第43話 羅掌組手 ゼロノ巻 前編
今回分けます。
ついでに新キャラです。
「主殿」
「なに?零」
僕のことを主と呼ぶのは、零という忍者。
竜吾、竜騎の父が不倫し孕んだ子だったが、その後不倫相手の育児放棄で捨て子。
その後、祖父と僕の父によって育てられ、僕と同年代の女性だ。
祖父に仕えていたらしいが、最近は僕のことを主とし、いろんなことをしてくれている。
青黒めの忍装には、無地で汚れ一つなく、とても草木をかき分けて動いている者の服装には見えず、髪の毛や口は同じ材質の布で覆われており、よく見えないのも特徴的だ。
武装は、腰に二刀。懐には苦無などが使える。
特殊な能力は超能力風に言うと、属性能力と、霊視力に特化している。
僕の右腕と左腕の手首に付いている鉄のバンドのに憑く政宗を一発で見抜いた。
ちなみに僕には白狼神という、銀のような透き通った毛並みのオオカミ様も憑いているらしい。政宗はどちらかというと、深淵側の妖なので、ケンカをするのかと思ったらそうでもなく、なぜか談笑しているらしい。
零は、自分に憑いている妖または神の力を一部借りて、身体強化や属性を操ることが出来る。
「羅掌組手を願いたく」
「ん~いいんだけど・・・」
「それではあちらへ」
「人の話を聞こうよー、れいー」
・・・災害が起きないと良いな。
場所を移し、そこは埼玉の実家付近。
「ここでいいでしょう」
「なにがいいでしょう?」
「ここならだれもケガしない」
「予防線張ったよこの娘・・・ま、いいや。やろうか」
「はい、主殿」
姿勢を低く、久しく使っていなかったゾーンの感覚を呼び起こす。
視界は歪み、不快な耳鳴りがすると、それが和らいでいく。
手に気を溜め、濃縮。
苦無を構えた零を見据えて、それを放つ。
指先から半透明の物が射出され、零の胴を絡める。
引き寄せようとするが、それは凍らされ固体化し、割れる。
引こうとした運動エネルギーが作用し、僕は後ろへとよろけ、零は地面を蹴る。
首筋を狙った苦無を、2本の指で添える。
そのまま体を横へと逸らし、握った拳の中で、炎を爆発させる。
瞬間的な目くらましで、僕は後ろへバック宙。
煙の中を二刀を振りかざして進んでいる零は迷うことなく僕のもとへ向かう。
またも首筋を狙った二刀は真剣白刃取りの応用で、二本の指で白刃を挟む。
僕はそのまま手首を捻り、二刀をへし折った。




