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第5話:氷結弾と夜の努力

いつもお読みいただきありがとうございます! 第5話です。

今回はジョブレベルアップで『ラピッドスロウ』をLv.3に強化したフリシアが、魔法職の美技に触発されて新たな隠し玉『氷結弾』の開発に挑むお話です。

ゲーマー独自の理論と泥臭い努力の成果をぜひお楽しみください!

ジョブレベルが3に上がったというシステム通知を聞き、フリシアは迷わずスキル画面を開いて「Rapid Throw」をレベル3へと引き上げた!


(Lv.2に上げた時はクールタイムが少し縮んだくらいで大した変化はなかったけれど……今回はどうかしら!)


少女の目が輝いた。新しく更新されたスキルの説明文には、こう記されていた。


「Rapid Throw (Lv.3)」

・効果:投擲用武器を素早く連続で「3回」投げつける!


フリシアはニヤリと笑い、茂みから新しくスポーンした哀れな緑色のスライムに視線を向けた。腰の次元ポーチに手を突っ込み、手頃な大きさの小石3個を手際よく手のひらに並べる。


「Rapid Throw!」


シュッ——シュッ——シュッ、ドカン! ドカン! ドカン!!


3個の小石が前回以上の超高速で空気を切り裂き、ほぼ一本の線となって飛んでいった! 1個目が直撃し、2個目と3個目が寸分違わぬ同じ場所に間髪入れず叩き込まれ、スライムの身体が一瞬で破裂してゼリーの破片と化す!


(爽快感最高! 怒涛の3ヒット! 3倍のダメージ重複なら、雑魚モンスターなんて悲鳴を上げる暇すらないわね!)


フリシアは手首の感覚を馴染ませるために周りのスライム数匹に投石を試し、汗を拭うと、落ちた結晶と小さな魔石を回収して街への帰路についた。


……


ギルドへ戻る道中、フリシアの視線は街道沿いでモンスターと戦っている一人の魔法使いの冒険者に釘付けになった。


若い男が木の杖を高く掲げ、5秒近く集中して詠唱を行うと、空気中から鋭い氷の槍が出現してモンスターを突き穿った!


「Icicle Lance!」


フリシアは胸の中に小さな羨ましさを抱きながらその光景を見つめた。元ゲーマーの血が騒ぐ。


(はぁ……魔法職のスキルって華やかで本当にかっこいいわね。威力も高いし、氷属性で相手を鈍足にできるのも強いわ)


だが、自分の極小なMAGステータスと底をつきそうなMPを思い出す。あんな高級な攻撃魔法を真似しようものなら、一発でMPが干上がってしまうし、威力も氷の粒で撫でる程度にしかならないだろう。


(ふぅ……スカウトのステータスじゃ、直接魔法攻撃を使うのは無理ね)


フリシアは溜め息をつき、諦めて歩き出そうとした……だがその瞬間、頭の中で空気を切り裂いた氷の槍のイメージが何度も再生された。


(ん……? 待って……)


少女の目が大きく見開かれ、足がピタリと止まった! ゲーマー思考がこの世界のシステムを急速に解読し始める。


(威力の高い攻撃魔法は大量のMPを消費するし、高いMAGステータスが必要……)


(でも、ただの基礎的な氷生成魔法だったら? MP消費なんてほぼゼロに近いはずよね?)


(だとしたら……魔法で「敵を殺す」んじゃなくて、ただ手に「弾薬(氷の固まり)」を作るためだけに魔法を使ったら……!?)


(……なら、実際の攻撃力や破壊力は、私の高いSTRとRapid Throwの倍率補正がそのまま乗るんじゃない!?)


「あっ……!」


少女の瞳に怪しい光が宿った! プロゲーマーの論理的思考が頭の中で狂ったように回転し、十歳の少女の口元に悪魔のような笑みが浮かんでいく!


