024●この威力を見よ
「ここはいい土地ではないか?どうだ、センガンキ?」
「そうだな、センタクキ。我々20名の領土にしよう。」
「おっ、なんだ?あの3体?よくわからんが、強そうな感じがするぞ。」
「我々の強弱判定能力は、すっかり鈍ったからな。しかし、トウケツキ20名であれば、人類などモノの数ではないわ!」
にらみ合いが続く中、コウウンキが早くも地面を耕し始める。
草食獣を捕まえる餌となる草を栽培するためだ。
手伝うシゴトギ、ノラギは、すでに作業服に着替えている。
敵を目の前にして、いいぞ、その度胸!我らの余裕を見せてやれ!
おや、援軍か?8人が来たぞ。
しかし、たかが、あわせて11人。どうということはない。
マッサキが先頭になって攻めかかる!
イッキ、ゲンキ、フンキ、ヤルキ、タンキ、も後に続く!
矢か?!そんなもので、われらの皮膚は貫けんぞ!
ぐわっ?なぜだ!マッサキたちが、全員倒れたぞ!
何か仕掛けがあるのか、あの矢じりには?!
ええい、気をつけろ!
高速移動能力で矢を躱しつつ、接近戦だ!
村から奪った剣や槍を使え!
結構、いい武器だぞ!
鍛冶屋の腕がいいんだろうな。
ブキとツヨキが大柄な老人に狙いを定める!
いけ!いいぞ!
センタクキ様は手を出さないのですか、だと?
ふん、あんな小者たちなぞ、相手にせんわい。
ほっほおー!このヴァルターに向かってくるとはいい度胸だ!
我が剣、‘魔王’!この威力を見よ!
剣を跳ね上げることもない!
手足をへし折ってやる!
つもりだったが、触れただけで倒れるんだったな。
さすがは雷牙。
あっ、だが、やはり手足を折ってしまったか。
まあ、命があるだけ幸運だと思うのだぞ!
ハッ、ハッ、ハァー!
なんだあ、あっさりやられてしまうとは!
インキ、お前は陰気だが、腕はたつ!
アッシュクキ、その握力で敵を握りつぶせ!
ヤミツキ、執拗な攻撃はお前が一番だ!
ケイキ、いつも景気のいいことばかり言っているが、お前のパワーは上り調子だ!
我々一番の人気者、ニンキ、その実力を見せる時がきたぞ!
ウキ、沈まんようにな!
ジン・ラベンダーが憂鬱な表情の相手を一刀のもとに屠る。
アリス・ファインが巨大な手のひらを伸ばすヤツの首筋を打つ。
倒れるアッシュクキ。
マギ、ガイ、レオが1体を囲む。
連携してヤミツキの粘り強い攻撃を分散させ雷牙を振る!
ムサシは二刀流、リョウマ、王虎もそれぞれの剣で
ケイキ、ニンキ、ウキを仕留める。
ダイニシハンキ、どうした?!
行けよ!まだ、自分の出番ではない?
そんなことはないぞ!
もう、戦いは初期を過ぎた!
行けったら、行け!うわっ!あっという間に倒された!
ウィルフレッダは、物足りなかった。
こんなものなの?
この相手、なんか突進力、なかったよね?
まるで、まだ出番ではない、という感じだったみたい・・・。
残るはリーダーのセンタクキとセンガンキのみ。
ロイとウィルの夫妻が迫る。
センタクキは剣をぐるぐると回す得意の戦法、
センガンキは超音波を操り、自らの汚れをぶつけながらやって来る!
センタクキの剣は、ロイにことごとく躱され袈裟懸けに斬られる。
センガンキの超音波など、ものともせずウィルの秘技が頭部に入る。
土を耕していた3体は、あっさりと降伏した。
ウィルフレッダは雷牙を納めながら、どこか満たされない表情を浮かべた。
「もっと、こう、魂がぶつかるような戦いがしたかったのよ。なんだか、期待はずれよね。」
「いや、こやつら、戦闘力自体はたいしたものだったぞ。」
「でも、ヴァルターさん、手応え無さすぎ。いくら静雷と雷牙が優れていても、もう少し乱戦になると思ったのだけど。」
「それは、わたしたち11人の力が、軽くこの20体を上回っていたからですよ。」
「そうです、レオの言う通りです。」
「王虎さんに賛成。言ったでしょう、あなたは一軍に匹敵するって。」
「でも、アリス、もうちょっと、もうちょっとねえ・・・。」
「ママ、よかったじゃない?一応、オッチャンズ・イレブンの初陣だからね。」
「そうだよ、ウィルフレッダ。ヴァルターさんの‘この威力を見よ!’という言葉もよかったしね。」
「ロイ、君がそういうなら、まあ、いいかな。」
カンナ平原に勝鬨があがる。
今夜は慰労会に違いない。
みんな食べて飲んで騒ぐのだろう、きっと。




