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第37話:有効射程

読者の皆さん、こんにちは!第37話をお届けします。

同職のスカウト・エズラとの死闘を制し、ポーションで体力を回復させたフリーシア。

第9ブロックの頂点をかけ、ついに優勝候補の狙撃手アーサー・ライトとの超遠距離対決が幕を開けます!

アーサーの規格外な射程と圧倒的な精度に対し、自身の「有効射程」に苦しめられるフリーシア。

ミリ単位のシールド削り合いの果てに待つ、衝撃の結末をぜひお見逃しなく!

スカウト同士の熾烈な暗闘を制したフリーシアは、すぐさま古代遺跡の陰へと身を引いた。大会ルールにより、参加者は各種類のポーションを1本ずつ使用することが許可されている。HP回復薬の代わりに魔法シールドを回復するポーションを一気に飲み干した。


ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ!


ピィン! ピィン! ピィン!


シールドゲージ: 901/1150

SP: 163/209

MP: 90/112


(もう少し座って回復させようかしら……)


フリーシアは心の中で呟きながら、手首のスキャナーを起動して周囲の索敵を行った。だがその直後、レーダーの最外縁で警告の光が激しく明滅した!


シュッ!


「ダブルアロー(Double Arrow)!」


二条の光の矢が空気を切り裂き、彼女が座っていた場所へとまっすぐに飛来した! フリーシアは本能的な直感で体を捻って回避し、同時に「ハイディング」を発動して気配を完全に消し去った。


(なッ……!? 20メートル近く離れているのに、どうして正確に狙えるのよ!?)


動揺を隠せないフリーシアだったが、次なる矢は容赦なく彼女の上腕を掠めた! ダメージを受けたことで「ハイディング」が強制解除される! 間髪入れずに追撃の二本が迫り、彼女は一番近くにあった石造りの建物跡へと必死に転がり込んだ。


(あたしの氷の投擲の有効射程は10メートル。それ以上の距離でも投げられなくはないけど、威力も命中精度もガクッと落ちる……。普通のアーチャーの射程延長スキルだって、精々4〜5メートル程度のはずでしょ!? なのに射程外からこんな精度で叩き込んでくるなんて……!)


ドカン! ドカン! ドカン!


矢の猛攻が止まることなく降り注ぎ、フリーシアが遮蔽物にしていた石壁に亀裂が走り、ガラガラと崩れ始めた。


(ダメね、このままじゃジリ貧だわ。なんとかして攻撃範囲……せめて12〜13メートルの距離まで詰めないと!)


フリーシアは再び「ハイディング」を選択した。左へ疾走すると見せかけて右へと切り返すフェイントを掛け、姿が露呈するまでのわずかな時間を稼ぎながら間合いを詰めていく。


「捕まえたぞ!」


詰めた間合いの限界で姿が現れた瞬間、フリーシアは腕を振って氷の結晶を解き放った!


「ラピッドスロウ(Rapid Throw)!」


しかし、放たれた氷の結晶はほとんどが空を切った。アーサーは最小限の身のこなしで軌道をかわし、瞬時に反撃の矢を放ってきたのだ! フリーシアは間一髪で体を捻ったものの、光の矢が脇腹をかすめ、シールドは一気に540まで削られた。


歯をくいしばり、フリーシアは三度「ハイディング」を発動。右へ逃げると見せかけて左へ素早く切り返す。しかし、次の矢はまるで彼女の未来の動きを予知していたかのように、進行方向に先回りして飛来した!


(動きを読まれた!? 回避は無理……防ぐしかない!)


少女は右腕を突き出し、アームガードの金属面で衝撃を受け止めた。衝撃を利用して斜め前方へ跳躍し、回転しながら氷の結晶を単発で投げ返した! 氷刃はアーサーの頬をかすめたが、彼のシールドはほとんど減っていない。


(やっと射程内に入った……!)


