第69話 鬼神戦争 急ノ弐
「フッ・・・フッ・・・」
安堵の息をつきたいが、正直そんな暇もない。
武器が無いのだ正直。
政宗という刀もなく、腰に挿したナイフと銃のみなのだが、あまり使いたくもないので組手、柔術や忍体術を使うしかないだろう。
篭手も無いため、パリィも出来ない上、完全に感覚集中に頼りっきりになるのだが・・・今、気配感知で感知できて残っている鬼の数は、32人。
僕が3人倒したので政宗は二人か。
パキィン!!
振り返ると、軽いが速い攻撃が飛んでくる。
俊か・・・。
俊は「俊の宿命」を背負った子供がその力に耐えられず空中に漏れ出たその残滓の結合体。
とにかく軽いが、速い。目で捉えようとするのは無理だね。
そもそもさっきから目で見てないから問題はないけど・・・取り敢えず、全身を脱力させ、手を浅く曲げる。拳を握るほどでもなく、4割ほどの力でゆったりと。
ぼくの周りを回るように走るが、僕に取ってそれは無意味。
攻撃を鏡華でカウンターするだけ。それでは決定打にはならないだろうが。
後ろから風を切る轟音を発しながら、背中に爪を立てる。
僕は右に体重を逸らし、僕の重心を狙った攻撃を避け、腕に絡みつく。
回転のかかった攻撃を、同じ方向へ回転し、その勢いをさらに上げる。
最初は地面を蹴った勢いの含まれた回転攻撃に腕を持っていかれそうになるが、僕が回り始めたらこっちのものだ。
通常回転に対して反対側へと力を籠める場合、回転と同じ、またはそれ以上の力を必要とするのだが、その反対、同じ方向へ飛び止めるなら、その持っていかれそうになる回転を逆に利用してやればいい。
そのまま回転が止まった俊の肩はゴキゴキとなり、肩にあった核が、骨に潰されて溶ける。
次は、豪。
振り下ろされた棍棒の棘を掴み、外へと捻る。
手首が持っていかれると思ったが、しっかりと握っている。
やっぱり鬼か・・と思ったので、棍棒の攻撃をスルスルと避け、鬼の眼前へと仁王立ちする。
そしてナイフをクルクルッと引き抜き、刺突。
核を的確に刺し、さようなら。
先に倒した豪鬼が溶ける数秒の間、それを盾にして、熱線を撃つ神鬼。
音で気づいてはいたので、その熱線をピースをしたような指の間に通させる。
そこに、熱の塊が残留し、突き抜けた先に熱線の通った跡はない。
僕は指の間に鏡を形成し、何回も熱を反射させている。
当然溶けるが、その熔けたところを少しずつまたガラスを作る。同じ厚さの。
熱は反射を高め、今度は純粋な熱の塊が、白く光る。
それを、神鬼に向けて放たれるように指の間に作った鏡の角度を変えて・・・
―――――・・・・・ッッ!!
音にならない破裂音と炸裂音が発生し、神鬼の後ろにいた3人の鬼も溶けてなくなる。
残り討伐予定の鬼の数、25名。
い、胃が痛い・・・




