表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンチ・ハロウィン  作者: 日雀青柚
第三章 新門
30/56

◆12

「一つ目。ヘルハウンドが反発してこようがなにをしてこようがとにかく力づくで抑え込む。これはヒロナの魔法陣みたいに強制的に言うことを聞かすってことだ。恐怖政治のやり方を真似るといいかもな。二つ目。ヘルハウンドと対話し、納得させて言うことを聞かせ、平和的かつ友好的に収める。これが一番理想的だ」

「そんなこと出来たら苦労しませんよ」

「ここでそんな減らず口を利くなよ」

「だってやり方もわからないのに……」


 暗闇の中を懐中電灯も蝋燭もなしでまっすぐ進めと言われているようで気が滅入った。抽象的な話ばかりで具体的なアドバイスがなにもない。


「マホウ、お前なんのためにここに来たんだ?」

「……ヘルハウンドをどうにかしたいからです」

「そうだろ。それなら飼い主は誰なのかをはっきりさせるんだ。ヘルハウンドを飼うマホウになるのか、ヘルハウンドに飼われるマホウになるのか。ここでしっかり手綱を握って躾けとかないとめちゃくちゃになるからな」


 そう言うとエンは目の前で小さな火を人差し指の先に灯した。マッチの火ほどの大きさの明かりが微かに揺れる。


「俺がこれを出せるのはマホウと同じで俺の中に猩々(しょうじょう)っていうやつがいるからなんだ。俺の火の力っていうのは猩々の力なんだよ。マホウがヘルハウンド憑きなら俺は猩々憑きだ」


 大きくしたり小さくしたりして火を自由自在に操るエンの顔は心なしかうれい哀しそうだった。


「……俺も昔、猩々を自分だけの力でコントロールしたんだ。だから今お前が感じてる不安は多少わかってるつもりだ。とか言って見当違いだったらごめんな」


 眉を下げて困ったように微笑み、火を消す。


「芯を強く持ちながら敵対する意思はないことを誠実に伝えて、真摯に向き合えばうまくいくはずだ。でも決して弱く下手に出ちゃだめだよ。相手の話もよく聞いて取り込むんだ。まあそこが難しいんだけど」


 頭をぽん、と撫でてエンはにかっと笑った。


「でもマホウなら出来る。大丈夫だ」


 屈託のないエンの笑顔に真鵬はまた可愛げもなく疑問を投げかけた。


「……なんでそう言い切れるんですか」

「そうだなあ。昔の俺にちょっと似てるから、かな」

「なんですかそれ」


 エンの答えに真鵬はつい頬が緩んだ。なんと説得力がありそうでなさそうな理由なのだろう。


「あと少ししたら小猩々の霊気も完全に消える。そしたらヘルハウンドが暴れだすはずだ。そこをどうにか片付けろよ。俺は全てが終わるまで待ってるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