第44話 羅掌組手 ゼロノ巻 中編
あ、あれっー?
おっかしーなー?
前後編で終わらせる予定だったのに・・・・
ベキィッン!
二刀をへし折る音によって、金属同士が振動し、それに連鎖して空気も震え、僕の鼓膜へ届く。
瞬間零は目を見開くが、懐に入り、首と脇をとり、大外刈りをかけ、肩固めをキメる。
さすがに僕も重力には逆らえない。
僕は、首を絞められて呼吸困難になり、ゾーンが切れる。
殺しにくるなぁー。
なぜ僕が落ち着いているか?
簡単さ。
「政宗」
「はいよー」
その名を呼びと、前に僕が作ったフルプレートがぬぅッと現れて、零の帯を持ちむんずと持ち上げる。
じたばたする零に声をかける。
「僕の勝ちでいい?」
「駄目です」
「あちゃー」
「妖はズルいです」
「そう言ったら君もはなから武器使ってるけど・・・まだやるの?」
「ええ」
「まーじかー」
「まーじです」
こんなジョークを零が言うようになったのは最近、瑠香と話し始めたころからだ。
が、流石に怪我はしたくも無く、やりたくはないのだけど。
「・・・怪我したら治癒術やってよ?」
「出来るならします」
「そっか、本気はこっからと」
「主殿もでしょう?」
「ははは!」
「ふふふ!」
その情景を見ていた政宗は思う。
バトルジャンキーって俺だけじゃないのね・・・っと。
風を切るように対峙する二人は、葉を切れる俊敏さでお互いの距離を詰める。
零のアッパーカット。
ギリギリまで引き寄せ、その拳が空を切る。
連打がそれに続くが、僕はすべてを捌き切る。
攻撃に転じないのは、正直零を殴るのは気が引けている、というのが本音で別に余裕がないわけではない。
そんなことで、逡巡してると呼気の隙を見て、鳩尾に掌底を食らう。
予想していなかった攻撃に予想以上の重みを感じたのは殺気か、それとも怒りか。
「馬鹿にするのも大概にしてください、忍は逃げない」
「・・・それもそうだ」
すぐに呼吸を整え、『本当』のファイティングポーズをとる。




