第二十四話「水魅の実力」
――次の日。
「あぁ……」
俺はゆっくりと目を覚ました。
「おはようございます、ご主人様」
「あ、おはよう」
目の前には、メリが立っていた。
昨日召喚したばかりの水魅の一人だ。
水色の髪をきれいに整え、白と青のメイド服を着て、すでに完璧な姿で俺の前に立っている。
「それにしても、君たち朝早いね」
「当然です!」
メリは嬉しそうに胸を張った。
「ご主人様のお世話をするのが、私たちの役目ですから」
「そ、そうか」
まだ少し慣れない。
昨日までは俺がミルやゼキナを起こしていたのに、今はメイドに起こされている。
魔王っぽいと言えば魔王っぽいが、なんだか少しむず痒い。
「ところで、ミルとゼキナは?」
「それでしたら、セリが起こしに行っています。もうすぐ来ると思います」
「そうか」
俺がそう言った直後、扉が開いた。
「噂をすれば、だな」
「タケシ様、おはようございます!」
「マスター、おはようございます」
ミルとゼキナが部屋に入ってきた。
ミルはまだ少し眠そうだったが、昨日よりはだいぶましだ。
「おはよう、二人とも」
俺は思わず感動した。
ついに、俺が二人を起こさなくていい日が来るなんて。
「どうされましたか?」
ミルが首を傾げる。
「あ、いや。少し今日やることを考えてただけだよ」
「さすが、タケシ様ですね!」
「まあな」
危ない。
今、かなりくだらないことで感動していた。
少し真剣に考えよう。
「ところで、マスター。今日は何をされるのですか?」
ゼキナが聞いてきた。
「ん……まず一番やりたいことは、メリたちがどれだけ強いか確認することだな」
「私たちですか?」
メリが目を瞬かせる。
「ああ。水魅がどれくらい戦えるのか、実戦で見ておきたい」
「承知しました」
メリは静かに頭を下げた。
「それと、もう一つ」
「なんでしょうか?」
「俺のレベルを一〇〇にしたい」
現在、俺のレベルは八〇。
魔王FランクからEランクへ上がるには、レベル一〇〇に到達する必要がある。
ここまで来たなら、あと少しで届く。
「だったら、ちょうどいい相手がいます」
ミルがモニターを見ながら言った。
「九階層にBランクパーティーがいます。そこで水魅たちの力を試してみるのはどうでしょうか?」
「九階層か」
九階層は洞窟エリア。
ケルベロスハウンドが配置されている場所だ。
Bランクパーティーなら、最初に水魅たちの力を確認するにはちょうどいいかもしれない。
「最初だから、Bランクくらいでいいか」
「はい!」
「じゃあ、そこに行くぞ」
「承知しました」
俺は上位魔剣を手に取り、ミル、ゼキナ、メリたち水魅五人を連れて、九階層へ転移した。
◇◇◇
九階層。
広い岩場と暗い穴が多い洞窟エリア。
天井からは水滴が落ち、奥から冷たい風が吹いている。
しかし、そこにいるはずの冒険者の姿は見えなかった。
「あれ、いなくないか?」
俺は周囲を見回した。
ケルベロスハウンドたちの気配はある。
だが、冒険者の姿だけがない。
「変ですね」
ミルが真剣な顔で言う。
「先ほどまで、確かにここにいた気配があります」
その瞬間だった。
俺の視界の端に、未来が映った。
炎。
真正面から飛んでくる火球。
「……!」
俺は右手を前に出し、魔力を込めた。
「ウォーターボール」
飛んできた火球に水球をぶつける。
ジュワァァァッ!
炎と水がぶつかり、白い蒸気が広がった。
「なっ……!」
ミルが驚いた声を上げる。
「どういうことですか!?」
「多分、誰かが透明になるスキルを使っている」
俺は上位魔剣を構えた。
「姿を隠したまま、俺たちにファイヤーボールを撃ったんだろう」
「そんなことが……」
「ああ。でも問題ない」
俺は周囲に視線を走らせる。
「俺には未来予知がある。攻撃が来る場所は分かる」
ただし、油断はできない。
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第二十三話終了時点:10490pt
翌朝の地脈ポイント:
10階層 × 500pt = +5000pt
第二十四話開始時点:15490pt
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