フリーシアは右腕で再び通常の投擲を繰り出した。アーサーはそれをかわしつつ反撃の矢を放ち、互いに近くの遮蔽物へと跳び込んだ。アーサーは間髪入れずにバフスキル「マークスマンシップオーラ(Marksmanship Aura)」を再起動し、攻撃性能をさらに跳ね上げた。


「なんということでしょうッ!!」実況の叫びが闘技場全体に轟く。


ワアアアアアアアアア! 観客席からの大歓声が地鳴りのように響き渡る。


「両者一歩も譲らぬ、極限の駆け引きと技の応酬です!」


実況の隣に座る解説者がすぐさま口を開いた。「非常に興味深い展開ですね。アーサー選手が使用した『マークスマンシップオーラ』は、攻撃力だけでなく命中精度も劇的に引き上げます。さらにアーチャークラスには『イーグルアイ』という射程を伸ばすスキルがあり、通常でも15メートルの精度を誇ります。アーサー選手は射程外からでも精度を落とさずに射撃できる上、相手の動線を読む洞察力がズバ抜けていますね」


実況「なるほど! では、フリーシア選手はこの絶望的な間合いをどう突破すればいいのでしょうか!?」


解説「フリーシア選手としては、なんとか12〜13メートルの有効範囲まで近づきたいところです。しかし『ラピッドスロウ』は『ダブルアロー』に比べて技の発動モーションがやや長く、隙ができやすい。ハイディングで間合いを詰める戦術も読まれつつあり、フリーシア選手にとっては極めて厳しい難題と言えますね」


---


崩れかけた石壁の裏——。


フリーシアは手に「氷の球体」を急速生成しながら、手元のスキャナーでアーサーの動向を注視していた。


生成が終わるや否や、フリーシアは氷の球体をブラフとして左側へ投げ出し、同時に「ハイディング」を発動して右側へと素早くダッシュした!


パリィンッ!


氷の球体はアーサーの光の矢によって空中で粉々に撃ち砕かれた! フリーシアはその隙を見逃さず、限界まで距離を詰める。左手をバッグへ突っ込み、取り出したロイヤルクリムゾンスティンガーの針をアーサーの肩を狙って投擲した!


不意を突かれたアーサーの体勢がわずかに崩れる。フリーシアはその刹那の隙を見逃さず、右腕を固く構えた!


「ラピッドスロウ(Rapid Throw)!」


無数の氷の結晶が一直線に飛翔する! しかし、有効射程の10メートルをわずかに超えていたため、命中したのは4ヒットに留まった。


ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ!


体勢を崩しながらも、アーサーは生存者の本能で反射的に弓を引き絞った!


「ダブルアロー(Double Arrow)!」


スキル発動後の硬直が残っていたフリーシアは、全身の力を振り絞って身を捻ったが避けきれず、光の矢が胴体を深く穿ち抜いた!


フリーシア・シールド残量: 11

アーサー・シールド残量: 27


二人の体は同時に地面へと崩れ落ち、滑り込んだ……。熱狂していた闘技場全体が、一瞬にして静寂に包まれる。


互いにボロボロになりながら、必死に体を起こそうとする二人。


ふっと——。


その瞬間、眩い転送の魔法陣がアーサーの周囲に展開され、彼をフィールドの外へと連れ去っていった!


---


[ ステータス - キャラクター情報 ]


* 名前: フリーシア・ベアハート (Scout)

* 魔法シールド: 11/1150 | SP: 163/209 | MP: 90/112

* 名前: アーサー・ライト (Archer)

* 魔法シールド: 0/1566 | SP: 217/217 | MP: 147/147


---

第37話をお読みいただきありがとうございました!


遠距離職同士による白熱の射撃戦は、まさかの超僅差で決着!

ギリギリまで追い詰められたフリーシアちゃんでしたが、最後はわずかシールド11を残して見事に勝利を収めました!


しかし……なぜシールドが残っていたアーサー選手が突然転送されてしまったのか!?

その理由とこの死闘の真の決着は、次回の第38話で明かされます! ぜひお楽しみに!


面白いと思っていただけましたら、ぜひ評価やブックマーク登録で応援していただけると大きな励みになります!

それでは、次回の更新でお会いしましょう!

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