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残酷なシーンがあります。苦手な方は、後書きまで飛ばして下さい。
馬車には直ぐに追い付いた。
軽く跳躍し、馬車の屋根へと、飛び乗る。屋根をつたい、御者の首を狙う。
制御を失い、そのまま走る馬の手綱を思いっきり引き、急ブレーキをかける。
走る馬車から助けて出す事も可能だが、マリアが傷ついては、困る。馬車が止まっていた方が、マリアへの危険度が減る。
「おい!どうした?なんで止ま…」
プシューっと、首から血を流し、馬車の小窓から顔を出した者は、息絶えた。
その様子に、非常事態だと察知した、中の仲間が、扉から剣を突き出した。
軽々とそれをかわし、馬車の天井板を爪で、切り裂く、木でできたそれは、布の様に容易く、切り裂ける。
中に、マリアが居るので、慎重に切り裂かねば、マリアまでバラバラになってしまう。
上手く力をコントロールして、切り裂く。
誰かを助け出す為に、能力を使うのは、初めてかもしれない…。
だいたい、レオンハルト様は、守る必要が無いくらい強いし…。
だいたいは、夜中に、調査したり、忍び込んだり、盗賊皆殺しに行ったりだからなぁ…。
気をつかって、仕事した事があまりないのだと、気が付いた。
屋根を取り払い中を覗けば、マリアを人質にした、男性と、後2人。剣を構えた護衛が居た。
護衛は、なかなかに腕が立つようだ。
直ぐに、状況を把握し、二人で、私に斬り込んで来
た。息もピッタリだ。
軽く跳ねて、かわし後ろに下がる。
「大人しくしろ!この女を殺すぞ!この化物!」
と、人質にした男が、叫んだ、
一旦その場から動かず、様子を見ることにした。
三人は、私が、言う事を聞いたと、勘違いしたらしい。ニヤニヤしだした。
あの男…。マリアを人質にしているあの男…。
見覚えがある。
あの日は、私の当番だったから…。
駆け出したレオンハルト様に、ついて行った先に居た女に、仕えていた奴だ!
話が見えた…。
裏で糸を引いてたのは、あの時の令嬢か!
奴ら、私の目が、夜の暗闇でも、見えているとも知らず、顔を隠そうともしていない。馬鹿な奴らだ。
それに、私は、私だけで、助けようなんて思ってない。何の為に、わざわざ、特殊な液をまいたんだか。
我々の嗅覚は、尋常じゃない。
緊急時にだけ使うこの液の臭いを兄さんが、門の状況を見て、気付かないはずないんだ。
ほら、きた。
「マリア様をお願い。」
「なんだ?人質を置いて逃げるのか?はははは。怖気付いたか!!」
「バカが!お前に話しちゃいない。」
いい終わる前に、護衛2人へ距離を詰め息の根を止めに行くが、なかなかに腕がある。2、3かわされたり、弾かれるが、なんなく、護衛を片付ける。
振り向けば、後ろから兄の腕を腹に生やした、あの女の従者と、兄に助けられ、左手で腰を支えられている、マリアがいた。
「マリア大丈夫?」
焦って近づいて、はっとする。
今は能力を解放した状態だった…。
怖がって居るだろマリアに、ためらい、一歩後ろに下がる…。
「ダリアさん?」
問われて、心地よかったマリアとの関係を諦め、頷く。
「ああ!ダリアさんだったんだ!あの日、レオン様に助け出される前に、私を見つけてくれた人…。
『ねえ、あなた、大丈夫?』って声をかけてくれた人…。そう。この気配だわ。目が見えていなかったらから、気がつかなかった。気配がこんなに変わるなんて知らなかったから、ごめんなさい。今まで知らなくて…。助けてくださって、レオン様を呼んで下さって、ありがとうございました。」
マリアは、そう言いながら、ダレンが緩めた手から抜けだし、私に抱きついた。
「私が怖くないの?」
「?怖くないわ。どんな姿であっても、関係ない。あなたはダリアさんだもの。」
そう言いながら、また私に抱きつくマリア。
私は、気がつかないうちに、目から一筋の涙が溢れた。
「ありがとう。マリア…」
「感動的再会なとこワリーけど、ちったー周り見ろよ。血みどろの中でやる、再会か?」
「うるさいなよ。兄さん。」
「お兄さん?え?ダレンさん?」
「そうだよ。私達影の者は、能力を解放すると、異質な姿になるんだ。怖がらせて、ごめんな。」
「いえ、多少驚きましたが、怖くはありませんよ。ダレンさんも、助けてくださって、ありがとうございます。」
「マリア、とりあえず屋敷に戻ろう。この辺の片付けは、影達が何とかしてくれるから…。抱えて走るけどいい?」
「ダリアさんの負担になりませんか⁈」
「なんねーよ。ダリアならあんた10人くらいいけるんじゃないか?」
「え?」
「まあ、いけるだろうね。とりあえず、負担とかは無いから、抱き抱えて走るよ。こんな化け物な私に、触られて不快だったらごめん…」
「化け物なんてそんな事ないです!不快なんてとんでもない。頼もしいくて素敵な姿だって思いますから、大丈夫ですよ。あまり気にしないでくださいね。」
「ありがとう。」
マリアを抱え直し、すぐに屋敷に駆け込んだ。マリアは、マーヤとリーヤに託し、セバスチャンさんに、事の報告に行く。
「この前、レオンハルト様とお見合いをした、令嬢の従者だった。間違いない。あの令嬢…何を考えてる!?」
ついつい報告しながら、殺気立ってしまう。
「わかりました。細かい事は、レオン坊っちゃまに報告してから指示仰ぎます。今夜も、影達は、仕事があります。ダリアは、そちらの準備をしなさい。」
「賜りました。」
「あ。そうです。マリア様をよく無事に助け出して下さいました。ありがとうございます。私個人的なお礼です。聞き流して下さっていいですよ。」
珍しく、セバスチャンさんが、お礼を言った。
軽く一礼して、その場をさりながら、セバスチャンさんの言葉にしっくりこなかった、理由を探した。
理由は、簡単だった。
自分が、助けたかったから、助けたんだ。
レオンハルト様の命令でも、護衛でもなく、私が、助けたかったから助けた。と気が付いた。
だから、他からお礼を言われたら、あなたの為じゃない。自分の為に、あの心地いい一緒にいる時間を守るためだと、言いたくなったからだった。
こんな事、今まで、無かったのに…。
今まで、人から人扱いされた事すらなかった。
まして、能力を解放した後に、人扱いなんか、自分でもできなかった。
しかし、マリアは、そんな私すら、人として扱い、初対面さえ覚えていた。目が不自由な時だったのに…だ。
マリアの存在は、私の中で、大切な物へと変化して行っていた。
男女、侍従、関係ない。ただ護たい者。
一緒に過ごして話したい人。
私を認めてくれた人、それがマリアだった。
どうやら、私は、マリアと、友達になりたかったらしい。
レオンハルト様の護衛担当でない日は、マリアの近くで、護衛兼、侍女と、友達をしに、マリアの部屋に出入りする事をこの時、私は、胸に誓った!
マリアを拐われた馬車から能力を解放して助けてました。ダレンも助けにきました。マリアは、2人の能力解放した姿をみました。
ダリアが、マリアの専属護衛になりました。
ってな感じです。




