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突然の終わり、奇跡の始まり
失くしたものは彼と太陽だけじゃない。あの日までのあたりまえの生活も失くした。
「おはよう」と言ってくれる人も
「おやすみ」と言ってくれる人も
「一緒にいよう」と言ってくれた人も全部、失くなった。
奇跡でできていた夢のような毎日が夢だったように覚めてしまった……
そう、たった一度きりの奇跡から夢は始まった。
突然の出来事。両親が死んだ。
中学二年の冬、学校で知らされた別れ。「さよなら」も言わずに、何も残さずに、一瞬で、家族が消えた。
もう、理由も覚えていない。私は学校から飛び出して、逃げた。自分の帰るべき家から、思い出のある土地から、幸せだった過去から、ただひたすらに、どこまでも。
このまま逃げ続ければ、いつか私の体は朽ち果てて本当にこの世界、私の人生から逃げられる気がした。何もない人生なんていらないと思ったから、死ぬことにためらいはなかった、すぐに、死んでしまうはずだった。それなのに。
目の前には知らない場所があって、美しい桜が咲いていて、私は、彼と出会った。
ボロボロな服で、悲しそうな目で、まるで私の鏡のような少年は言った
「大丈夫?」と、とても優しい声で……




