第35話:狙撃手と隠密の攻防
読者の皆さん、こんにちは!第35話をお届けします。
フリーシアが華麗な一撃を決めた一方で、第9ブロックのもう一人の優勝候補、弓手のアーサー・ライトも動き出します!
「Double Arrow」の連続射撃で次々と標的を仕留めていくアーサーの圧巻の狙撃技術。
増援や奇襲が交錯する中、一方のフリーシアは同職である短剣使いのスカウトから奇襲を受け、高度な駆け引きの心理戦へと突入していきます!
遠距離と近接の思惑が交錯する第35話を、ぜひお楽しみください!
「フリーシアちゃんが重装甲タンクを一撃で沈めた直後ですが、フィールドの反対側でも素晴らしい動きを見せています!」
実況の力強い声が響き渡り、視点がフィールドの東側へと切り替わった。
「さあ、我らが鋭い眼光の弓使いがどのような動きを見せているのか、見てみましょう!」
模擬フィールド東側の密林の中、アーサー・ライトは大木の太い枝の上に身を潜めていた。深いグレーの瞳で、下方で蠢く標的を静かに見つめている。焦りは一切ない。まるで獲物を狙う一匹の肉食獣のように、完璧なタイミングを待っていた。
最初の標的は、身を隠す場所を探して走っていた女性剣士。アーサーは一瞬だけ弓を構えると、弦を力強く弾いた!
「ダブルアロー(Double Arrow)!」
2本の矢が空気を切り裂いて高速で飛び、女性剣士の胴体へ同時に突き刺さった! 強烈な衝撃とともに、彼女の魔法シールドゲージはたった一発の連撃で瀕死まで削り取られた。
「まだ……残るか」
アーサーは静かに呟くと、標的から目を逸らすことなく素早く次の矢を番え、追撃を放った。
「ダブルアロー(Double Arrow)!」
今度こそシールドゲージは完全に砕け散り、彼女の体は光の転送とともにフィールドから消え去った。
「1人目……」
アーサーは自身に言い聞かせるように囁くと、隣の木へと跳躍して位置を変更した。視線は弛むことなく次の標的を探し続ける。
2人目の標的は、巨大な岩の裏に潜んでいた魔法使いだった。弓手の射線から逃れたつもりでいたが、アーサーは高所からの角度を調整し、岩の隙間のわずかな空間を縫うように斜め下へと矢を放ち通した。
「ダブルアロー(Double Arrow)!」
的確に命中し、魔法使いのゲージは半減。動揺した魔法使いは思わず顔を出してアーサーの位置を探ろうとしたが、バリアを張る隙すら与えず、アーサーの第2陣が襲いかかった。
「ダブルアロー(Double Arrow)!」
ゲージは一瞬でゼロになり、彼の体も瞬く間に消滅した。「2人目……」
3人目の標的は、廃墟の建物の間を縫うように移動し、急速に距離を詰めてこようとする男性剣士だった。移動中のターゲットに対して射撃を余儀なくされたため、命中精度は普段より落ちる。
「ダブルアロー(Double Arrow)!」
1本のみが命中し、剣士のゲージはわずかに減少しただけだった。剣士はさらに速度を上げて肉薄してくる。アーサーは間合いを保つために枝の上をバックステップで退がりながら、連続で矢を放って牽制した。
「ダブルアロー(Double Arrow)! ダブルアロー(Double Arrow)!」
ついに剣士のゲージが尽きたのは、アーサーのほんの数歩手前の位置だった。間近まで迫りながらも、彼の体は間一髪で消滅した。
「3人目……」
アーサーは軽く息を吐き出し、額に浮かんだ汗を拭った。今大会で最も距離を詰められた瞬間だった。
そして4人目の標的は、厚い石壁の裏で回復魔法を連発し、シールドゲージを維持して粘ろうとする聖職者だった。アーサーはこれまで以上に苛烈な連続射撃を叩き込んだ。
「ダブルアロー(Double Arrow)! ダブルアロー(Double Arrow)! ダブルアロー(Double Arrow)!」
途切れなく放たれる矢の嵐。ついに回復速度が弓の破壊力と連射速度に追いつかなくなり、聖職者のゲージは徐々に削り取られ、完全に底をついた。
アーサーただ一人の手によって、すでに4名が脱落したのだ!