……


冒険者協会。


フリシアは山のようなスライム結晶と小さな青い魔石をカウンターにぶちまけた。素材を売却し、受領手続きを行うと、受付の女性職員は一般的なパーティの数倍におよぶドロップアイテムの量に開いた口が塞がらなかった。


……


その夜。家族と美味しい夕食を囲んだ後。


フリシアは自分の部屋の小さな木製ベッドの上で腕組みをして座っていた。目を閉じ、身体の中にあるわずかな魔力を手のひらに集中させて氷を生成しようと試みる。


普通の人なら飲み物を冷やすための氷を少し作る程度だが、フリシアが作ろうとしているのは「投擲に耐えうる高密度で丸い氷の塊」だ。思っていた以上に一筋縄ではいかない!


パリン!


最初に出来上がった氷はナツメの実ほどの大きさしかなく、指で突いただけで脆く砕け散った!


「うぐ……ダメか、もう一回!」


パリン!


二回目は少し大きくなったものの、中は空洞で気泡だらけだった。これではスライムに当たる前に空気中で粉々に蒸発してしまう。


フリシアは眉間にシワを寄せ、額の汗を拭った。何度も何度も目を閉じ、冷気の凝縮度と氷の密度を完璧なバランスに整えようと集中を重ねる。


10回目……。


20回目……。


30回目……。


夜が深く更けていき、40回目を超えたその時!


フワッ……。


白く冷たい気体が手のひらの上にじわじわと凝縮し、やがて「固く、密度の詰まった、手にしっくり馴染む丸い氷の塊」へと姿を変えた!


フリシアは目を開け、手に残る冷たくてカチカチの氷の感触を確かめると、疲労と興奮の混ざった声で小さく呟いた。


「ハハッ……ついにできた!」


……


翌日、街の外の草原。


いつものようにスライム討伐クエストを受けたフリシアは、まっすぐ定期スポーン地点へと向かった。


高台の岩場に立ち、右手の上に意識を集中させて氷結弾を生成する。一球あたり3〜4秒ほどの詠唱時間がまだかかってしまうが、左手には次元ポーチから取り出した普通の小石を握りしめ、ハイブリッドの3ヒット攻撃を構える。


ジュプッ……。本日一匹目のスライムが姿を現した!


「Rapid Throw!」


シュッ——シュッ——シュッ、ドスッ! ドカン! ドカン!


一発目の氷結弾が空気を切り裂き、スライムの中央に突き刺さる! 氷の極寒の冷気がゼリー状の身体を瞬時に凍らせてヒビを入れると、間髪入れずに飛んできた二個の小石が同じ場所を叩き割り、一瞬で粉々に砕け散らせた!


「成功!」フリシアは嬉しさのあまり目を細めて破顔した。


このビルドが秘める偉大な可能性の道筋が見えた! だが、解決すべき新たな課題も浮かび上がる。


「でもやっぱり……まだ氷を作るのが遅いわね。一球に3秒もかかってたら、3発全部を氷結弾にして投げるなんて実戦じゃ間に合わないわ。もっと詠唱を熟練させなくちゃ!」


フリシアは汗を拭いながらニッコリと笑い、腰の次元ポーチから普通の小石を取り出すと、ご機嫌な様子で次のスライムへと投げつけていった。


---


ステータス確認


名前:フリシア・バーハート

職業:スカウト(Scout)

Base Level:2

Job Level:3

Skill:Rapid Throw Lv.3

基礎氷生成魔法 Lv.1

第5話をお読みいただきありがとうございました!

MAGステータスが低くても「物理ダメージの弾薬」として魔法生成を利用するという、ゲーマーならではの裏技で『氷結弾』を作り出したフリシアちゃんでした!

属性付与+物理3ヒットの極悪コンボが完成しつつあります(笑)。


「氷結弾ビルドかっこいい!」「フリシアちゃんの創意工夫が面白い!」と思っていただけましたら、ぜひページ下部の【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】、【フォロー】で応援していただけると大変励みになります!


次回(第6話)もどうぞお楽しみに! ✨

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