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ダンジョン妖精と始める異世界魔王ライフ  作者: 西園寺
魔王転移

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第十四話「黒葬の惨撃」

五階層。


 広大な草原エリア。


 草原のあちこちで、ダークウルフ、ホワイトウルフ、グレウルフが冒険者たちを囲むように走っていた。


 その中央に、Bランク冒険者たちがいた。


  二つのパーティーが合同で動いているらしく、人数はかなり多い。


 前衛、魔法使い、弓使い、盾持ち。


 構成も悪くない。


「よぉ、お前ら」


 俺は草原の上に立ち、冒険者たちへ声をかけた。


「おぉ……魔王か」


 前衛の一人が剣を構える。


「そうだ」


「なんで魔王が五階層にいるんだよ」


「お前らを消しに来たんだよ」


 俺がそう言うと、冒険者たちの空気が変わった。


「魔王が自分から来ただと?」


「舐められてるな」


「いや、油断するな。こいつがBランクを倒した魔王だ」


 冒険者たちはそれぞれ武器を構えた。


「ここにはBランクパーティーが二ついる。いくら魔王でも簡単には――」


「ごちゃごちゃうるさいな」


 俺は上位魔剣を構えた。


 黒い炎が刀身を覆う。


「今すぐまとめて片付けてやるよ」


「はっ、やってみろ!」


 冒険者たちが一斉に動く。


 前衛が突っ込み、後衛が魔法を構えた。


 だが、遅い。


 俺は上位魔剣に魔力を込めた。


 アルティアレギオンが魔力を増幅し、さらに上位魔剣がその魔力を二倍に押し上げる。


 黒い炎が一気に膨れ上がった。


「黒葬の惨撃」


 俺は上位魔剣を横薙ぎに振るった。


 次の瞬間、黒い炎の斬撃が草原を駆け抜けた。


 轟音。


 黒い炎が冒険者たちをまとめて飲み込む。


「なっ――」


「あああああっ!」


「防げ! 防げぇぇぇ!」


 盾も、魔法障壁も、身体強化も意味をなさなかった。


 黒い斬撃は防御ごと冒険者たちを切り裂き、焼き尽くす。


 しばらくして、五階層に静寂が戻った。


「……なんとかなったか」


 俺は上位魔剣を下ろす。


 正直、想像以上だった。


 普通の魔剣とはまるで違う。


 攻撃の質そのものが変わっている。


「これは強いな」


 その瞬間、俺の前にゼキナが現れた。


「マスター」


「お、ゼキナ。終わったのか?」


「はい。三階層のCランクパーティー三組は処理しました」


「早いな」


「問題ありませんでした」


 淡々と言うゼキナだが、三組のCランクパーティーを一人で処理するのは普通ではない。


 やはりAランク魔物は頼りになる。


 その直後、目の前に文字が浮かび上がった。


『新帝ダンジョンの魔王タケシのレベルが一六から二五に上がりました』


『三〇〇〇ポイントを入手しました』


「おぉ、結構上がったな」


「Bランクパーティー二組とCランクパーティー三組ですからね」


 ミルが後ろから飛んでくる。


「かなり大きな経験値になったのだと思います!」


「なるほどな」


 レベル二五。


 かなり強くなってきた実感がある。


「ポイントも結構ありますし、六階層を買ってみてはどうですか?」


 ミルが提案する。


「六階層か」


 現在ポイントを確認する。


 七三五〇ポイントから上位魔剣で五〇〇〇消費。


 残り二三五〇。


 そこに今、冒険者討伐で三〇〇〇ポイントが入った。


 現在は五三五〇ポイント。


「確かに、六階層は買えるな」


「一階層から十階層までは、一階層につき二〇〇〇ポイントですからね!」


「よし。六階層を買うか」


「はい!」


 俺は管理画面を開いた。


「六階層、購入」


『六階層を購入しました』


『二〇〇〇ポイント消費』


 ゴゴゴゴゴ……!!


