第十三話 「上位魔剣」
――次の日。
「ん……」
朝起きた俺は、ぐうっと背を伸ばした。
昨日は五階層を作り、ウルフ系の魔物を配置した。
ダークウルフ、ホワイトウルフ、グレウルフ。
五階層の草原を駆け回るあの群れは、かなりいい防衛戦力になるはずだ。
そう思いながら、俺がベッドから起き上がろうとした時だった。
「タケシ様! 大変です!」
ミルが慌てた様子で飛んできた。
「どうした、ミル」
「Bランクパーティーが二つ、Cランクパーティーが三つ来ています!」
「……何?」
俺は一瞬で眠気が完全に吹き飛んだ。
「そんなにか?」
「はい!」
ミルは大きく頷く。
「どうやら、以前倒したBランクパーティーの情報が広がり、冒険者たちが一気に集まってきたようです」
「なるほどな……」
前に倒したガルドたちの件か。
Bランク冒険者が戻ってこないとなれば、ギルドも放っておかないだろう。
それに、ダンジョンコアや魔剣を狙う冒険者も増えているはずだ。
「さすがに、その数はきついな」
Bランクが二組。
Cランクが三組。
俺一人で全部相手にするのは面倒だ。
「どうされますか?」
「そうだな……」
Bランクは俺がやる。
Cランクはゼキナに任せるとしょう
だが、それでも少し不安は残るな
相手の数が多すぎる。
「タケシ様」
「ん?」
「現在ポイントは七三五〇ポイントあります」
「七三五〇?」
俺は少し驚いた。
昨日の終了時点で残りポイントは二四五〇。
今日の地脈ポイントは、五階層分で二五〇〇。
つまり、本来なら四九五〇ポイントのはずだ。
「思ったより増えてるな」
「はい。冒険者たちが長くダンジョン内にいることで、滞在ポイントと魔力吸収分が加算されています」
「なるほど」
ダンジョンは侵入者の滞在時間でもポイントを稼げるんだった
今回みたいに多くの冒険者が入り込んでいると、それだけポイントも増えるというわけか。
「七三五〇ポイントもあるなら、上位魔剣を買ってみてはどうでしょうか?」
「上位魔剣?」
「はい」
ミルが真剣な顔で説明する。
「普通の魔剣とは違い、使用者の想像した通りに武器の形を変えられます。さらに、込めた魔力量を二倍に増幅する効果もあります」
「魔力量を二倍に……?」
とんでもない性能だな。
今の俺はアルティアレギオンで魔力も強化されている。
そこに上位魔剣の増幅が加われば、火力は一気に跳ね上がる。
「そんなのがあるのか」
「はい。高価ですが、今なら購入できます」
確かに、今の状況なら買う価値はある。
相手はBランク二組。
出し惜しみして負けるより、ここで一気に戦力を上げた方がいい。
「買うぞ」
「はい!」
俺は管理画面を開き、ショップを表示した。
「上位魔剣、購入」
『上位魔剣を購入しました』
『五〇〇〇ポイント消費』
次の瞬間、俺の目の前に黒い剣が現れた。
普通の魔剣よりも刀身が深く黒い。
まるで光そのものを吸い込むような漆黒の魔剣だ
握った瞬間、手の中に強い魔力の流れを感じる
「これが上位魔剣か……」
俺が魔力を流すと、剣の形がわずかに変わった。
刀身が伸び、魔剣に炎を纏う。
だが、その炎は普通の赤い炎ではなかった。
真っ黒い炎。
周囲の空気を焼くというより、空間そのものを削るような炎だ。
「すごいな」
「タケシ様の魔力に反応していますから」
ゼキナが静かに言った。
「これならBランク相手でも十分いけそうだ」
俺はモニターに視線を向ける。
「ミル、冒険者は何階層にいる?」
「えっとですね、Bランクパーティーはどちらも五階層にいます。Cランクパーティーは三階層にいますね」
「なるほどな」
五階層のウルフ草原にBランク二組。
三階層のオーク階層にCランク三組。
ちょうど分かれている。
「ゼキナ」
「はい、マスター」
「Cランクは任せていいか?」
「問題ありません」
ゼキナは静かに頷いた。
「三階層の冒険者は、私が処理します」
「頼む」
「承知しました」
「じゃあ行くぞ」
俺は五階層へ。
ゼキナは三階層へ。
それぞれ迷宮内転移を発動した。
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第十三話「上位魔剣」
開始時点:
・第十二話終了時点の残りポイント:2450pt
・五階層分の地脈ポイント:+2500pt
・冒険者滞在ポイント、魔力吸収分込みで現在ポイント:7350pt
侵入者:
・Bランクパーティー×2
・Cランクパーティー×3
冒険者の位置:
・Bランクパーティー×2 → 五階層
・Cランクパーティー×3 → 三階層
購入:
・上位魔剣:5000pt
上位魔剣の効果:
・使用者の想像通りに武器の形を変えられる
・込めた魔力量を二倍に増幅する
行動:
・タケシ → 五階層へ転移
・ゼキナ → 三階層へ転移
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