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ダンジョン妖精と始める異世界魔王ライフ  作者: 西園寺
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第十七話 「魔王」

――次の日。


「タケシ様」


「……ん」


 ミルの声で、俺はゆっくりと目を開けた。


「あ、ミルか。おはよう」


「はい、おはようございます!」


 ミルはいつものように、俺の顔の近くをふわふわと飛んでいる。


 俺はベッドから体を起こし、軽く伸びをした。


「あれ、ゼキナはまだ寝てるのか?」


「はい。ゼキナさんはまだお休み中です」


「相変わらず朝に弱いな」


 あれだけ強いAランク魔物なのに、朝は弱い。


 そこだけは少し人間っぽくて、なんだか面白い。


「タケシ様、今日はどうされるのですか?」


「そうだな」


 俺は少し考えた。


 昨日は六階層を洞窟エリアに改変し、ケルベロスハウンドを配置した。


 さらに七階層も購入済みだ。


 だが、七階層はまだ未設定。


「今日はレベル三十を目指す。それと、七階層を本格的に仕上げていきたい」


「はい!」


「それでミル、冒険者は来てないのか?」


「たくさん来ていますよ」


「え?」


 俺は思わずミルを見る。


「それ、まずいんじゃないか?」


「大丈夫です。今は六階層までしっかり機能していますから!」


「そうか」


 最初は一階層のスライムすら簡単に突破されていた。


 だが今は違う。


 一階層のスライム。


 二階層のゴブリン。


 三階層のオーク。


 四階層のポイズンオーク。


 五階層のウルフ系魔物。


 六階層のケルベロスハウンド。


 ダンジョンとして、ちゃんと敵を止められる形になってきている。


「じゃあ、その中で強いのはどいつだ?」


「そうですね……六階層にBランクパーティー、四階層にCランクパーティーがいます」


「なるほど」


 Bランクは六階層。


 Cランクは四階層。


「じゃあ、先にCランクから片付けるか」


「はい!」


 俺は迷宮内転移を発動する。


 次の瞬間、視界が歪み、俺とミルは四階層へ転移した。


    ◇◇◇


 四階層。


 紫色の毒霧が漂う毒沼エリア。


 そこに、Cランク冒険者たちがいた。


「うわっ!?」


「な、なんだ!?」


 突然現れた俺を見て、冒険者たちが慌てて武器を構える。


「お前……魔王か?」


「そうだ」


 俺は上位魔剣を抜いた。


「うるさいのは嫌いなんだ。だから、さっさと終わらせる」


「なっ――」


「煉獄斬り」


 俺は炎を纏わせた斬撃を放った。


 赤黒い炎が毒霧を裂いて飛び、冒険者たちをまとめて飲み込む。


「ああああっ!」


 悲鳴は一瞬で途切れた。


 Cランク冒険者たちは灰になり、その場から消えた。


「次に行くぞ」


「はい!」


 俺たちはすぐに六階層へ転移した。


    ◇◇◇


 六階層。


 洞窟エリア。


 薄暗い岩場の奥から、冒険者たちの足音が近づいてくる。


「ミル、冒険者はどこにいる?」


「もうすぐ来るはずです」


 ミルがそう言った直後、洞窟の奥から声が聞こえた。


「来ます!」


「ん」


 俺は上位魔剣を構えた。


 暗闇の中から現れたのは、Bランク冒険者のパーティーだった。


 全員、装備が整っている。


 洞窟用の灯りや、防御魔法も準備しているようだった。


「おい、あれ……魔王か?」


「ああ。そうだ」


 俺は短く答える。


「お前らを殺しに来た」


「は? どういう意味だ?」


「そのままの意味さ」


 冒険者の一人が不愉快そうに眉をひそめる。


「俺たちを誰だと思ってる。Bランクパーティーだぞ」


「知ってる」


 俺は上位魔剣へ魔力を込めた。


 黒い炎が刀身にまとわりつく。


「俺はBランクも結構倒してる。だから、早く終わらせたいんだ」


「ふざけ――」


「黒葬の惨撃」


 冒険者が言い終わる前に、俺は上位魔剣を振るった。


 黒い炎の斬撃が洞窟内を走る。


 岩壁を削り、空気を焼き、Bランク冒険者たちを飲み込んだ。


「ぐああああっ!」


「防げ! 防げぇ!」


 だが、遅い。


 黒い炎は盾も魔法障壁もまとめて切り裂き、冒険者たちを焼き尽くした。


 しばらくして、六階層は静かになった。


「これで終わったか」


 俺が上位魔剣を下ろすと、目の前に文字が浮かび上がった。


『新帝ダンジョンの魔王タケシのレベルが二五から三〇に上がりました』


『一五〇〇ポイントを入手しました』


『魔王専用スキル・未来予知Lv1を入手しました』


「やっとレベル三十になったか」


 それに、新しいスキルまで手に入った。


「未来予知Lv1……?」


 俺が呟くと、ミルが目を輝かせた。


「タケシ様! それは数少ない魔王専用スキルの一つです!」


「魔王専用スキル?」


「はい!」


「どんなスキルなんだ?」


「簡単に言えば、相手の攻撃がどこに来るのか分かるスキルです」


「どういうことだ?」


「未来が少し見える、ということです」


「それ、チートスキルじゃん」


「はい!」


 ミルは嬉しそうに頷いた。


「ただし、魔王専用スキルなので、ゼキナさんや私は取得できません」


「魔王専用スキルか……最高だな」


 未来が見える。


 それも戦闘中に使えるなら、かなり強い。


 強い冒険者ほど攻撃速度も判断力も上がる。


 その攻撃を先に読めるなら、俺の生存率は一気に上がるはずだ。


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第十七話開始時点:6518pt


Cランク冒険者討伐:ポイント獲得に含む

Bランク冒険者討伐:ポイント獲得に含む


冒険者討伐合計:+1500pt


現在ポイント:8018pt


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