071⚫️めぐり逢い 海
帝王艦艇の乗組員たちは、なぜ自分たちの船が沈むのかわからない。
わからないまま、ただ海へと身を投げるしかなかった。
沈没の渦に巻き込まれれば、命はない。
重い装備を脱ぎ捨てる。武器も手放す。
陸は遠い。この距離を泳いでいかなければならない。
冷たい海水が肌を刺し、肺が悲鳴を上げた。
恐怖が傭兵たちを支配した。
泳ぐ、泳ぐ。ただ、生き延びるために。
こんなところで死んではならない。
金も地位も名誉も武勲も、命あってのことだ。
だが、誰かが叫んだ。「おーい、足がつくぞお!」
誰も思ってもみなかった。助かった!
浜までまだ、あんなにあるのに。
「龍の顎」にたどり着いた帝王軍を待ち受けるのは、
ミト、ツキカゼが率いる精鋭部隊。
着の身着のままの帝王軍は、抵抗せず捕獲されていく。
だが、ひとりだけ例外があった。ハバタキである。
こんなところで、捕まってたまるか!
オレはセンメンキ様に未来を託されたんだ!
逃げてみせる!敵兵は捕虜になれば皆殺しだ!
武器はないが、体術で勝負だ!
オレの真骨頂を知るがいい!
ハバタキの頭部に変化が現れる。
ツノの両脇から、新たな隆起が起きる。それはすぐに2本のツノとなる。
まるで、内なる力が形を持ち始めたかのように、進化が起きているのだ。
「ユニコーンだろ?!」
「そうだろ?!闘いは終わりだ」
耳に馴染んだ、忘れられない声だった。
「お前がいるとは・・・。」男の声が震えていた。
「もう、戦う理由はない。やめよう、ユニコーン。」
ハバタキは見た。眼の前にいるふたり。
それは、マンジとヤハチだった。




