第四十話 新たな騎士
「あぁぁ……眠いなぁ」
俺はベッドの上で目を覚ました。
「おはようございます!」
みんなが一斉に言う。
「ああ、みんなおはよう……ん?」
俺はミルを見て、少し首をかしげた。
「ミル、髪型変わった?」
「あ、気づきましたか?」
ミルが嬉しそうに笑う。
「ああ」
「タケシ様、この髪型どうですか?」
「ん……」
どうですか、と聞かれると意外と困る。
変なことを言ったら怒られそうだ。
ここはちゃんと褒めるべきだな。
「前も可愛かったけど、今の方が可愛いよ」
「あ……ありがとうございます」
ミルの顔が赤くなった。
「くぅぅ……」
横でゼキナたちが小さく唸っている。
何をしているんだ、お前たちは。
「それでさ、今日はレベルを上げたいんだけど、冒険者はいるか?」
「結構いますよ」
ミルがモニターを確認しながら答える。
「だったら、今日はレベル上げをするか。目標はレベル五十だな」
「はい!」
俺たちは冒険者がいる階層へ向かった。
◇◇◇
それから三時間。
俺は新帝ダンジョン内を転移しながら、冒険者を倒していった。
十二階層。
十六階層。
二十三階層。
二十七階層。
最近の冒険者は本当に強い。
Aランクも混ざっているし、魔力感知や強化魔法を使う奴もいる。
だが、今の俺には新しいスキルがある。
「残像」
冒険者の剣が俺の姿を斬る。
だが、それは本体ではない。
「どこを見てる」
「なっ!?」
俺は背後に回り、上位魔剣に雷を纏わせた。
「エンゲル」
雷を纏った斬撃が、冒険者を貫く。
「あぁぁぁ!」
冒険者は雷に焼かれ、その場に倒れた。
さらに別の階層でも、俺は身体能力強化と魔王の威圧を使いながら戦った。
黒葬の惨撃だけに頼らず、残像でかわし、エンゲルで一気に仕留める。
戦い方の幅がかなり広がった気がする。
そして、最後の一組を倒した時だった。
『新帝ダンジョンの魔王タケシのレベルが五〇に上がりました』
『三〇〇〇ポイントを入手しました』
「よし」
俺は上位魔剣を下ろした。
「これで目標達成だな」
「おめでとうございます、タケシ様!」
「ありがとうございます、マスター」
「ご主人様、すごいです!」
みんなが嬉しそうに声をかけてくる。
「よし、戻るか」
「はい!」
俺たちは玉座の間へ戻った。
◇◇◇
玉座の間に戻ると、ミルが言った。
「タケシ様、ステータスを見てみてはどうですか?」
「そうだな」
俺は頷いた。
「ステータスオープン」
目の前に、半透明の画面が現れる。
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【新帝のダンジョン 魔王Eランク】
名前:タケシ
レベル:50
体力:25000
魔力:25000
スキル
・鑑定S
・魔力の極み
・ファイヤーボール
・煉獄斬り
・黒葬の惨撃
・未来予知Lv10
・魔王の威圧Lv1
・身体能力強化
・超速再生
・エンゲル
・残像
残りポイント:45250pt
所持品
・魔銃
・上位魔剣
・アルティアレギオン
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「すごいな。結構上がってる」
「タケシ様、かなり強くなっていますね」
「ああ。これならSランク冒険者にも勝てる気がするな」
俺がそう言うと、ミルは少し苦笑いした。
「それはまだ難しいと思います」
「そうなのか?」
「はい。Sランクは国に一人いるかいないかの存在です」
「そんなに少ないのか」
「はい。Sランクとなると、Aランク冒険者百人分とも言われています」
「マジか」
Aランク百人分。
それはさすがに化け物だ。
「でも、タケシ様ならいつか届きますよ」
「そうだな」
今はまだEランク魔王。
だが、レベルを上げて、階層を増やして、配下を強くしていけば、いつかはそこまで行けるはずだ。
「マスター、この後は何をされますか?」
ゼキナが聞いてくる。
「そうだな……」
レベル上げもした。
階層も三十階層まで増えた。
毒階層も作った。
だが、まだ足りないものがある。
「仲間を増やすか」
「え?」
ミルたちが少し驚いた顔をする。
「嫌か?」
「そんなことはありません!」
ミルが慌てて首を振る。
「ただ、急に言われたので驚いただけです」
「そうか」
俺は管理画面を開いた。
「今度は騎士みたいな仲間が欲しいな」
「騎士でしたら、アンデッド系の魔物はどうでしょうか?」
ミルが提案する。
「アンデッドか」
確かに、魔物の騎士と言えばアンデッドはかなりそれっぽい。
黒い鎧を着た不死の騎士。
魔王軍の配下としてはかなり似合う。
「いいな。それにするか」
「はい!」
俺はショップ画面を操作した。
「アンデッドナイト、購入」
『アンデッドナイトを購入しました』
『五〇〇〇ポイント消費』
その瞬間、玉座の間の中央に黒い光が輝いた。
光の中から現れたのは、一体の騎士だった。
全身を黒い鎧で包み、兜の奥には青白い炎のような光が揺れている。
手には古びた大剣。
背中には黒いマント。
生者ではない。
だが、ただの死体でもない。
圧倒的な忠誠と、静かな威圧感を持つ魔物。
それが、俺の前で片膝をついた。
「我が主よ」
低く、重い声が玉座の間に響く。
「命令を」
「おお……」
思っていた以上に騎士っぽい。
「名前はどうするんですか、タケシ様?」
ミルが聞いてくる。
「名前か」
ゼキナや水魅五姉妹の時と同じだ。
名前を与えることは、ただの魔物を個として認めること。
なら、こいつにも名前をつけるべきだ。
「お前の名前は……ガルドだ」
俺がそう言った瞬間、アンデッドナイトの体から黒い魔力が少しだけ膨れ上がった。
「ガルド……」
騎士はゆっくりと頭を下げる。
「ありがたき名。我が剣、我が魂、すべて主に捧げましょう」
「頼りにしてるぞ、ガルド」
「はっ」
これで、新帝ダンジョンに新たな仲間が増えた。
ゼキナは剣士。
水魅五姉妹は水魔法と支援。
ミルは管理と結界。
そしてガルドは、前衛の騎士。
魔王軍らしくなってきた。
「よし。今日はここまでにするか」
「はい、タケシ様!」
「お疲れ様です、マスター」
「ご主人様、お食事の準備をしますね」
「ああ、頼む」
俺は玉座に座り、黒い鎧の騎士ガルドを見た。
新帝ダンジョンは、また一つ強くなった。
そして俺の魔王軍も、少しずつ形になっていく。
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タケシ:魔王Eランク Lv50
階層数:30階層
残りポイント:40250pt
新たな仲間:
・アンデッドナイト「ガルド」
ガルド:
・黒い鎧を着たアンデッドの騎士
・大剣を使う
・前衛向きの配下
・タケシに忠誠を誓う
第三十九話終了時点:27250pt
翌朝の地脈ポイント:
30階層 × 500pt = +15000pt
第四十話開始時点:
27250pt + 15000pt = 42250pt
冒険者討伐:+3000pt
残り:45250pt
アンデッドナイト購入:-5000pt
残り:40250pt
第四十話終了時点:40250pt
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