山彦の結論
山彦の結論
保倉川の小屋から妙高、塩尻湖に渡った。
昔の道があったそこで、長野盆地へそのまま向かった。
長野盆地に来て、近畿圏の匂いがした。
屋敷が至るところにあり、古墳もあった。
春日山とは大分と違うな。
山彦の印象だった。
千曲川を渡り、山に入っていった。
山彦は森に入ると、安心感が広がった。
縄文の森の雰囲気があり、浅間山の噴火の影響が少ない土地であった。
懐かしさとともに、狩りをして小動物を狩り、食べた。
《森は良い。近畿圏や敦賀を見て、大きな時代の動きを感じた。》
しかし森は俺の住処だなと、改めて思った。
《それにしても、春日山の麓の集落は別だな。》
どうしてかは理解できなかったが、違いを確認し、とにかくいまは、大きく時代が動いていることを確認していた。
森を深く入ると、集落が見えた。
「おい、ここは縄文の森の集落か?」
中から驚いたように男が出てきた。
「あ、山彦さん、族長をリコに代替わりしたと聞いていましたが、お久しぶりです。」
「おう、いまは、浅間山の移動するグループだよ。保倉川から移動して浅間山に向かってる」
男は山彦の動きに納得し、気をつけてお帰りください。と挨拶し、送り出した。
森は深く、険しい道もあったが、山彦は、迷わず進んだ。
浅間山が見えてきた。
枯れ葉で隠れてる小屋が点在してきた。
二つの並んだ小屋の先に大きな岩が重なり、洞窟になってる婆様の小屋に山彦は入った。
「山彦か、理解していたぞ、おぬしが来ておったことは山が知らせてくれてた。」
「婆様、伊勢の大巫女にあってきた」
ほほうと、婆様が驚いた。
山彦が、近畿圏や敦賀に行った話をして、保倉川の小屋がまだ生きてることを告げた。
近畿圏には、山は省かれてる。
彼らは平地の民だ。山は静かに生活を守るしかない。
山彦も同じ考えだった。
山彦は穴から出てリコやカンタに会い、狩りをすることにした。
いまは、昔の暮らしを続けることだという事であった。
隠れ田んぼも見回り、狩りを続けた。
浅間山は堂々と噴煙を噴き上げていた。




