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執事になってから、旅行と言うものが、大分久しぶりです。


今回は、マリア様の拾い物を預けに、影の者の隠れ里に行く事になりました。


マリア様も、竜の落とし子とはまた、珍しい者をお拾いになさいます。


隠れ里には、レオン坊っちゃまもそろそろ、次期当主として、挨拶に行かなければ、いけなかったのですが、まあ、あのヘタレ…ゴホゴホ…あの様に人嫌い…。

影の里とは言え、知らない影と言うだけで、腰が引けていたので、これをいい機会と、挨拶を兼ねて行く事になり、私は、ホッと胸を撫で下ろしています。


そんな我々を屋敷の護衛騎士数人と、御者、影の護衛のダリアとマストが護衛しています。


影2人は、久しぶりの里に、とても嬉しそうですね…。


それに引き換え…侍女のマーヤとリーヤは、竜の落とし子が、怖いようですね…。

表情は取り繕っていますが、ギクシャクしています。


まあ。見てくれが、歩く爬虫類…。

女性は、苦手な方が多いでしょう。

仕方ないので、マーヤ、リーヤ、ダリアは、後方の馬車です。


前方の馬車には、坊っちゃま、マリア様、竜の落とし子、私で、近くの馬にマストが、乗って護衛しています。竜の落とし子は、マリア様の膝枕です。


爬虫類の見た目の、竜の落とし子が、平気なマリア様の方が、不思議なくらいです。



そんなマリア様を…

いえいえ、竜の落とし子を羨ましそうに見ているのは、レオン坊っちゃまです。(豚の被り物で目線や表情はみえませんが)私には、わかりますよ。

その雰囲気…。




隠れ里は、名どおり、隠された場所。

馬車で行けるのは、山のふもとまで…。

体力に自信がない、マーヤ、リーヤ、御者は、ふもとの宿屋に、部屋を取り待機する事になりました。

馬車とマーヤ、リーヤ達の護衛に、騎士達は置いていきます。



隠れ里は、影の者ばかり…。


山は、すべて影が見張っている。

ですから、護衛は、ダリアとマストで充分なのです。


心配事は…坊っちゃまは、当然大事ですが、私の体力が、もつかどうかな所です…。

ですが、公爵様から、コミニュケーション下手な坊っちゃま1人では、何かと心配という事で、くれぐれもと言われています。行かないわけにも行きません。


最悪、マリア様は、ダリアが、私は、マストが担ぐと言う、最終手段も準備しています。


マストは、まだまだ影の中では、若い方ですが、体力と物理的な力だけは、誰よりも強いのです。

下手したら、私も、マリア様も2人いっぺんに担いで、山を上がれるんじゃないでしょうか…。(実は10人位は軽くいけるのですが、私は知りませんでした。)


そんな頼もしい2人がいれば、里にはすぐ着くだろう…。

ダリアにも、マストにも山は、幼い頃育った家の庭も同然。迷う事なく進む足取りは確かです。


それを追う、レオン坊っちゃまは、山歩きなど慣れていないマリア様を気遣いながら、登っています。


マリア様は、ダリアが、初めから担ぐと言っていましたが、できるところまでは、自分で歩くと、頑張っておみえです。


私は、老体に鞭打ち登っています。

だいぶ運動不足がたたっていますね…。

ですが、頑張っている、マリア様だけには、執事として、負けられません。


どれくらい歩いたでしょうか…。


やっと隠れ里に着きました。


マリア様は、中腹あたりから、ダリアに、申し訳なさそうに、担がれていました。


私は、何とかここまで来られましたが…。

山登りとは、帰りの方がキツイのです…。

膝が笑う前に、帰りは、是非マストに頼みましょう…。と、そっと決意しました。



里の中は、自然豊かな村という感じで、みな思い思いに過ごしているようです。


まずは、里の長である、長老パブロの家を目指して歩きます。里の家はどれも似たり寄ったりの木造の家です。長の家も一周り大きいものの、周りとあまり変わりない家です。


里の1番奥に位置した、長老パブロの家の扉をダリアが、ノックした。

中から返事があり、ダリアが、扉を開け、レオンハルト坊っちゃまと、マリアが入りやすいように、扉を支えながら、道をあけました。


中に入れば、若者がお辞儀して待っています。

使用人でしょうか?

ダリアが、その者と2、3言葉を交わした後、案内されたのは、殺風景な広い部屋です。

普段は、里の会議などで使われている部屋だと、ダリアに教えてもらいました。


少し待てば…。


「お待たせさまして…」


杖をついた老人が、先程の若者に付き添われ、部屋に入ってきました。


「パブロ様。お久しぶりです。」


声をかけながら、ダリアが側に駆け寄り、若者が居ない方の手をとり、体を支えた。


「おお、その声…ダリアかな?久しいの…。元気であったか?」


「はい。公爵家にいる者は誰もかれも、変わりなく、元気です。ご安心下さい。後で、皆からの手紙を届けますね。」


「ははは。そうか…なにより、なにより…。どっこらしょ…」


ダリアと若者に支えられながら、長老は、準備された椅子に座る。


「若様、この老いぼれ、少々足腰が悪ごさいまして…勝手な着席失礼しますな…」


うむ…。口では、失礼とか言っていますが、態度が全然そう言っていませんね。

まあ、この里では、まだ、坊っちゃまは、認められて居ないから、仕方ないのかもしれませんが…。


「かまわない。」


坊っちゃまも、気にした様子はなく返事してますしね…。

私は、いつものように、一歩後ろに控えています。

坊っちゃまは、いつもの様に、無口ですし…。

この沈黙…なんとも、不安ですね…。


「あっあの…。レオン様?挨拶なさらないのですか?」

沈黙の中、小さな声で、坊っちゃまに話しかけたのは、マリア様です。


「あっ。ああ。」

坊っちゃまは、どうやら、人見知りを発揮して、呆然としていたようですね…。

マリア様の声で、我に返ったようです。


「お初にお目にかかる。影の長。パブロ殿でよろしいか?私は、公爵家長男、レオンハルト、隣に居るのは、こっ婚約者のマリアだ…。影の者たちは、いつもよくやってくれている。彼らが居るのも、この里あってのこと…感謝する。」


坊っちゃまにしては、長文を頑張りましたが…、決して褒められる挨拶ではありませんね…。


長の目が、生温かいものになっています…。



「……。で、公爵家の長息どの。なにやら、頼みがあって来たと、手紙では、伺っているが?」


長は、坊っちゃまの挨拶を無視して、本題に話を振ってきました。

この態度は…。長は、坊っちゃまを認めていないと取れますね…。さて、これは、試されるかもしれませんね…。

ぼちぼちで、すみません。

読んで下さっている方ありがとうございます。

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