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ダンジョン妖精と始める異世界魔王ライフ  作者: 西園寺
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第三十七話 毒の階層

「ぐぁ……」


 俺はベッドの上で目を覚ました。


「おはようございます!」


 みんなが大きな声で言う。


「ああ、みんなおはよう」


 ミル、ゼキナ、メリ、ビビ、セリ、サリ、エリ。


 今日は全員きちんと起きていた。


 昨日、俺がAランク冒険者を二組倒して戻ってきた後、かなり早めに寝たからだろう。


「タケシ様、今日は階層を増やすんですよね?」


 ミルが嬉しそうに聞いてくる。


「ああ。今日は昨日できなかった階層拡張をする」


「でしたら、早速始めましょうか」


「そうだな」


 俺は管理画面を開いた。


 現在、新帝ダンジョンは二十階層まで完成している。


 一階層から十階層。


 十一階層から十九階層。


 そして二十階層のボス部屋。


 だが、ここで一つ気になることがあった。


「まず、二十一階層から三十階層を何の階層にするか決めるか」


 俺がそう言うと、ミルが少し考え込んだ。


「タケシ様」


「ん?」


「その前に、一階層から十階層を少し整えた方がいいと思います」


「一階層から十階層?」


「はい。今は草原、迷宮、毒沼、洞窟などが混ざっていますよね」


「ああ」


 確かに、初期に作った階層だから仕方ないが、少しまとまりがない。


 後半の階層はテーマごとに分かれている。


 六階層から九階層は洞窟。


 十一階層から十九階層は森。


 それに比べると、一階層から十階層はやや雑だ。


「一階層から十階層は、洞窟階層としてまとめてしまった方がいいと思います」


「なるほどな」


 今まで上の階層ばかり気にしていたが、下の階層も整えておくべきだ。


 冒険者が最初に通る場所が分かりにくいままだと、ダンジョン全体の流れも悪くなる。


「分かった。魔物は今すぐ買い替えなくてもいいが、エリアだけは整えよう」


「はい!」


「じゃあ、まずは一階層から十階層を洞窟エリアに改変する」


 俺は管理画面に意識を向けた。


「階層改変。一階層から十階層を洞窟エリアへ」


『一階層から十階層を洞窟エリアへ改変します』


 ゴゴゴゴゴ……!!


 ダンジョン全体が低く震えた。


 モニターに映る一階層から十階層が、少しずつ変化していく。


 草原だった場所には岩壁が生まれ、毒沼だった場所は洞窟の奥にある危険地帯として組み込まれていく。


 迷宮も、ただの壁ではなく、岩肌の通路へと変わった。


 これで一階層から十階層は、洞窟系の序盤階層としてまとまった。


「よし。これで下の階層は整ったな」


「かなり見やすくなりましたね」


 ゼキナがモニターを見ながら言う。


「ああ。次は二十一階層から三十階層だ」


「どんな階層にされますか?」


 ミルが聞いてくる。


「毒の階層にする」


「毒ですか」


「ああ。前に四階層で毒沼エリアを作ったけど、今度はもっと本格的な毒階層にしたい」


 毒霧、毒沼、毒草、毒の魔物。


 冒険者をじわじわ削る階層。


 森や洞窟とはまた違った厄介さがあるはずだ。


「二十一階層から三十階層、購入」


『二十一階層から三十階層を購入しました』


『九〇〇〇ポイント消費』


 ゴゴゴゴゴゴ……!!


 今までよりも大きくダンジョンが震えた。


 二十一階層。


 二十二階層。


 二十三階層。


 次々と新しい階層が形成されていく。


 そして三十階層まで、道がつながった。


「続けて改変するぞ」


「はい!」


「二十一階層から三十階層を毒階層へ改変」


『二十一階層から三十階層を毒階層へ改変します』


 モニターの中で、新しい階層が一気に変化した。


 紫色の霧が漂う空間。


 黒緑色の沼。


 毒々しい花が咲く湿地。


 触れただけで危険そうな蔦が、壁や地面を這っている。


「おぉ……」


 これはかなり嫌な階層だ。


 冒険者からすれば、歩くだけで体力を削られる。


「いいですね」


 ゼキナが静かに頷く。


「普通の冒険者なら、進むだけで消耗します」


「ああ。後は魔物だな」


 俺はみんなを見た。


「何かいい案はあるか?」


 すると、メリが一歩前へ出た。


「ご主人様。毒の階層でしたら、前より強化された毒の魔物がいいと思います」


「確かにな」


 ただのポイズンオークでは、深層としては少し弱い。


 二十一階層以降なら、もっと厄介な魔物を置きたい。


「マスター」


 今度はゼキナが口を開いた。


「毒系の魔物で良いものがあります」


「本当か、ゼキナ」


「はい。アラクネタという魔物です」


「アラクネタ?」


「毒糸を操る魔物です。糸には強い毒があり、触れただけで皮膚を溶かすこともできます」


「なるほどな」


 毒の糸。


 毒階層の霧や沼と組み合わせれば、かなり厄介だ。


 冒険者が足場に気を取られているところへ、見えにくい毒糸を張る。


 想像しただけで嫌な階層になる。


「それにするか」


「はい」


 俺はショップ画面を開いた。


「アラクネタ八百体、購入」


『アラクネタ×800を購入しました』


『一六〇〇ポイント消費』


 黒紫色の魔法陣がいくつも開いた。


 そこから現れたのは、上半身が人型に近く、下半身が蜘蛛のような魔物だった。


 腕からは細い糸が伸び、背中には毒々しい模様が浮かんでいる。


 目は赤く光り、口元には不気味な笑みがある。


「これは……」


「かなり毒階層に合いますね」


 ミルが少し引きつった笑みを浮かべる。


「二十一階層から三十階層に配置するぞ」


「はい!」


「魔物転移」


 アラクネタたちが一斉に消えた。


 モニターを見ると、毒の霧が漂う階層のあちこちに、毒糸の巣が張られていく。


 沼の上。


 木のように伸びた毒草の間。


 洞窟の天井。


 通路の曲がり角。


 どこを通っても、冒険者はアラクネタの毒糸に気をつけなければならない。


「これはかなり強いな」


「はい。二十一階層以降の防衛力はかなり上がったと思います」


「これで三十階層まで完成か」


 俺はモニターに映る新しい階層を見た。


 一階層から十階層は洞窟。


 十一階層から十九階層は森。


 二十階層は黒曜石ゴーレムのボス部屋。


 二十一階層から三十階層は毒。


 新帝ダンジョンは、また一段深くなった。


「よし。今日はここまでにするか」


「はい、タケシ様!」


「お疲れ様です、マスター」


「ご主人様、後でお食事を用意しますね」


「ああ、頼む」


 俺は玉座に座り、モニターに映る毒階層を見ながら息を吐いた。


 冒険者たちは、これからさらに苦しむことになるだろう。


 俺は静かに笑った。


「新帝ダンジョン、かなり魔王らしくなってきたな」


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タケシ:魔王Eランク Lv20

階層数:30


新階層:

・二十一階層〜三十階層

・毒階層


配置魔物:

・アラクネタ×800


改変:

・一階層〜十階層を洞窟系に整理

・二十一階層〜三十階層を毒階層へ改変


第三十六話終了時点:36850pt


翌朝の地脈ポイント:

20階層 × 500pt = +10000pt


第三十七話開始時点:46850pt


二十一階層〜三十階層購入:-9000pt

残り:37850pt


アラクネタ×800購入:-1600pt

残り:36250pt


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