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新しい物語  作者: 熊さん
第三章:近畿圏の抑圧
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敦賀へ

敦賀へ



伊勢の大巫女の祠から出ると宮川を渡る。

太陽の日が当たり、キラキラ光る清流であった。

川を渡ると海岸線を右側に見ながら伊勢路を進む。


そして櫛田川を見て川沿いを昇り始める。


櫛田川は、川の流れがやや速く、水の流れの音が低く響く。

川沿いに登って行くと国見山の山頂を目指す。


古くからの古道のような獣道を歩く。


途中で獣を狩って食事にする。

獣の隙を見つけて首をきり裂く。そのまま血抜き、大きな石を見つけて、捌く、火を起こして薪にして、捌いた肉を串刺しにして焼く。

山頂の手前で寝る。


翌朝、山頂で奈良盆地を見渡す。


もう直ぐ秋だ、稲穂が金色の絨毯のように広がっていた。


《本格的な、稲穂の田んぼのあぜ道が見えない。こんなに広大な絨毯が、風で棚引いている》


近畿圏の成熟した稲穂に圧力を感じた。


奈良盆地に入ると大きな小山が目についた。


《これは墳墓か》


山彦は佐久平で見た代官と美和の併設した墳墓に比べて、大きさと、手の入った小山に違和感を感じた。


しばらく歩くと祠が盛り上げた大地に作られており、人が溢れていた。


これは祠か?人々が手を合わせている。


何をしてるんだ。

山彦には理解できなかった。


宇治を経て大津に入ると琵琶湖が、大きな海のように広がっていた。


山彦は、ここで夜になった。

木の下で火を焚き身体を休めた。


琵琶湖の左側は岸壁で、反対側は森であった。


左に湖を感じながら北上すると高島に出た。

そして山に入り、獣を狩ることができ、食事ができた。


そして、ようやく敦賀に着いた。


敦賀の海は、伊勢の海に比べ波が近かった。


空は薄雲が広がりどんよりしていた。


大きな船が停泊している。


旗に大きな印のような模様が付いていて、頭に大きな丸いものが付いていた。

飾られた様な模様が線で引かれている。


《これは大陸の船だな》


よく見ると船から言葉の分からない、早口な連中がいて、


気が付くと、


浜辺にも沢山の人がわさわさ居て、小さな船に荷物を降ろしていた。


近くまで来ると、四隅に柱を立て、屋根には藁葺のような見たことのない家が並んでいて、そんな家が並んで道が出来ていて、人が歩いていた。


さらに近づくと、さっきの知らない言葉や知ってる言葉が聞こえてきた。


言葉がわからない奴らは、着てる服も違う、長い布で身体をぐるぐる巻いているような。黒や緑や赤色の服を着ていた。


よく見る集落の姿で、分かる言葉を話してる奴もいる。


言葉がわかりそうな奴に山彦は声をかけた。


「随分と賑やかだね」


「ああ、大陸からの船が到着して、偉いさんが来てる」


「偉い人?」


聞いても相手は偉いから、偉いとしか答えてくれなかった。


山彦は、ここから離れようと、少し小高い丘を見つけ、眺めていた。


《これは、凄いな、見ればこんなに大きな船なんて初めて見る》


下にあった家も人たちも理解できない。

とにかく、圧倒されたのである。


穏やかな日和に海からの風が心地よかった。


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