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ダンジョン妖精と始める異世界魔王ライフ  作者: 西園寺
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第三十三話「森階層の王」

「あれ、進化体です」


「進化体?」


 森の奥から現れたのは、巨大なゴーレムだった。


 体は岩だけではない。


 太い木の根が絡みつき、肩から枝が伸び、全身に苔と葉が生えている。


 まるで森と一体化したゴーレムだ。


「フォレストゴーレムです」


 ミルが説明する。


「Eランク魔王になった影響で、配置したゴーレムの一部が森に適応して進化したようです」


「なるほどな」


 フォレストゴーレムは大きな腕を振り上げた。


 その腕が地面に叩きつけられる。


 ドォン!!


 地面が揺れ、冒険者たちの足元から木の根が伸びた。


「くそっ、足が!」


「切れ! 早く!」


 剣士が根を切ろうとするが、その隙に別のゴーレムが迫る。


 森階層。


 かなり機能している。


「ご主人様」


 メリが俺の横に来た。


「私たちも支援しましょうか?」


「どうするつもりだ?」


「水で森全体を湿らせれば、ゴーレムたちの動きが良くなります。さらに、冒険者の足場も悪くできます」


「なるほど」


 水魅と森階層の相性もよさそうだ。


「やってみろ」


「はい」


 メリたち五人が同時に手を前に出した。


「水魔法、水流撃」


 青く輝く水が地面を走る。


 水流は俺たちとゴーレムを避けながら、森の地面へ広がっていった。


 土が湿り、草が濡れ、冒険者たちの足元が滑りやすくなる。


「うわっ!」


「足場が悪い!」


「また水か!」


 冒険者たちの動きが鈍る。


 その隙をフォレストゴーレムは逃さなかった。


 木の根を伸ばし、盾持ちの足を絡め取る。


「まずい!」


 回復役が補助魔法をかけようとした。


 だが、その前にゼキナが静かに言った。


「マスター、そろそろ終わらせますか?」


「そうだな」


 森階層の力は十分見られた。


 Aランク相手でも足止めできる。


 水魅の支援を加えれば、かなり戦える。


 だが、完全に任せるにはまだ少し足りない。


 最後は俺が処理する。


「出るぞ」


「はい!」


 俺は木陰から歩き出した。


「よう」


 俺の声に、冒険者たちが一斉にこちらを見た。


「魔王……!」


「やっぱり出てきたか!」


「この階層、なかなか良かったぞ」


 俺は上位魔剣を抜く。


「お前らのおかげで、森階層の実戦確認ができた」


「ふざけるな!」


 剣士が斬りかかってくる。


 だが、足場が悪い。


 動きが読める。


 それに、未来予知もある。


「魔王の威圧」


 黒い魔力が森の中に広がる。


「ぐっ……!」


 剣士の足が止まった。


 呼吸が乱れ、腕が震えている。


「Aランクでも、威圧は効くみたいだな」


「化け物め……!」


「褒め言葉として受け取っておく」


 俺は上位魔剣に黒い炎を纏わせた。


「黒葬の惨撃」


 黒炎の斬撃が森を走る。


 冒険者たちは防御しようとしたが、遅い。


 黒い炎が、Aランクパーティーをまとめて飲み込んだ。


「あああああっ!」


 叫び声が森に響き、すぐに消えた。


 しばらくして、森階層に静けさが戻る。


『新帝ダンジョンの魔王タケシのレベルが一〇から二〇に上がりました』


『三〇〇〇ポイントを入手しました』


「よし」


 俺は上位魔剣を下ろした。


「森階層の実験としては十分だな」


「はい。かなり良い結果だったと思います」


 ミルが嬉しそうに頷く。


「フォレストゴーレムの進化も確認できましたし、水魅たちの支援とも相性が良いです」


「問題は、二十階層だな」


「二十階層ですか?」


「ああ」


 俺はモニターを開いた。


 十一階層から十九階層までが森。


 なら、その区切りとなる二十階層はボス部屋にしたい。


 十階層にヘルストラケルベロスを置いたように、二十階層にも森階層のボスが必要だ。


「二十階層を買う」


「はい!」


 俺は管理画面を操作した。


「二十階層、購入」


『二十階層を購入しました』


『四〇〇〇ポイント消費』


 ゴゴゴゴゴ……!!


 ダンジョン全体が震えた。


 十九階層の奥に、新たな階層への道が形成されていく。


「これで二十階層まで来たな」


「おめでとうございます、タケシ様!」


「ただし、まだ中身は決めてない」


「二十階層はボス部屋予定ですね」


「ああ」


 俺は頷いた。


「森階層の最後にふさわしいボスを置きたい」


「でしたら、ゴーレム系の上位種が合いそうですね」


 ミルがそう言うと、ゼキナも頷いた。


「森王ゴーレム、あるいは古樹ゴーレムのような存在が良いかと」


「森王ゴーレムか」


 悪くない。


 森階層の王。


 二十階層のボスにはふさわしい名前だ。


「今日は二十階層を買うところまでにしておくか」


「はい!」


「ボス選びは明日ですね」


「ああ」


 俺はモニターに映る新しい階層を見た。


 二十階層。


 森階層の終着点。


 そこにどんなボスを置くかで、このダンジョンの強さはまた変わる。


「明日は、二十階層のボスを決めるぞ」


「はい、タケシ様!」


「承知しました、マスター」


「楽しみですね、ご主人様」


 十一階層から十九階層の森階層。


 そして二十階層。


 新帝ダンジョンは、また一つ大きくなった。


 俺はそう思いながら、玉座の間へ戻った。


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タケシ:魔王Eランク Lv20

階層数:20階層

残りポイント:31750pt


新要素:

・フォレストゴーレム出現

・森階層と水魅の水流撃の相性確認

・二十階層購入

・二十階層はボス部屋予定

・ボス候補:森王ゴーレム、古樹ゴーレム


第三十三話開始時点:32750pt


Aランクパーティー討伐:+3000pt

残り:35750pt


二十階層購入:-4000pt

残り:31750pt


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