第三十二話 「森階層の王」
――次の日。
「あぁ……よく寝た」
俺はベッドの上で目を覚ました。
「ご主人様、おはようございます」
「マスター、おはようございます」
「タケシ様、おはようございます!」
「ああ、みんなおはよう」
メリ、ビビ、セリ、サリ、エリ。
水魅五姉妹が綺麗に並び、その横にゼキナとミルがいる。
昨日は八階層でBランクパーティー二組を倒した。
毒沼スキルは少し厄介だったが、超速再生のおかげで何とかなった。
そして、十一階層から十九階層までの森階層も完成している。
「タケシ様、今日は森階層の様子を見るんですよね?」
「ああ」
俺は頷いた。
「昨日作ったばかりだからな。ちゃんと機能しているか確認したい」
「はい!」
ミルがモニターを開く。
そこには、十一階層から十九階層までの森エリアが映し出された。
深い木々。
足元を覆う草。
ところどころに漂う白い霧。
その中に、ゴーレムたちが静かに立っている。
岩の体に苔が生えた個体。
木の根のような腕を持つ個体。
完全に森の一部みたいに見える。
「いい感じだな」
「はい。かなり自然に溶け込んでいます」
ゼキナが静かに言う。
「これなら、冒険者も近づくまで気づかないかもしれません」
「奇襲向きだな」
「タケシ様」
ミルが少し真剣な声を出した。
「どうした?」
「十一階層に、Aランクパーティーがいます」
「Aランクか」
また厄介そうなのが来たな。
「森階層を試すにはちょうどいいか」
「はい。現在、ゴーレムたちと交戦中です」
モニターには、森の中を進む冒険者たちが映っていた。
人数は五人。
剣士、盾持ち、弓使い、魔法使い、回復役。
構成はかなり整っている。
「さすがAランクだな」
ゴーレムの奇襲を受けても、すぐに陣形を整えて対応している。
普通のBランクなら、最初の奇襲で崩れていたかもしれない。
「マスター、行きますか?」
ゼキナが聞いてくる。
「ああ。ただし、最初は手を出さない」
「森階層の防衛力を確認するのですね」
「そういうことだ」
俺たちは迷宮内転移で、十一階層へ向かった。
◇◇◇
十一階層。
森エリア。
転移した瞬間、湿った土の匂いがした。
木々が高く伸び、枝葉が天井のように広がっている。
薄暗い。
だが、洞窟とは違う圧迫感がある。
「これはこれで、かなり嫌な階層だな」
「冒険者からすれば、どこから魔物が来るか分かりませんからね」
ミルが小さく頷く。
俺たちは木陰に身を隠し、Aランクパーティーの様子を見ることにした。
「来るぞ!」
冒険者の剣士が叫ぶ。
次の瞬間、木々の間からゴーレムが飛び出した。
いや、飛び出したというより、森そのものが動いたように見えた。
苔に覆われたゴーレムが腕を振り下ろす。
盾持ちがそれを受け止めた。
「重いっ!」
「ただのゴーレムじゃないぞ!」
弓使いが矢を放つ。
だが、矢はゴーレムの岩肌に弾かれた。
「魔法で削る!」
魔法使いが火球を放つ。
炎がゴーレムに直撃し、苔が燃え上がる。
だが、ゴーレムは止まらない。
焼けた体のまま、再び拳を振るった。
「なかなかいいな」
俺は思わず呟いた。
ゴーレムは動きこそ遅いが、耐久力が高い。
森の中なら姿も隠しやすい。
Aランク相手でも足止めくらいはできている。
その時だった。
森の奥から、普通のゴーレムとは違う気配が現れた。
「タケシ様」
ミルが目を見開く。
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・第三十一話翌朝から開始
・十一階層〜十九階層の森階層を確認
・ゴーレムたちが森に溶け込んでいる
・十一階層にAランクパーティーが侵入
・タケシたちは森階層の防衛力を見るため十一階層へ転移
・ゴーレムがAランクパーティーを足止め
・森の奥から普通のゴーレムとは違う気配が現れる
第三十二話開始時点:32750pt
戦闘観察:±0pt
十一階層へ転移:±0pt
現在ポイント:32750pt
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