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第15話:最年少の正規冒険者と温かな夜

いつもお読みいただきありがとうございます! 第15話です。

絶体絶命の試験を突破し、見事に正規冒険者となったフリシアたち!

ギルドでの熱い大祝福、仲間たちの勧誘合戦、感情豊かな家族と分かち合う温かな夕食。

少女の冒険は、ここから本当のスタートを切ります!

「……だがな」


エドガーは少し間を置き、項垂れるカイルの姿を静かな眼差しで見つめた。


「協会も鬼じゃない。半年後には再試験が行われる。自分を見つめ直し、エゴを捨て、チームワークの精神を身につけて戻ってくるなら、まだチャンスはある」


言い終えると、エドガーは分厚いノートと大量の白紙をカイルの目の前にドサリと投げ置いた。


「それと、過信から仲間を死の危険に晒した罰だ。規則、ダンジョンでの注意事項、そしてパーティ戦闘の基礎を100回写経しろ。……今すぐ始めろ」


カイルは黙ってうつむいた。以前のように声を荒げることもなく、ただ静かに頷き、悔しさを喉の奥へと押し込んだ。それはAランク冒険者の息子にとって、人生で最も重い教訓となった。


……


ギルドホール地下へと続く石扉がゆっくりと開く。


フリシア、レオ、ノアの3人は、疲労感を漂わせながら地下ダンジョンの階段を上ってきた。しかし、彼女たちが息をつく間もなく——


「うおおおおおおおおおおっ!!」


ギルドホール全体に、割れんばかりの歓声が響き渡った!


酒を酌み交わしていた数十人の先輩冒険者たちが一斉に立ち上がり、拍手を送り、口笛を吹き鳴らして大盛り上がりとなった。エドガーが通信魔道具を使って、すでに実技試験の合格報告をギルドへ送っていたのだ!


「よくやったぞ、新人ども!」


「一発で実技合格なんて最高だぜ!」


レオとノアは誇らしげに顔をほころばせたが、フリシアはどこか謙虚な笑みを浮かべるにとどめた。


その時、風を纏うような軽やかな身こなしの青年が群衆をかき分けて歩み寄ってきた。フリシアが初日に案内を受けたあのスカウトの先輩だ。しかし今、彼の胸元には高級職である[ Assassin ]の証たる新たなギルドバッジが光っていた。


「おめでとう、3人とも!」


アサシンの先輩は爽やかな笑顔で声をかけると、目の前の小さな少女へ熱い視線を向けた。


「特に君だよ、フリシア……10歳で正規冒険者だなんて! 自分が協会史上最年少の正規冒険者記録を塗り替えたって自覚、あるかい!?」


「うおおおおっ! 小さな天才冒険者に乾杯だ!!」


アサシンの言葉をきっかけに、ギルド内は二度目の大歓声に包まれた! 冒険者たちは手際よくテーブルを寄せ合い、ジョッキを掲げ、新たな3人の冒険者の誕生を祝う宴を始めた。


しかし、賑やかな宴が続く中、一人の大柄な冒険者がバンとテーブルを叩いて声を張り上げた。


「おいおい! フリシアが正規冒険者になったってことは、もう通常のパーティを組んでダンジョンに入れるってことだろ!? ……お嬢ちゃん! 俺たちのパーティに来ないか!?」


「おいこら、クマ男!」別の冒険者が仲間の頭を小突き返す。「俺たちのパーティが先だろ! ちょうどスカウト枠が空いてるんだ!」


「どさくさに紛れるな!」女剣士が割り込んでくる。「うちのパーティは遠距離火力不足なの! フリシアちゃんのあのスナイパーみたいな氷投げスキルは、うちのパーティに一番ぴったりよ! お姉さんと一緒に行きましょう!」


「俺たちのところに来いって!」


「いや、うちのパーティだ!」


ギルドホール中央で、フリシアの争奪戦が勃発した。先輩冒険者たちが次々と勧誘の声をあげ、ギルド内は混乱の極みに達する。渦中の少女は苦笑いを浮かべ、タジタジになりながら冷や汗を流すしかなかった。


そんな中、重装備の冒険者がぽつりと隣の仲間にこぼした。


「あー……でも、俺たちのパーティに足りないのは『魔導士』だったな……」


ぴくっ!


その一瞬、フリシアの耳が跳ね上がるように反応した! 美しい瞳をキラリと輝かせ、好奇心満載の視線をその重装備の冒険者へと向けた。


(魔導士ですって!? 破壊光線で徳を積むあの魔法職魔法使い様が!?)


「まあ、お嬢ちゃんはスカウトだし、魔法系パーティには入れないよな」


冒険者が肩をすくめて呟く。


フリシアの淡い期待は一瞬で打ち砕かれ、彼女は一気にしおれてしまった。


……


やがて、賑やかで温かなお祝いの宴も夜にはおひらきとなった。


ギルドを出たフリシアは、いつものように街の屋台に立ち寄った。毎日家族へ食べ物を買っていくのが日課だったが、今日の彼女は両手いっぱいに大量の料理を抱えていた。串焼き肉に焼き立てのパン、そして温かいシチュー。


「ただいま帰りました〜」


フリシアの明るい声とともに玄関のドアが開く。少女の姿よりも先に、濃厚な肉シチューと芳醇なパン、香辛料の効いた串焼き肉の芳しい香りが家の中に広がり渡った。


「おや、フリシアかい……」


両親が出迎えに走ってきたが、娘の両手に抱えられた十数個もの料理の袋を見て、驚きで目を丸くした。


「まあフリシア! 今日はどうしてこんなにたくさん買ってきたの!?」


母親が慌てて袋を受け取りながら尋ねる。


フリシアは目を細めて満面の笑みを浮かべ、小さな胸を誇らしげに張った。そして、交付されたばかりの新品の冒険者証を、ゆっくりと両親に見せた。


「今日、正規冒険者の試験に合格しました!」


両親は一瞬息を呑み、次の瞬間には歓喜の涙を溢れさせた。二人は愛おしい我が子を力いっぱい抱きしめた。過去の苦難や涙は、家族で囲む温かな夕食の幸せによってきれいに拭い去られていく。


食卓では絶え間なく笑顔と会話が弾んだ。フリシアは実技試験の様子を(ハラハラする危険な場面は上手く伏せつつ)楽しそうに両親へ語って聴かせた。


……


夜が更け、疲れ果てた家族が静かな眠りについた頃。


薄手の寝具に身を包んだ10歳の少女は、部屋の窓辺に立ち、暗闇に浮かぶ大きな月を見上げていた。


「さあ……明日から、本当の冒険が始まる!」


---


【ステータス確認】


* 名前:フリシア・バーハート

* 職業:スカウト(Scout)

* Base Level:10

* Job Level:13


【スキルツリー】


* Rapid Throw Lv.10(MAX)

* Hiding Lv.2

* Trap Research Lv.1(MAX)

* 基礎氷生成魔法 Lv.5


---

第15話をお読みいただきありがとうございました!

見事に最年少で正規冒険者となり、ギルドの仲間や大好きな家族から祝福を受けたフリシアちゃん。

次回の第16話からは、いよいよ本格的な冒険とファームの日々が幕を開けます!


「フリシアちゃんの合格おめでとう!」「家族との夕食シーンが温かくて泣ける……!」と思っていただけましたら、ぜひページ下部の【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】、【フォロー】で応援していただけると大変励みになります!


次回(第16話)もどうぞお楽しみに! ✨

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