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053●高山での救出劇 スティーブふたたび

‘女神’からの依頼なの、局長?

えっ、スティーブが通信を絶った?

ヒマラヤ級の山の中?

犯罪組織の情報を抜き出して持ったまま、行方不明なの?


で、わたしたちが捜索に行くのね。

今度も飛行機なの?

プライベート・ジェットを用意してるって?

それはいいけど、問題はアキラよねえ。


嫌がるアキラをココアちゃんが説得して、なんとか機内に押し込む。

急がないと。


さすがアキラね。この標高でもピンピンしてる。

チョモランマだって駆け足で登るんじゃない?

わたしも酸素消費量は少ないから、今のところ大丈夫。

ジンが一番きついはずなんだけど、平気な顔してるのね。

あなた、本当は宇宙人かなんかじゃないの?


積雪が凍結している。

高地登山装備はラボが準備してくれた。

軽い、薄い、高性能。

靴なんて、状況に合わせて爪が適切に出てくるから、滑らない。

いつものことだけど、よくできてるのよね。


5000mを越えた。

先頭を行くアキラが足場を確認しながら、結構な速度で登っていく。

ジン、わたし、ココアちゃんが続く。

もうすぐ最後に通信があった場所だ。

お願い、スティーブ、無事でいて!


何人か倒れている。

だめだ、息がない。

この寒さだもの、耐えられなかったのね。

犯罪組織は装備貸与が貧弱ね。

銃器を持ったまま、あの世に行くなんて。

きっと故郷の青空や風を思って最期を迎えたんだろうな。

スティーブの姿が見えない。どこ?!


ココアちゃんが探索する。

赤外線反応は周囲にない。

アキラが匂いを頼りに探す。

ジンが言う。吹雪になると。


簡易テントに4人で入る。

十分に風に耐えている。

わたしとココアちゃんのバッテリー残量を確認して、食事にする。

もうすぐ生存限界時間だ。

スティーブ・・・。


吹雪が止む。

すごい積雪量だ。

これは希望が持てない・・・薄いのは酸素だけじゃないね。


ココアちゃんが岩陰を指さす。

何かに包まれているものが見える。

駆け寄る。あっ、スティーブ!

しっかりして!起きて!頬を叩く!

起きろ!

「・・・よう、エイミー・・・。久しぶりだな。元気にしてたか・・・。」

よかった!よかった!

・・・でも、そのセリフ、そのままお返しするわ!

ほんと、心配かけさせるんじゃないわよ!


スティーブを抱えて下山する。充電切れね。

ラボジャパンの技術、まだ取り入れてなかったの?

でも、ラボの緊急シートを持っていたから、助かったのね。

内側に赤外線をすべて取り込み、ステルス機能もあるなんて、

そりゃあ、見つかりっこないよ。

わたしたちにも、追手にも。

携帯端末は故障ね。

あれっ?人影があんなに?


目の前にずらりと犯罪組織のコンタクト・キラー。

標高が高いから射程は伸びる。

でも、連中だって酸欠気味よね。

ジンが指弾で牽制する。

アキラが瞬時に間合いを詰める。パンチとキックが目にも留まらない速さだ。

ココアちゃんが華麗に銃弾を避ける。低い姿勢からジグザグに走る。

ヤツラの頭部や腹部などの急所を打つ。

わたしも一気に近接戦闘に持ち込む。

こういう時、人数の多さが逆に足手まといね。

しかも、その分厚い防寒着ではね。


あっという間に、全員を倒した。

もうすぐうちの応援隊が来る。

やれやれ、なんとかうまく任務終了!

あっ、だけど、また一番難しい作戦が残っているのよね。

ココアちゃん、

アキラを飛行機にうまく積み込んでよね。


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