでいた。
何故、このようなことをせねばならぬのだ!
それは吟遊詩人や宮廷楽団の役目ではないか!
下賤の者共の真似事を、何故、余がせねばならん!
・・・あれは夢だったか。
乳母がいた。余に付き従う老いた宰相がいた。
広大な王宮の隅々まで、余の威光がいきわたり、すべての民が余に忠誠を誓った。
数え切れぬ銀の皿に、食べ切れぬほどの料理。
食後の甘い菓子、余を慰める歌や曲芸。
一言で何でももたらされた。
遅ければ叱責すれば、皆、震え上がり、恐れ入ったものだ。
余のまなざしひとつで、空気すら変わった。
世界が、宇宙がこの手の中にあったのだぞ!
それが、何だ、今は!
目を覚ますと、ここには誰もおらぬ。
余の食事を作る者も、居室を整える者もおらぬ!
無礼ではないか!
このようなことが許されるとでも、思っているのか!
余は帝王である!
・・・誰でもよい!我が足下にひれ伏し、余の言を聞くがよい!
歌わずともよい!芸などみせずとも構わぬ!緩慢な動作や返事でよい!
ええい、はやく来い!誰か来い!今すぐ、来るのだ!
声を聞かせるのだ!命令であるぞ!
この無礼者どもがあ!




