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ブックマークありがとうございます。

あれから、私は、自主的護衛をしに、マリアの元に通っていた。

それが、レエンハルト様にバレて、すぐにマリア専有の護衛になった。

屋敷の中は、ほぼ護衛はいらないが、庭や外出時は、必ず付く事になった。


マリアにそう話せば、嬉しそうに笑ってくれた。

実際、抱きついて喜んでくれた。


そんなマリアが、この公爵家別邸近くにある、森に、散歩に、行きたいと言い出した。


確認したい事があるのだという。


森の草木でも、見たいのだろうか…?


「私は、あまり植物に詳しくないから…」

もちろん護衛はするが、植物の話などするなら、セバスチャンさんにでも、付き添いを頼んだ方がいいかもしれないと、声をかければ、


「あ。大丈夫。そんな大事にしなくて…。

確認したい事は、音?気配?だから、植物の名前は関係ない…はず…。それとも音がする植物があるのかしら?」


「音?」


「ええ、馬車で、拐われそうになった時、助け出された後も、微かに音があったの…」


『私達も気付かなかった音?』


「森へ、連れて行ってくれる?」


「特に、危険がない、散歩だけなら…」





森の入口から、一直線にマリアは進む。


森の中は、木漏れ日で、キラキラしていて明るい。

木々が風に揺れ、葉が、擦れる音、木の実が落ちた音、などの自然に溢れた音はするものの、自分達の踏み締めた足音以外不思議に、思う音は、私には、聞こえない。



だが、マリアは、迷わず、音がすると、足を進める。


私は、何が現れてもいいように、周りへの警戒を高めながらマリアに、寄り添い、歩いた。

その先にあったのは…


いや、居たのは…






竜の落とし子だった。


マリアは、制する暇もなく、迷わずソレを拾った。




竜はたまに、竜になりきれない子を捨てるのだ。

だが、この子の親は、森の奥にいた。


ここは公爵家の敷地内だ、まず人は踏み込まない。

そんなに深い森ではないのに、人に見つからなかったのは、そのせいだろう。


森の奥にいた、竜の親は息絶えていた。

どうやら、何かの病気だったらしい。



竜の落とし子は、どちらかと言えば、手足が長く、体は、竜の子より小さい。

これは、竜というより人間の子の形に近い…。

竜の鱗が全身を覆い、トカゲ人間?と言った方が、いいくらいに、竜になり損じていた。




『いや…これは…。




竜は、魔力の強い生き物で、姿を自由に変えられる…。

どちらかと言うなら、人間に化けて、人間の子供を産んだか…⁈

それなら、我々の里に連れて行か無ければ、親を亡くしたこの子は、生きてはいけないだろう…。』


「ダリアさん…。この子…」


心配そうに、私を見上げて、声をかけてくるマリア…

そんなマリアに、ついつい、



「マリア…警戒心が無さすぎるし、許容範囲が広過ぎる。それが、魔物だったらどうするのさ…」


マリアは、落とし子を膝に抱き抱えて、よしよしと、撫ぜている。


「こんな悲しみを抱えて、泣きそうな雰囲気の子が、魔物なの?」


「いや、違う。たぶんその子は、我々と同じだ。まだ産まれて、10年か?まだ幼児だ。」


「ダリアさん…」


マリアは潤んだ瞳で、私を見上げてくる…。


………。これは、連れて帰りたいと言うことか?


いやいや、私が、勝手に連れ帰ってはダメだろう…。


どっどうする…?


「あの、不思議な音、この子の涙の音だったみたいなんです。」


「涙?」


「涙が、この独特のウロコのある皮膚を伝う時に、音がしていたみたいです。泣き止んだ今、音は、聞こえません。」


これは…。

この子を置き去りにして、またその音を聞いた優しいマリアは、きっとこの子を心配して、見に来てしまうな…。判断は、レオンハルト様に任せるとして、一旦は、連れ帰る方が、双方にとって賢明か…。



「わかりました。一度連れ帰りましょう。ただし、レオンハルト様の判断には、したがってくださいね…」



「ええ。こんな所に1人なんて、可哀想よ。ありがとうダリアさん。」


そうして、竜の落とし子は、マリアにより保護された。






屋敷では、影の者の別棟で、預かる事にしたが、竜の落とし子が、マリアから離れたがらず、仕方なくマリアの部屋に居場所を準備した。


レオンハルト様が、公爵様に相談したところ、我々の隠れ里に連れて行き、育てた方が、竜の落とし子の為には、いいだろうと言う話になり、次のレオンハルト様のお休みで、レオンハルト様とマリア、セバスチャンさんに、マリアの双子侍女さんらで、隠れ里まで、竜の落とし子を連れ、ちょっとした、旅行に行く事になった。

はじめは、レオンハルト様だけが行く、予定だったが、竜の落とし子が、マリアから離れないから、仕方なくマリアも行くことになったのだ。


もちろん私は、マリアの護衛で付いていく。




思わぬ所で、マリアと旅行することになり、嬉しい雰囲気が隠し切れていない、レオンハルト様を私は、見て見ぬ振りをし、セバスチャンさんは、からかい、それを見た侍女さんたちは、苦笑いをしていた。



この旅で、久しぶりに里の長に会えるのが楽しみだ。

影みんなからの手紙を預かって、長に会うつもりだ。

長は、私達影みんなの、育ての親だ。

優しく、すごいあの長に、私の今の大事な友達の、マリアを合わせられると思うと、何故か心が、暖かく浮き足だった。


レオンハルト様だけでなく、私もはしゃいでいる事に、気づき、自分で苦笑いし、頭をかくのだった。

ストック切れました。これからは、不定期更新になります。すみません。


読んでくだっているみなさま、いつもお付き合いしていただき、ありがとうございます。

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