 ダンジョン全体が震える。


 新たな階層が生まれる感覚が、足元から伝わってきた。


「よし」


「六階層が追加されました!」


「次はどうされますか?」


「すぐに新しい魔物を置きたいところだが……」


 俺はモニターを見る。


 さっきの冒険者たちとの戦闘で、各階層の魔物がかなり消耗しているはずだ。


「先に魔物の補充をする」


「そうですね。では、損耗状況を報告します」


「ああ、頼む」


 ミルがモニターを確認しながら言う。


「まず、一階層のスライムが五十体倒されています」


「スライムは復活するからいいな」


「はい。一定時間で復活します」


「次は?」


「二階層のゴブリンが三十体倒されています」


「ゴブリンは補充だな」


「それと三階層のオークが十体倒されています」


「三階層だな」


「はい。さらに五階層のグレウルフが二体倒されています」


「なるほど」


 五階層も少し削られたか。


 Bランク相手なら仕方ない。


「その件で、一つお話が」


「なんだ?」


「以前、タケシ様のレベルが上がると、階層以外の購入ポイントが下がるとお話しましたよね」


「ああ、言ってたな」


「タケシ様のレベルが二五になったことで、ゴブリンは無料で購入できるようになりました」


「本当か?」


「はい!」


「なら、ゴブリンは多めに補充するか」


 俺は管理画面を操作する。


『ゴブリン×100を購入しました』


『消費ポイント:0』


「おぉ、本当に無料だ」


「低ランク魔物は、魔王の成長によって召喚コストがかなり下がるんです」


「これは便利だな」


 ゴブリン百体を二階層へ転移させる。


「魔物転移」


 続いてオークだ。


『オーク×10を購入しました』


『一〇〇ポイント消費』


「オークもかなり安くなってるな」


「はい。以前よりかなり安価になっています」


 オーク十体を三階層へ転移させる。


 最後に、五階層のグレウルフ。


『グレウルフ×2を購入しました』


『一三〇ポイント消費』


「グレウルフ二体で一三〇ポイントか」


「五階層の戦力維持には必要ですね」


「ああ」


 グレウルフ二体を五階層へ転移させる。


 これで補充は終わった。


「現在ポイントは?」


 俺が聞くと、ミルがすぐに答えた。


「六階層購入後が三三五〇ポイント。そこからオーク十体で一〇〇ポイント、グレウルフ二体で一三〇ポイント消費しましたので……」


『現在ポイント:三一二〇pt』


「三一二〇ポイントか」


 上位魔剣を買って六階層まで増やしたわりには、まだ余裕がある。


「これで終わったか?」


「はい。補充は完了です」


「でも、もう寝るのですか?」


 ミルが首を傾げる。


「本当はステータスも確認したいが……」


 俺は肩を回しながら息を吐いた。


 今日は上位魔剣を使い、Bランクパーティー二組を倒した。


 ゼキナもCランクパーティーを処理した。


 さらに六階層を購入し、魔物の補充まで済ませた。


 さすがに少し疲れた。


「今日は睡眠を取る」


「はい!」


「承知しました、マスター」


 俺は玉座の間へ戻り、ベッドへ向かった。


 上位魔剣。


 黒葬の惨撃。


 六階層。


 そしてレベル二五。


 新帝ダンジョンは、今日もまた強くなった。


 だが、冒険者の数も増えている。


 これから先、もっと強い敵が来るかもしれない。


「明日はステータス確認からだな」


「はい、タケシ様」


「おやすみなさい、マスター」


 俺は静かに目を閉じた。


 新しい力を得た魔王として、次の日に備えるために。


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第十四話開始時点:2350pt


Bランク2組・Cランク3組撃破:+3000pt

残り:5350pt


六階層購入:-2000pt

残り:3350pt


ゴブリン×100補充:0pt

残り:3350pt


オーク×10補充:-100pt

残り:3250pt


グレウルフ×2補充:-130pt

残り:3120pt


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