022●泣いてちゃイカン!
俺たちは樹海の中で捜索している。トウケツキ10体。リーダーは千闘鬼。
肉食を好む。極めて攻撃的で知能も戦闘力も高い。
ただし、銃器は所持していない。こいつらを生死を問わず、捕まえて帰れってか?
「オオガミさん、赤外線反応があります。食事中のようですね。」
「資料では、元々は相手の強さを感じ取って、自分より戦闘力が高いものには服従してたけど、最近はその能力が落ちているのね。わたしたちを見ても、かかってくるかもね。」
「エイミーさん、ともかく油断禁物です。ヒトですがヒトではない、超人化薬物の接種者と同じか、それ以上と考えるのが妥当ですね。」
「ジン、いつもながら慎重ね。でも、それ、大切よね。」
少し開けた場所に、ヤツラがいる。熊を喰っているのか?!
中央に座しているセントウキは、近づく者たちに気が付く。
オレたちは、戦闘民族。
ザーリフ様は屈服した。星域全体が生活改善、指導を受けている。
だが、オレは嫌だ。
固有の文化や考え、生活習慣を奪われてなるものか。
護送されていた艦艇が、よくわからんが座礁したのは幸いだった。
脱出ポッドで41人が逃げ出すことができた。
他のリーダーたちやその配下が見えん。どこにいったのだろう。
まあ、この新天地で勢力を伸ばしてやろう。ここで我らの文化を守り、力を示す。
このセントウキがその先頭に立つのだ。
全員、戦闘状態に入るぞ!
4️人か。やってしまおう。ヨナキ、泣いてちゃイカン!
我が弟、バクゲキキ、行け!得意のパンチとキックの絨毯攻撃!
えっ?躱された?こっちもフットワーク、見せてやれ!
バクゲキキは、女のパンチを軽々と躱した・・・と思いきや、
次の瞬間、ごっ!という鈍い音とともに、大地に沈む!
パンチの一撃で倒れた?!バクゲキキ、動かんぞ!
えーい、シャクリナキ、お前も泣き出すのか?やめんか!
泣き止みたくても止まらない?それでもトウケツキか!
見ろ、コウキコウレイが老骨に鞭打って、もう一人の髪の長い若い女を襲うぞ!
あれっ?投げ飛ばされて・・・あんな上空まで・・・姿が点になって・・・落ちてきた!
ウワバキ、シタバキが巻き込まれた!伸びちまった!
下足室は整理整頓、きちんとしろよ!
いけ、フンムキ、お前の得意な毒霧攻撃だ!
毒の唾液を撒き散らせ!あ!男が跳んだ!
軽々とフンムキの後頭部を蹴る!一発でダウンかあ?!
シシュンキ、ハンコウキ、お前たちの若さに期待だ!
どうした?なぜ倒れるんだ?
うがっ!何か飛んできた!石か?
なんだ、こんなもん!うえ、今度は石じゃないぞ!
頭部に打撃を受けたセントウキの意識はそこで途切れた。
「ジン、今回はどれだったんだ?」
「ふつうの指弾と気功弾です。うまくいきましたね。体調がいいのかなあ?」
「あなたはいつも絶好調よね。アキラ、あなたもいい攻撃だったね。簡単に伸したもの。」
「エイミーの防御も見事だったぜ。あれだけの手数を全部躱すんだから。パンチも強力だった。」
「あら、手加減したんだけどな。ココアちゃんの投げもすごかったよ!」
「すいません、わたし、手加減しなかったです。」
「じゃあ、まあ、いいか!俺たちのチームワークの勝利だ!」
泣いている2体をまず拘束し、倒れた連中も生きていることを確かめ、
手足を縛る。ラボのカーボンファイバーのロープだから、強力だ。
ワンタッチで拘束できるのもいいよな。
目を覚ましたリーダーらしいヤツが言う。
「オレたちは第4グループ、つまり最弱だ。フッフッフ、もっと凄い仲間がやって来るぞお!真の脅威はまだ眠っているのだ!!」
ハイ、ハイ、よくある負け惜しみだ。
あんたら以外、いないじゃねえか。