「は、速いッ!! 我らが狙撃手アーサー選手、相手に体制を整える隙を1秒たりとも与えません!」実況が興奮気味に絶叫する。「前回大会3位の実力は伊達ではありません!」
アーサーは大木の上で静かに呼吸を整えた。澄んだ瞳で周囲を見渡すと、密林は再び静けさを取り戻し、風が葉を揺らす音だけが響いていた。
「残りはあと何人だ……?」
彼は腕の端末を持ち上げ、ステータスを確認した。
そして同じ頃、フィールドの反対側では——。
……
フェンサーの青年が転送の光の中に消えた後、フリーシアは躊躇なく近くの石壁の陰へと駆け出した。先ほどの「ハイディング」の使用により魔法力が大幅に削られていたため、次のスキャンを起動する前に身を隠して回復を待つ必要があったのだ。
(しばらく回復に専念して、それからスキャンをかけよう……)
だが、遮蔽物に辿り着くより早く、鋭い風切り音が彼女の耳元をかすめた!
ヒュッ!
フリーシアは本能的に首を右へと傾けて身体を捻った。次の瞬間、一振りの短剣が空気を切り裂き、ほんの数ミリ前まで彼女の頭部があった場所を通り抜けていった!
(なになに!?)
心臓が跳ね上がる。即座に腕を構えてガードの姿勢をとり、ナイフが飛んできた方向へ振り向いて氷の結晶を放とうとした。しかし、そこに人の姿はなく、ただの空間が広がっているだけだった。
(奇襲して即座に透明化……!? こいつ、短剣使いのスカウトか……!)
フリーシアは歯を食いしばり、プロゲーマー並みの思考速度で対処法を弾き出した。迷っている時間はない。両足を踏み込んで即座に右へとダッシュすると同時に「ハイディング」を発動。姿を消しながら、音もなく左へと進路を切り替えた!
(同じスカウトなら、私が最初に逃げた右方向へ先回りして待ち伏せしてくるはず……!)
予想は的中した! 左側の空間から影が揺らめき、先ほど彼女がいた右側のルートを狙って二刀の短剣が突き出されたのだ!
奇襲の直前、かすかな影の動きを察知したフリーシアは、間一髪で後ろへ身を翻して回避した。刃が衣類をかすめ、わずかに切り裂く。
と同時に、目の前に薄っすらとした影が実体化していった。両手に短剣を固く握りしめた、しなやかな体つきの若きスカウト。鋭い瞳がじっとフリーシアを見つめている。
(危なかった……)
フリーシアは胸中で呟くと、相手に体制を整える隙を与えないよう、すぐさま手を掲げた!
「ラピッドスロウ(Rapid Throw)!」
少女の手から放たれた氷の結晶が、一直線にスカウトへ向かって飛んでいく!
しかし、相手のスカウトも動揺した様子を見せなかった。洗練されたフットワークで氷の結晶を軽々と回避すると、素早くバックステップを踏み、石壁の隙間へと身を隠した。
フリーシアも遅れることなく、反対側の影に身を躍らせて遮蔽物に隠れた。互いに壁の陰に身を潜め、荒い息を整えながら、小さな石の隙間越しに視線を交差させて相手の動きを探り合う。
(こいつ……ただの短剣使いじゃない。かなりの手猛者だわ)
フリーシアは唇を噛み締め、次の激突に備えて新たな氷の結晶を手に握りしめた!
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[ ステータス - キャラクター情報 ]
* 名前: フリーシア・ベアハート (Freesia Bearheart)
* 職業: スカウト (Scout)
* Base Level: 20 | Job Level: 25
[ 特殊装備 ]
* カスタム次元バッグ (容量2倍拡張 + 自動拾得機能搭載)
* Royal Crimson Hidden Blade (新武器)
[ 習得スキル一覧 ]
* [ ラピッドスロウ (Rapid Throw) ] Lv.10 (MAX)
* [ 投擲修練 (Throwing Mastery) ] Lv.10 (MAX)
* [ 爪修練 (Claw Mastery) ] Lv.1
* [ ハイディング (Hiding) ] Lv.4
* [ トラップリサーチ (Trap Research) ] Lv.1 (MAX)
* [ 氷生成の基本魔法 ] Lv.10 (MAX)
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第35話をお読みいただきありがとうございました!
優勝候補のアーサー・ライト選手が「Double Arrow」の猛攻で一気に4人を撃破! 一方のフリーシアちゃんは、「ハイディング」の読み合いを仕掛けてくる実力派の短剣スカウトと遭遇し、手に汗握る心理戦へと突入しました!
果たしてフリーシアちゃんは、この強敵相手にどのようなプレイヤースキルや新武器「Royal Crimson Hidden Blade」を繰り出すのか!? 次回の第36話もぜひお楽しみに!
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